フェイスブックの存在を知ったのは7年程前だろうか…
きっかけは、商談会で知り合った方の
「フェイスブックやってます?」
だった。
「ずいぶん会っていない同級生や知人を探すことが出来ますよ!」
と、いう点にとても興味が湧いた。
一番最初に検索したのは、理不尽な別れ方をした美穂の名前だ。
残念ながら、その名前は出てこなかった。
登録してからひと月も経つと、リクエストしたりされたりで友達の数が20名を超えた。
各人の投稿も増え、30分ほど時間を潰すにはちょうどいいツールになっていた。
そんなコミュニティの中に、一際目立つ投稿をする人物がいた。私はその人物とは繋がっておらず、友達の友達という状態だった。
彼女の投稿はウィットが効いていて、ユーモアのセンスを感じさせると同時に頭の良さも垣間見えた。
私は彼女に興味を持ち、彼女の自己紹介欄を除いてみた。
そこには、細身の気の強そうな顔をした女性の写真が掲載されていた。
「めっちゃタイプ!」
私は、気の強そうな顔をした長身な女性に惹かれる傾向がある。
さらに興味をひいたのは、ステータス欄に
「夫と死別」
と、記されていた。
「これ、本当か…?」
自己紹介欄を読み、彼女は繁華街で小さなバーを営業していることがわかった。
「よし!会いに行こう!」
その日の夜に、私は店のドアの前に立っていた。
いや、正確に言うと店のドアは開きっぱなしだった。
つづく