「デンマーク製ミッドセンチュリーデザインデスクの修理」
1960年代頃に作られたチーク材のデスクを修理しました。
デンマーク製ミッドセンチュリーデザインです。
チーク材は経年変化で木肌の色が明るい茶色、ゴールデンブラウンに変化します。
この色合いは新品の家具では表現できないので、ビンテージ家具の価値の重要な部分です。
このデスクもとても良い色です。
全体的に使用感がしっかりあって、天板には傷もたくさんありました。
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天板は古いラッカー仕上げされた塗膜を剥離しました。
全体を塗り直します。
剥離した後表面をサンディングしてしまうと、長年かけて作られた木肌の色が新品の木の色に戻ってしまうので、サンディングをしない事がとても重要です。
元々天板にはクリヤーラッカーが塗装されていました。
1960年代は、ラッカー仕上げが標準的な家具の塗装でした。
水と傷に強い塗装でしたが、薬品と熱に弱い弱点がありました。
現在はウレタン仕上げが標準の時代です。
水、傷、薬品、熱のすべてに強い塗装です。
美術品として扱われる家具の場合、その家具に元々施されていた塗料で修復しますが、この家具は実用品でもあるので、ウレタン仕上げにしました。
スプレーガンでウレタン塗料を吹き付けたところです。
引き出しの調整や全体の塗装を経て完成しました。
天板の傷も無くなりました。
木肌の古色もそのまま活かされています。
ビンテージ家具の古色を保存しながら、
実用性のある家具にするにはどう修理するか、という話でした。