ウォールコンソール4 | Classic to Modern デコラティブアート的造形と家具作家の日記

ウォールコンソール4

ウォールコンソールが彫り上がりました。

 

 

次にサンドペーパーでサンディングをして表面を整えます。

左側がサンディング後

 

両方をサンディングが終われば塗装です。

 

今回の塗装方法は「ヒュームドオーク」。

「ヒュームドオーク」はアンモニアと木材の持つタンニンを反応させて

木材の色を暗くし、木目模様を引き出す仕上げ方法です。


 

この技法はイギリスで厩舎に保管されていたオーク材の板の色が

暗くなっているのを見て、馬の尿からのアンモニアガスが木材と

反応することによる変色を偶然発見したのが始まりでした。

 

 「ヒュームドオーク」の長所は、染色とは異なりシミや流れの可能性もなく耐変色性です。

短所としては同じ木材でも反応の出かたが同じではないという点と、

アンモニアは皮膚を火傷する可能性があり、

煙は目や肺に火傷を引き起こす可能性があるので作業には防毒マスク、

手袋、目の保護具を着用する必要があります。

何よりアンモニアの臭いがキツイです。

 

このウォールコンソールの材料はホワイトオークなので、そのままでも

効果が出ますが、より効果を出すために紅茶を塗ります。

これは紅茶に含まれるタンニンを木材に追加し、より変色効果を高めるのが

目的です。

 

 

紅茶が乾いたら密閉できる容器に入れ、アンモニアを入れて蓋をしたら後は

変色を待つだけです。

アンモニアの量を入れすぎると木材自体が腐食してしまうので注意が

必要です。

 

 

このまま2~3日放置して変色具合を見て、追加着色をしたり、ニスで

仕上げます。