「メダリオンとスワグ」
教室に長く通ってもらっている生徒さん達の作品を紹介します。
アカンサスの葉をお花の花びらとして彫り進んでいる作品です。
直径で25センチ以上ある大きな彫刻です。
このように丸い形の中に規則的な図形が彫られているもの、特に大型のものはmedallion「メダリオン」と呼ばれます。
とても複雑な彫刻になるので、作業時間も長くなります。
ずっとワークベンチの上に寝かせて彫るので、たまに垂直に立たせて
光の当たり方を変えて眺めてみます。
彫刻を完成させるには時間がかかります。
彫る作業に時間がかかるだけでなく、これでいいのだろうか?とか、
この先どう彫ったらいいのだろうか?とか、迷って考え込んで手が
止まっている時間が含まれてきます。
なので彫っている物を気分転換も兼ねて違う角度から眺めてみると、
良いひらめきがあったり、迷いに対するヒントが見つかったりします。
この作品は、銀製のポットのレリーフの前にお花のスワグを彫っています。
お花や果実をつなげて、真ん中が垂れ下がった状態の装飾をswag「スワグ」と呼びます。
この作品も長い間彫り続けています。
部分的な細かい作業がずっと続いて、全体像がわからなくなっていました。
久しぶりに立たせて眺めてみました。
作品全体を客観的に見て、この先の彫刻のイメージもし易くなりました。
何よりも作品が順調に進んでいる事が確認できて、気持ちも楽になったようです。
生徒さん達が挑戦する様々なモチーフ、レリーフには当然名前があります。
私は主に英語名を使っています。
例えば歴史的な彫刻作品などを鑑賞する時、解説を読む時にその作品を
構成する装飾の名前を知っていると理解度はぐっと深まります。
逆に知らないと、せっかくの情報が頭の中にとどまってくれない事が多いです。
そんな訳で生徒さんの作品とその呼び名も紹介してみました。
メダリオンとスワグ、ヨーロッパの古い時代から現在までとても良く
使われているモチーフです。
アンティーク家具屋さんで家具を見る時、ネットで検索した画像などを
見る時に注目してみてください。