「カブリオールレッグ(猫脚)の作り方をプライベートレッスン」
プロの木工家の方からカブリオールレッグ、日本では猫脚と呼ばれる
家具の脚の作り方を教えて欲しいという問い合わせをいただきました。
この脚を作るには、様々な木工機械と手工具を使う必要があって、
当然怪我のリスクもあります。
プロの木工家なら機械の使い方を一から説明する必要も無いので、
万が一の場合は自己責任で対応してもらう条件で、プライベートレッスンを
しました。
カブリオールレッグの作り方に加えてその種類や、家具の構造部材として
どのように他の部材と組み合わせるのかなど、1日で完結するレッスンとして
は盛りだくさんの内容になりました。
今回は私が用意した型紙を使って、生徒さんが全てのプロセスを自分で行い、
私が監修する形で指導しました。
材料は無垢のオーク材です。
まずはオーク材を角材に製材してもらって、パターンを写し取ります。
次にバンドソー(帯鋸)で切り出します。
カブリオールレッグの形になりました。
バンドソーの切断面はデコボコして汚い上に、オーク材のような硬い木は
切った時に焦げて黒くなってしまいます。
なのでサンディングで表面をスムースにする必要があります。
脚の表面はスムースになりましたがまだ角ばっているので、削って丸みを
持たせます。
脚の角をどれだけ丸めるかで見た目の雰囲気が変わります。大きく丸めると
細く見えるようになりますが、柔らかい印象になります。
どれぐらい丸めるかは作る人の感性と美意識によって調整することになります。
脚が完成したら、脚の曲線を強調して完結させるために、イヤーピース(耳)と
呼ばれる木のブロックを切り出して接着します。
イヤーピースが接着されて、後は全体のサンディングをしながら仕上げる
ところまできました。
この時点ですでに10時間かかりました。
本当は最後のサンディングまでやってもらいたかったのですが、時間切れなの
で持ち帰って仕上げてもらう事にしました。
脚先が大きなブロックのままで、とても大きく見えていますが
通常はこの状態から様々な彫刻パターンで装飾されて、大きさはこの状態より
だいぶ小さくなります。
今回は時間が無いのでブロックのままです。
脚全体のプロポーションや、見た目の軽やかさ、重厚感は装飾を含めた
全てのプロセスが完了するまではっきりしない事をお伝えしました。
実際に何本も違うパターンのカブリオールレッグを製作してみると、
もっと理解も深まると思います。
今回のレッスンはそのためにまずは最初の一本作ってみる経験をしてもらいました。
生徒さんが自分でデザインして、作り上げたカブリオールレッグを使った
家具を見せてもらうのが楽しみです。