「洗面台制作1:モールディング(面材)の彫刻」 | Classic to Modern デコラティブアート的造形と家具作家の日記

「洗面台制作1:モールディング(面材)の彫刻」

しばらく前より仕事の合間を見て制作していた「洗面台」の制作工程を

ご紹介していきます。

今回の洗面台はお客様も使用する1Fに設置するため、以前ブログで紹介した我が家の洗面台よりも細密で、彫刻をふんだんに鏤めたデザインになります。

 

まず完成した洗面台の駆体に「モールディング(面材)」彫刻を施していきます。

この「モールディング」は彫刻教室で生徒さんたちが製作する額縁の

縁回りにも入っています。

 

レッスンでは「卵」の形と、尖った「矢尻」を表現した「エッグ&ダート」と呼ばれる伝統的なデザインを用いています。

平面への彫刻と比べ、面材の曲面上への彫刻は難易度が上がります。

 

 

<モールディングの例「エッグ&ダート」>

 

今回は自身の作品のため「エッグ&ダート」よりもだいぶ複雑な

アカンサスの葉をパターンにした立体的な彫刻にしました。

 

まずは、この彫刻のために製作したモールディング(面材)に

厚紙で作ったテンプレートを使って彫刻の輪郭を写していきます。

 

一つのアカンサスは約25mm×30mm。

モールディングは洗面台(1350×680×650)の3面に付くので

合計で73個(!)彫ることになります。

 

角の部分は別の図柄になります。

 

まずはアカンサスの葉の中心を彫り下げます。

この彫りの深さで葉っぱの立体感が決まります。深めに彫りました。

 

アカンサスの葉の輪郭に切り込みを入れて、葉っぱの立体を彫っていきます。

 

 

葉の上のディテールを彫って完成。

滑らかな曲面のカーブが複雑に組み合わせられています。

曲面同士がスムースに調和しているととても美しく見えます。

 

 

この後サンディングをして、彫刻の表面や刃物でできた傷を滑らかにしたら

完成です。

 

この続きは次回に。