「アールデコダイニングテーブルの修復」 | Classic to Modern デコラティブアート的造形と家具作家の日記

「アールデコダイニングテーブルの修復」

年末も押し迫った先日、今年最後の納品で芝浦のW.WORKSさんの

ショールームに、1930年代頃に作られたアールデコの伸長式テーブル

(ドローリーフテーブル)を届けてきました。

 

ローズウッドの突き板を使って作られた、とても貴重なテーブルです。

 

ローズウッドは元々濃い色をした木肌ですが、テーブルが工房に届いた時には

長年太陽の光にさらされて明るい茶色に変色していました。

 

脚の部分を見るとシンプルな部材構成から一見してアールデコの

デザインだとわかりました。

 

接着剤には膠(ニカワ)が使われていて、現在一般的に使われている

木工ボンドが発明される前の時代に作られた家具であることがわかりました。

 

伸長式のテーブルなので、テーブルの両端から伸びる部分の天板を

引き出してみると、この部分はたまにしか使われてこなかったのでしょう。

色のあせ方が弱く、まだ濃い色が残っていました。

 

構造部分のグラつきを直し、浮いてしまった突き板も再接着して、現代の

日本の住空間にマッチするように濃いこげ茶色に着色して、ウレタン塗料で

鏡面仕上げにしました。

 

工房で見るとそんなにきれいに見えませんが、W.WORKSさんの

ショールームは美しい空間なので、このテーブルの魅力が

とても良くわかります。

 

天板を伸ばした様子

 

全体がとてもシックな雰囲気になりました。

 

素性の良い、古くて傷んだ家具の魅力を丁寧な修復で復活させてあげる事も

私の仕事の大きな喜びです。

 

 

年内の営業は今日28日で終了しました。

2019年は1月7日より通常通り営業します。

 

彫刻教室の生徒さん募集も引き続きしています。

 

デコラティブアートの奥深い世界を学んでみたい方は

是非、お問い合わせください。

 

それでは楽しい年末年始をお過ごしください。