★★★★★★★★☆☆
2017年 119min.
ネタバレ せざるを得ませんでした。
敬称略
監督 ジェイク・カスダン
製作総指揮 ジェイク・カスダン、ドウェイン・ジョンソン ほか
製作 マット・トルマック、ウィリアム・ティートラー
脚本 クリス・マッケンナ、エリック・ソマーズ ほか
音楽 ヘンリー・ジャックマン
スモルダー・ブレイブストーン博士:ドウェイン・ジョンソン
シェルドン・シェリー・オベロン教授:ジャック・ブラック
フランクリン・マウス・フィンバー:ケヴィン・ハート
ルビー・ラウンドハウス:カレン・ギラン
ジェファーソン・シープレーン・マクドノー:ニック・ジョナス
ヴァン・ペルト:ボビー・カナヴェイル
ナイジェル:リス・ダービー
スペンサー:アレックス・ウルフ
べサニー:マディソン・アイズマン
アンソニー・フリッジ・ジョンソン:サーダリウス・ブラウン
マーサ:モーガン・ターナー
アレックス:コリン・ハンクス
ヴリーク老人:ティム・マシスン
監督があのローレンス・カスダンの息子さんなんですねえ。時代の流れを感じるというか、感慨深いものがあります。
で、なんですか、ドウェイン・ジョンソン主演?まあとりあえずどうなるかとここは興味深く入ることとしますよ。
↑出だしは1996年です。
わたしこれ、あれ?オープニングで現代から入るんか、て思ったんですけど、よく考えたら本作の公開は2017年、つまり1996年て公開から21年も前の話なんですね。愕然とするとともに、ちょっとしたタイムパラドックス感ですよ。ちなみに映画の中での現代は2016年、ちょうど20年後の設定になってます。
↑見つけました。
やっぱり見つけちゃうんや~、て思いましたけど、まあそうじゃないと話が始まりませんか。でもね、
↑見つけたのはこちらの赤服なんですけど、
その彼は友だちに「いいもん見つけた」とかいって持ってきて。
↑こちらがその友達ですが、
彼に渡して赤服自身は帰ってしまいました。て、イミわからんのやけど、とはなりますね。一緒に遊ぶんちゃうんかい、て突っ込みは必至ですよ。それにともなって、この友だちがこれから経験することになる想像を絶する拷問を自分は受けなくて済むわけですからね。フツーだったらやっぱり一緒に遊ぶじゃないですか。ちょっと腑に落ちませんでしたね。
↑で、開けたらカセット出てきました。
ああ、ボードゲームちゃうんや、てことですね。時代を反映させてテレビゲーム、ということでしょうが、ちょっと笑いましたよ。
そしたら、時は現代になって、
↑ティム・マシスン、出てきました。
わたし、え゙―っ!て言ってしまいました。当時で70歳になるんですねえ。1978年の「アニマルハウス」の時から知ってますから、驚きですよ。
で、なんですけどね。
ここまで10分なんですが、じつはウザいガキしか出てこんわけですよ。大丈夫なのか、とはなります。まあまだ10分ですけど、つかみの10分ですからね、ちょっとどうかな、て感じなのです。そもそもウザい言うかアホなんですよ、このガキどもが。1作目(と言うのかはわかりませんが)のロビン・ウィリアムズのときは、イジメの描写はありましたけど、そこはサラっと流して、最初っからずっとおもしろかったですからね。本作は、つかみはオッケー、とはなってません。
↑で、そいつらが悪さした罰で学校に居残りさせられて、
↑見つけました。
↑で、当然ゲームをするハメになります。
まあ、流れとしては悪くはないですけどね。
↑こんなして全員が同じようにゲームに入っていきます。
さすが技術の進歩、CGはスゴイですね。ていうか、今回はみんなゲームの中に入っちゃうんですね。ロビン・ウィリアムズのときは、サイコロ振って止まったマスに「次のプレイヤーが5か8を出すまでジャングルで待機」ということでゲームの中に入っちゃったんですよね。で、そこから時が経って現代(当時の)でゲームするときはゲームの中の様々な動物たちなんかがこちらの世界に飛び出てきた、てシチュエーションでしたからね。真逆なわけですね。
↑で、ドウェイン・ジョンソンとなります。
ははあ、なるほど、と。わたし事前にキャストとか見てて、現実世界とゲームの中の世界は役者が違うんやということは把握してましたが、なるほどゲームの中のプレイヤーになってしまうんやな、ということがわかりました。自分がドウェイン・ジョンソンになってゲームをプレイするわけですよ。おお、そら楽しいぞ、となります。
ここで整理しときますと、さきほどの4人は以下に変わります。
↑スペンサーは、
↑ドウェイン・ジョンソンに、
↑フリッジは
↑フランクリン・フィンバーに、
↑マーサは、
↑ルビー・ランドハウスに、そして
↑べサニーは
↑オベロン教授になりました。
オチのパンチは効いてますね。なかなかハマってきましたよ。
↑で、さっそくべサニー、カバに喰われました。
まあね、ゲームですからね、どうせライフが3つはあるんだろうから戻ってくるわな、とは思いましたけど。
で、思った通り
↑上から降ってきました。
まあ、デフォルトなわけです。ていうか、ものがテレビゲームなので、スゴロクよりも幅は広がってますね。たとえばフリッジはジュマンジ世界では動物学者ですから、カバの生態に詳しくなっている、なんてのはいいじゃないですか。ほほう、なるほどやね、となります。
↑新キャラも登場しますよ。ナイジェルさんです。
こちらはゲーム世界での案内人のようです。NPC、すなわち「ノン・プレイヤー・キャラ」と。決められたことしか言わない人だそうです。
わたしあんまりロールプレイングゲームとかゲーム自体そんなに詳しくないんですが、それでも「勇者ヨシヒコ」とかは観ましたから、ある程度のことは把握してます。つまりそういう人にもちゃんと楽しめる映画になっている、ということですね。もちろんゲーム好きの子供たちにはウケるのでしょう。
↑この方も出ておられますね。
て、だれや、て。ヴァン・ペルトさんだそうです。前作とは全然違いますね。
↑ロビン・ウィリアムズのときのヴァン・ペルトはこちらの方でした。
年齢まで違いますね。ま、そこらへんはいいのでしょう。あんまり深く考えない方がいいかもですよ。だってそれ言ったら、前回ボードゲームだったのにどうやってテレビゲームに進化したんや、てなりますからね。まあ前回とは違うゲームなのかもしれませんけど、それはそれとして、もし仮に同じゲームだったとしたら、ゲーム自体がボードからテレビゲームに変身した、ってことじゃないですか。腑に落ちないっちゃ落ちないですけどね。まあそもそもが理不尽な世界なわけですから、いいんでしょう、きっと。
とまあここまで約30分。ハテナの部分もあるにはありますが、でも冒頭のクソガキたちのことを思ったら格段におもしろくはなってきましたよ。そもそもこの映画にはまったくそぐわないだろ、なんて思ってたドウェイン・ジョンソン(英語表記だと日本語読みは「ドゥウェイン・ジョンソン」ですけどね)がこれまたいい味出しておられますよ。なるほどこういう映画なのね、とここで肚落ちでした。
↑インディ・ジョーンズみたいです。
冒険ものですから、そらまあこうなるわな、ではありますが、不快感はありません。さすがジェイク・カスダン監督、「スター・ウォーズ」「インディ・ジョーンズ」の脚本書いた人の息子さんだということですかね。
て、よく言いますけど、これどこまでが「さすが」なんでしょうね。自分で言っといてナンですけど。やっぱり遺伝子でこういう同じような発想が出てくるのでしょうか。ひょっとするとアドバイスもらってるかもしれないですね。わかりませんけど。
↑あ、なるほど、です。
これがライフか、と。やっぱりライフは3つでしたね。たいていそんなもんです。ただここでトンデモな事実に直面しますよ。すなわち、ライフがなくなるとどうなるんか、て。たぶん死ぬだろう、てことですけど、だからちょっぴり緊迫感が漂いました。まあけっきょくものがアドベンチャー映画ですし、コメディ要素も入ってますし、だれも死んでしまうとは思ってませんから緊迫感も漂ったのはここだけでしたけど。
↑開始45分、ちょうど半分で仲違いします。
ダレた空気を締めるため、なのかもです。どうせ最後の感動への布石だろうし、ってわかってますから、ここのシーンも観ていて不快感はありません。
↑フリッジ、ケーキ食べます。
自分のゲームの中のスキルで「ケーキが弱点」てあったのに、食べてしまいました。食べてしばらくはなんともなかったんですよ。でも「ジュマンジ」ですからね。ライフもまだ残ってますし、だからなにもないわけがないじゃないですか。だからこちらとしては、よく見とけよ、と。いまに食物アレルギーで苦しみだすんやに、と身構えてワクワクします。そしたら、
↑爆発しました。
わたし、「うーわっ」て言いましたよ。そのあと爆笑でした。
ちなみにこれで全員ライフは2つになりました。
ただザンネンなのは、ゲームの中の主役以外の登場人物がみんな人間味がない、ってことですかね。同じことしか言わないし、決められたことしかしないし、て。いやいやもちろんゲームだから仕方ないのでしょうけれども、そこらへんは「勇者ヨシピコ」はうまーくすり抜けてましたよ。やっぱりロールプレイングゲームに関しては、日本が一枚も二枚もうわてのようですね。
でも映画としては、やっぱりおもろいです。そういうザンネンなところを払しょくさせるかのようにコメディ部門で笑わせてくれます。そこらへんは脚本家と監督のセンスなんでしょうね。
↑いちいちこの方を「べサニー」って呼んでますし。
これ、けっこうサラっと流されがちですけど、よく考えたらめっちゃ笑えます。このあと新キャラが出てきて、その彼がべサニーを助けようとしたときに“Leave him alone!”て言うんですけど、そこは“her”ではないんですね。よくわかりません。たぶんわたしだったら“her”て言うと思いますが。
↑この方も大活躍です。
スキルで、弱点は「ない」だそうですからね、そらバッタバッタと、て感じです。ああ、だからドウェイン・ジョンソンのキャスティングなのかあ、です。
ところで。
↑ヴァン・ペルトが、ドウェイン様ご一行を捕獲しそこねた部下を殺してしまいますが。
えと、こうして主人公たちとは別のところで敵どうしでいざこざあったりしてるんですけど、実際だからゲームの中でもこういうことが行われている、ってことなんですかね。だってゲームって、把握できるの主人公たちの周辺だけじゃないですか。主人公とは別の場所なんて、ゲームにはでてきませんよね(たぶん)。だからこれはひょっとすると余分なシーンかもしれません。映画用に、観客にわかりやすくしたと思うので、それはそれで全然いいんですけど、細かいところはそういうことじゃないんでしょうか。細かいこと言うなよ、て言われそうですけど、やっぱり映画なんだからちゃんと細部にまで気を配らないと、こうしてギモンだけが残っちゃうわけなんですよ。
たとえばですね、よく戦争映画とか、日本だと戦国時代の合戦とかのシーンなんかで、主役たちとは全然べつの足軽とかその他大勢みたいなひと、次々と死んでいくじゃないですか。でもその人たちにだって家族はあるし、それぞれの人生があるわけですよ。ただそれは敢えて見せませんよね。ゲームとは違いますけど、でもやっぱりだから、本作でもそういうことでよかったんじゃないかな、ってわたしは思いました。敵どうしのいざこざはあまりにも映画的で、ゲームの中の世界だってことを忘れてしまいましたから、わたしは余分だったかな、と思います。まあ、そんな深く考えんでも、ってやっぱり言われちゃいますかね。
↑そしたらまた新キャラです。イケメンですねえ。キアヌ・リーヴズ似です。
今度はゲームの中の登場人物ではなく、数か月前にゲームに入った人、だそうです。で、次のステージに進めず、一人じゃ出られなくなってしまった、とのことですが。
いやいや何度もすみませんが、わたしここでまた考えこんじゃいました。
いえね、この方シープレーンさんとお呼びするんだそうですが、この方こそがドウェイン様ご一行が探している最後のピースだった、てことなんですけどね、えっ、じゃあこのシープレーンさん、なんでゲームに入ったの、てことになりません?もう最初っからドウェイン様ご一行ありきの話になってるじゃないですか。だってご一行様を助けるためにシープレーンがいるわけでしょ?シープレーン(現実世界ではアレックス)よ、20年後(シープレーンは数か月前にゲームに入った、て言ってましたが実際は20年も経っていた、ということになってます。要するに、冒頭で赤服が見つけたゲームを託されたあの方なわけです)にご一行が来るけど、お前はそのご一行のラストピースになるのだから、先にゲームに入って20年待っとけよ、ということですよね。
いやいやいや、そうではなくって、そもそもがこれ壮大な運命の話だから、すべてがつながっていて最後にまるくおさまるのだ、は「スター・ウォーズ」です。こちらは単なる(でもないけど)ゲームですからね。壮大な運命のお話、ではないんですよ。これはもう答えがみつかりません。質問状を監督と脚本家に送り付けないとたぶん永遠にわからないんでしょう。サクサクと楽しく観たいのに、けっこう悩んでしまうことがあって、ザンネンな気はしました。
でもね、でもやっぱりおもしろいんですよ。
↑ここでみんながナットクするんですけど。
要するに、冒頭の1996年と現代の2016年とがここでようやくつながった、ということなんです。ティム・マシスンがあんなになってしまった理由もここで判明する、と。決して「スター・ウォーズ」ではないけれどの「スター・ウォーズ感」は心地よいですよ。ただやっぱり、だからこそそれを貫いて細部にこだわってほしかったな、という思いにはなりましたね。
それだけでなく、
↑自分のライフを削ってまで命を救ったべサニーと救われたアレックス(シープレーン)。
20年の時の流れに愕然としたりするところは泣けたりもします。だから総じて「いい映画」なんです。それはゆるぎないところです。
↑こっちはこっちで盛り上がって。
告白したりして。
↑で、キス……。
こんなヒドいキスシーンは初めて観ました。いくらなんでもそれはないやろ、的な。なんかクサそうです。
て、すっかりヴァン・ペルトのことを忘れていたのに気づくのがここらへんです。まあそれくらいのキャラでした。
↑ラストです。みんながゲームを終えるところ。
ここはもう鳥肌もんでしたね。
そして現実世界に戻って当たり前のようにアレックス(シープレーン)とガキどもの再会は、やっぱり前作と同じように涙なくしては観られないシーンとあいなったのでありました。
いやほんとはですね、腑に落ちない点がふたつあって、それがけっこう根強い内容ですから★をぐっと減らそうかと思ったんですよ。最初のガキどももとにかくウザいし。でもね、ゲームの中の世界ではウザさはいっさいなく、終始ほのぼのとして笑みをたたえながら観ることができたので、★ふたつ減にとどめておきました。う~ん、難しいですけけどね。★6つならそうのような気もするし、やっぱり8つでナットク、ということもありますし。次も観たいか、って聞かれたときに、ああやっぱり観たいな、ということです。もしよければみなさんの意見もお聞かせください。(と言って聞かせていただいたことは一回もないですが……)
今日の一言
「あ、エンディング曲『悦子の母乳だ!』や!」