近未来の日本

 

 

 

 

 

 

 

 婆(ばばあ)があの家には妖怪が出るけ、近づけん方がええっちゅうのう、と言った。私はまだ半信半疑だったし、冒険心も無くなってはいなかったから、敢えて婆が言う、〈あの家〉を訪れてみようと決意したのだった。

 夜遅くに、暗がりの夜道をひとりで〈あの家〉に向かい歩いていると、反対側から酔っ払いらしい一人の人物が歩いて来た。やがてそれが本当に酔っ払いであると気付ける程に私の近くまで来て、目の前に止まると、酔っ払いは顔を上げ、ヘナヘナした酔っ払い特有の調子で私に言った。

 「いい匂いじゃのう、へへへ。これは握りめしの匂いじゃのう、へへへ」

 酔っ払いのジジイが、漆黒の闇夜でさえ、その殆どが抜け落ちた汚い歯並びを罪深くも露わにして嗤うと、はだけた薄っぺらいゴミのような浴衣の裾を捲り上げて、度重なるオネショの跡で黄ばんだような不潔極まるふんどしの中へ片手を突っ込み、悪臭と汚れ切った股間をボリボリとまさぐるように掻きむしりはじめた。

 私は婆(ばばあ)が親切にも作ってくれた握りめしをふたつ、笹の葉に包んで腰からぶら下げていた。塩の利いたまだ炊き立ての、何とも言えぬ良い香りが、さっき晩飯を平らげたばかりの胃にさえ、無限の食欲をそそるかのような魔力を放っていたのだ。

 「オレにもくれやぁ、ああ?べっぴんさん、ヒヒヒ」

 私はジジイに、殆ど反射的に殺意を抱いた。

 行く手を塞いでいて邪魔だったから、握り飯とは反対側の腰に下げた剣で、この乞食ジジイの首を刎ねてさっさと先を急ぎたかったのだが、討伐する敵の汚らしさが邪魔をして、躊躇わせていたのだった。こいつのこの汚い血液や体液が刃先に付くのも嫌だったし、最悪それらの黴菌の飛沫が私の身に付着するのも、考えただけで汚らわしかった。

 ジジイが近付いて来た。これは新たな攻撃だった。既に悪臭が鼻を衝いていた。私は剣を抜くか迷っている。とその刹那、ジジイの背後で何かが動いた。それは一瞬の出来事だった。次の瞬間には、ジジイは身動きしなくなったかと思うと、アホ面をしたまま、表情ひとつ動かすわけでもなく、首から上が転がるように地面に落ちていったのだった。そして一呼吸分を置いてそのみっともない蟹股で腰の曲がったふんどしを曝け出した動体が前へ倒れた。

 私は胴体の首との切断部分から血がこちらへ掛かって来るかも知れないという恐怖に駆られて咄嗟に退いた。だが要らぬ心配であった。ただ後ろの方へ転がっていった生首が、道に傾斜があった所為か、こちらへ戻るようにして転がって来たのであった。私はその破廉恥な生首を片足を上げ、足の裏で踏みつけた。

 「黴菌が移るわよ」

 私は女の声に、生首をズックの底で踏みつけながら顔を上げた。無様に倒れた首のない胴体の後ろに、細長い剣を片手にひとりの女が立っていた。それは何時の間にか出始めた上弦の月の明かりを正面に受けて銀色に輝いている幻覚のようでもあった。

 すると女が剣の位置を持ち変えた。刀を動かす時、それは自らの鋭利な刀身に素早く月の光を反射させた。まるで幻覚から目覚めさせるトリックであるかのように。

 「助かった」

 私は素直に礼を述べた。「もう少し遅かったら、この刀を黴菌で汚してしまうところだった」

 私はそう言ってから、気付き、まだ鞘に納められずに、月の光を反射させている女の刀身に目を細めた。反射の所為だろうか、女の刀には血痕が付いていないように見えたからだ。すると女が、私の考えていることを察したかのように言ったのだ。

 「この刀の切れ味は半端ない」

 そう言うと、女は半月に向かって刀を高く翳した。その姿はまるでゲームの世界の、強く美しい美女の姿だった。そして実際に女は美女だった。刀身が妖しく光ったように見えた。

 「血ひとつ付いていない」 

 女が言った。「まあ、私だから出来たことだとも云えよう」

 そして微妙な笑顔のようなものを見せると、私を下から上まで、軽く検分する素振りをした後に、私に訊ねてきた。

 「お前は生活保護でもなければ、外人でもないのであろう?」

 「勿論だ」

 私は咄嗟に答えていた。「そういう風に見えるか?」

 「否。ただ、私はこの辺りの土地のことを余り知らない。もし気に障ったというのであれば、ついさっき訊ねたことは、言わなかった事にしてやる」

 何か上からの物言いが気に障ったが、取り敢えず話しを先に進めることにした。

 「私はこれから妖怪退治に行くところだ」

 「妖怪の種類は何だ?」

 女が訊く。私は答えた。

 「加害者家族だ」

 「それは手強そうだな」

 「ああ」

 「でもたとえ、その犯罪に対して、自分たち家族には関係がないにしても、はやり犯罪者の親族なわけだからな。のうのうと生かせておくわけにもいかないな」

 「それに―――」

 私は言った。「生きている以上、人間との関りが出てくる。否応なし仕方なく関わざるを得ない人々の事を考えると、不憫で仕方ない」

 「なのに、奴らはいつまでも人間のつもりでいる。もうとっくに妖怪の仲間入りになっていることを、認めようともしない」

 女が賛同し、言った。月のように青白い表情に、怒りと不快感を滲ませながら。

 「そうだ。だから奴らが妖怪であることを解らせてやる。この刀でな」

 私はそう言うと、片手を刀に触れた。

 妖怪には様々な種類がいた。彼らは次のような名で其々カテゴライズされ、呼ばれていた。生活保護、外人、加害者家族(勿論当の犯罪者は既に即処刑されている)、ホームレス、無職、酔っ払い、悪臭、落伍者、キメラ(容姿の悪い者)、多重債務者、自己破産者、パチンカス、非正規雇用者、独身者(40代以上の未婚の男女)、変態、滞納者、オタク、同性愛者、前科者、等が該当していた。人間と悪魔の中間的な生物として、彼らは妖怪と呼ばれていたのだ。悪魔とは法を犯した犯罪者のことである。彼らは検非違使らによって捕獲され、形式的な裁判を経た後、その殆どが即処刑されていた。

 そして妖怪の中でも民間人によって処罰して良い対象とそうでない対象とに分かれていた。はっきりとした線引きは無い。その時の状況や相手の妖怪の程度によって、討伐の対象としても良いと、暗黙の了解のようなものが存在していたのである。特に生活保護や外人、ホームレスや酔っ払い、悪臭、前科者等が討伐の対象に成りやすかった。現在国会では、妖怪にしてもいい対象の数を増やそうとする新たな法案が可決されようとしていた。それは中卒と、バックラーである。バックラーとは、勤務先の会社に突然来なくなる者のことである。国が言うところでは、これら妖怪にされた者たちにはある一つの共通点があるという。それは他の選択肢もあったにも関わらず、自ら好き好み、自らの意志や自らの身勝手でそういう風になったというものだという。確かに言われてみればその通りである。彼は、或いは彼女は、40歳になる前に、しようと思えば、結婚の一つや二つくらい出来た筈である。ある議員はそれらの事についてそんなようなことを言っていた。オタクになんか成る必要もなく、もっと魅力的な趣味は他にいくらでもある。変態などにならなくても良かったのである。同性愛者にしてもそうだ。男は女を、女は男を愛するからこそ、子供が生まれ、国も発展していくのではないのか。前科者は、一生その黒い十字架を背負って残りの人生を惨めに歩むがよい。彼らは同じ妖怪の中でさえ、特に忌み嫌われていた。犯罪を犯す者ほど間違った選択をした者共が、この同じ妖怪の中にさえ他にいようか?破産者、債務者、滞納者、落伍者、ホームレス、無職、それらも勿論皆自己責任だ。他の者はちゃんとやっているではないか。生き方が悪いからそうなったのだ。変えようとせず、愚かだからそうなったのだ。人の助言を聞かなかったからそうなったのだ。怠けていたからそうなった。非正規雇用やパチンカスも同じだ。自ら選択し招いた事だ。悪臭、酔っ払い、キメラも、要は品行方正な生活をしていれば改善できるものだ。君ら妖怪にされた者共は、自らの意志でそういう愚かな選択をした、恥じずべき者共だ。生まれつきや不慮の事故等によって障碍者になった者や、歳を取り、年金で生活している働けなくなった定年老人たちとは違うのだぞ。君らは言うなれば、差別されて当然の輩だ。君らが自らそういう道を選び、そういう風になったのだからな。

 そういう理屈、或いはイデオロギーで、新たに妖怪の仲間として、中卒とバックラーも反対ゼロ票で可決した。このふたつは最初からセットみたいなものだね!ギョーザとチャーハンみたいに。と、気の利いた冗談を言ったつもりで嬉しそうにはしゃぐ議員もいたほどだった。さっき婆(ばばあ)の家を出る時に、夕方のニュースでそれを知った。バカでかいテレビの薄型フラットスクリーンの内側に張り付いた、高そうだけど全然似合っていないスーツを着込んだ顔のデカい議員が得意そうに納税者に向かって息巻いているのを観たばかりだったのだ。

 だがそんなことはとうの昔から知っていた。誰から教えられるともなく。物心付いた時から既に世の中がそういう風になっていたし、そういうもんだと思っていた。疑問にも思わない。何故なら、さっきテレビで議員が国の良き納税者たちに向かって発言していた事は、すべて事実であり、真実であったのだから。そこに疑問を挟む者が居たとすれば、それは妖怪共か、妖怪に成りつつある者と決まっているのだ。

 「どうしたの?」

 私は女を見た。

 「早く蹴れないの?」

 女剣士が重ねて問う。私は靴底の下にある黴菌を見た。そしてはち切れんばかりのボディスーツに身を纏い、マントを羽織っている女剣士に言った。

 「これ、蹴ると破裂して脳汁とか飛び掛かってくるか心配なんだよな」

 「足の裏で軽く蹴れば問題無し」

 ピチピチの女剣士が当り前の如くに言い放つ。そして少し小馬鹿にした声音を滲ませて私に訊いてきた。 

 「妖怪の頭、サッカーにしたことないのか?」

 「否、ある」

 私は多少感情を昂らせながらそれを否定した。そして面白そうに私をまじまじ見つめるピッチピチの女に向かって言った。

 「こいつのは、特別汚らわしい」

 私はそう言いながら、生首から足の裏を離した。すると今度は女剣士が剣を鞘に納め、私のすぐ近くまで来た。至近距離と呼べる距離だった。私は何故か余り警戒もせずに黙って立っていると、デカパイの女剣士が私の耳元に顔を近付け、秘密を打ち明けるようにそっと、囁くように言った。

 「あなた、おちんちん、付いてるんでしょ?」

 私は不意を突かれたように女から身を退いた。すると女剣士は勝誇ったようにして言い放った。

 「知ってるのよ。あなたが男だってことは」

 女が楽しそうな顔をして私を見ている。今にも笑い出しそうだ。というか目が既に笑っている。

 私はジジイからべっぴんさんと言われた時に私を襲った殺意が一瞬間だけ私の全身の毛並みを逆撫でるように駆け巡るのを感じた。だが直ぐに冷静になった。ジジイは男である私を見て、私をべっぴんさんと言った。つまり言い換えるなら私を見て女だと間違えた。それもいい女だと。だがこれは別に珍しいことではなかった。私はよく、というか殆ど初対面の相手すべてから女だと間違わていたのだ。言うまでも無く私の女らしい容姿がそうさせていた。だが美少年或いは美青年というだけで、私は心身共に正真正銘の男だ。だから初めて会った女からいきなり確認されるような言い方をされた時は全身の体毛が逆立つ殺意のようなものが電流の如く流れたのかも知れない。だがこの、見た目に依らずスケベそうな女に刀を向けることは避けねばならないと、本能が訴えていた。今さっき討伐されたばかりのジジイなら何の問題も無し。大人しくやられるだけの弱い存在なのだから。しかしこの女は違う。下手すればこちらが深手を負い兼ねない。それに人間である以上に一人の剣士なのだ。お互いに不要な争いは避けねばならぬ。戦うべき敵は、この国にいくらでも居るのだから。

 「でも不思議なのよね」

 スタイルのいい女剣士が話しを故意に逸らすかのように言った。

 「生活保護って妖怪がいるでしょ?」

 「ああ」

 私は仕方なく相槌を打った。女は再び私の直ぐ傍へ来て話し出した。ボディスーツのはち切れそうな胸と尻と太腿が雄である私に迫って来る。

 「前科者や加害者家族、それに外人と同じくらい嫌われているわけでしょ」

 「それが何か?」

 私は平静を装いながら女のナイスバディな体は見ないようにして上弦の月を見ながら相手をしている。だがその肉体と同様に恥ずかしさで余り見ないようにしている女の顔をチラ見して分かったのだが、女は真面目な表情をしている。

 「それなのに、国は生活保護に毎月、決まった額のおカネを支給しているわけよね」

 私は女が次に喋り出すのを待つ。淡い夜風が吹き、女から良い匂いがした。

 「3凶なのよね。生活保護って」

 女剣士の言う3凶とは、前科者、加害者家族、生活保護のこの三つの妖怪のことである。或いは外人を入れて4凶という言い方もある。

 「何故国は、私たちの尊い汗水を垂らして得た税金をあんな者共の為に払い続けるのかしら?そもそも、国があいつらを妖怪としてカテゴライズしたわけでしょ。それなのにどうして奴ら妖怪になんか保護するのかしら?」

 私はため息をついた。この女剣士は奮いつきたくなる程グラマーだが、あまりクレバーではないらしい。

 「それは―――」

 私は説明しようと口を開いたが、その口を左手の人差し指で塞がれた。女の人差し指に接吻してしまった形になったが、女は気にもしていない様子だった。

 「勿論、知っているわよ。国はそうすることで、わたしたち国民を守っているっていう事でしょ。悪魔(犯罪者)に成られても困るから。その殆どは水際対策で追い出すけれど、それ相応の志望者には生活保護にカテゴライズさせて妖怪にさせているのよ。その方が都合が良いから。だから偶に奴らが私たち剣士に討伐されても、国は黙認している。それは国にとっても有難いからよ。税金泥棒が居なくなったんだから」

 「奴らも妖怪だからね。しかも3凶だ」

 私が後を請け負った。「だけど体裁も必要ということだろう。はっきりと公には認めてはいないが、一応憲法上、正義を守らなければならない。だから体裁上は、生活保護や、時には加害者家族にも最初の内は、暴徒やリンチから守ってやらねばならぬし、これも最初の内だけ、引っ越し費用や住居費なんかも税金から出してやらねばならなくなる」

 「法律は完璧ではない。そして憲法もね。そしていつも損するのは私たち納税者よ」

 女が言った。

 「納税者であり、尚且つ、非妖怪である真っ当な社会人である我々だ」

 私は言った。「非正規雇用という妖怪たちも、一応税金は納めているようだ」

 「下位妖怪ね」 

 ピチピチの女剣士が蔑むように言い放った。「あの妖怪たち、稼ぎも悪く、大した額の税金も納めていない癖に、言うことはいっちょ前で、腹が立つわ」

 「妖怪なんて皆そんなもんさ。君も知っているだろう?」

 私は相手を多少なだめるつもりで言った。

 「そうね」

 女は一言そう言った。そして突然私たちの足元に転がっていたジジイの切断された生首を片足で弄り出した。

 「こいつ、一体何の妖怪?」

 女は妙にギラつかせた目で私に問うた。片方のブーツの裏で地面に捏ねくり回しながら。

 「さあ、何だろうね。酔っ払いであることは間違いないな」

 私がどこか楽し気な気分になってそう言ってみると、美女の女剣士も推測した。

 「キメラ(容姿が醜い者)でもあるわよね。これ」

 私は頷いた。

 「見た目だけではわからないからなあ。前科者かも知れない」

 私も推測する。

 「ねえねえ、こいつにありったけの罰を与えましょうよ」

 私は首を傾げる。

 「こいつはね」

 女は吐き捨てるようにして言った。「酔っ払いであり、醜いキメラであり、独身であり、非正規雇用なのよ」

 私は笑った。ピチピチの女剣士は続けた。

 「そして滞納者であり、前科者のクズで、尚且つ加害者家族だったのよ」

 私も負けずと言った。

 「その上オタクで同性愛者だ!」

 女が爆笑した。私はそんなセクシー女剣士を見て有頂天になって言った。

 「そしてマザコンだ。おまけにパチンカスときてる」

 女が笑いで涙を溜めた目で私を見ながら指摘した。

 「マザコンはまだ妖怪にカテゴライズされてないわ」

 「そうだったね」

 私は言った。「でも時機にそうなるだろうね」

 「それもそうね」

 女も認めた。

 「罪状を言い渡す」

 私は裁判官になったつもりで、転げ落ちているジジイの生首に剣を突きつけて言う。

 「お前はハレンチな酔っ払いであり、醜いキメラであり、独身であり、卑しい非正規雇用者だ」

 女剣士が笑いながら聞いている。私は得意になって続ける。

 「憎むべき前科者であり、加害者家族であり、まさかの外人だったりする」

 女が笑い続ける。

 「滞納者であり、オタクであり、同性愛者だ」

 私は判決を言い渡している間は必至に込み上げてくる笑いを抑えている。傍で笑い続ける女が羨ましくさえ思う。

 「尚且つマザコンであり、パチンカスであり、中卒であり、バックラーだ」

 女は腹を抱えている。はち切れんばかりの肉体に食い込んだボディスーツが艶めかしく踊っているように見える。

 「多重債務者でありながら、自己破産者であり、人生の落伍者であり、悪臭であり、ホームレスでありながら、生活保護でもある」

 女はマントの裾で零れ落ちる涙を拭いている。

 「以上の罪状に依り、お前の生首を蹴っ飛ばす」

 私は首を蹴っ飛ばした。いい女を前に、いいところを見せたかったのである。多少の不衛生は目を瞑ろう。

 しかし幸いにも脳汁その他おぞましい液や肉片等は飛ばなかった。首だけが飛んで行った。

 首は思った以上に夜空高く飛んでいった。余りにも空高く飛んで行き、夜の黒い雲の中へ消えていった。女は感動し、私の討伐の御供をすると言った。もう夜も更けていたのだが、私は当初の目的を思い出して、ピチピチの女剣士と共に加害者家族がいるとされる〈あの家〉へと再び歩き出した。

 

 

 

 

 もう幾日も前から、婆(ばばあ)が危惧していた、妖怪が住むとされる〈あの家〉では、何人もの人間たちが、逃げることに疲れ果てた末、籠城し、ヘルメットを被り、ゲバ棒を握りしめ、来るべき敵の襲撃に覚悟を決めていた。