ボリビア盤レコードあるある~ | ふぉるくろーれ夜話/mitaquenaのブログ 

ふぉるくろーれ夜話/mitaquenaのブログ 

仕事をリタイアしてから始めたケーナの演奏をきっかけに、思い出したり思いついたりした、主にフォルクローレに関するよしなしごとを綴ります。

今日は昭和フォルクローレ老人として、軽めの(短めの、とは言ってないw)肩の凝らない昔話をさせて頂こう――。

 

音楽はネット配信やサブスクで聴くのが当たり前な、デジタルネイティブの若い衆は知らんじゃろうがナ、ワシが若かったつい40年ばかり前は、音楽は実店舗で買うモノ、じゃった~(宇野重吉風)。

あの頃ワシらは決して「CDショップ」とは言わんかった。「レコード屋」じゃ。

商業音楽CDソフトが初めて世に出たのは昭和57年のこと。当時は音の革命と言われたモンじゃ。ボリビア盤がCDに置き換わるのはもっと後のこと。平成の御世になってようやく、というところかのう……。

 

――と、エセ長老語りで続けると終わらなくなるので、文体を戻そう。

要は、昭和60年~平成に入ったあたり頃、ボリビア直輸入レコード販売店界隈で見られた「あるある」な光景の思い出話である。

 

~~ボリビア盤レコードあるある~~

 

(1)新品のはずなのに、最初からジャケットが汚れている、すすけている

輸送中のスレは当たり前、そもそも印刷が粗くて汚い。ジャケットの紙質も悪い、なんかホコリっぽい。

アルバムを指で持ち上げて選り繰っていると(ってこの動作、若い人にはイメージできるのだろうか?)、たちまち指がチリとホコリで粉っぽくなるw

街のフツーのレコード屋で、綺麗で清潔な日本盤ばかりを見て、それが当たり前だと思っていた当初は衝撃的だった。が、すぐ慣れたww

 

(2)新品のはずなのに、最初から音飛びする

これには弱らされたなあ。

けれどそもそも「音飛び」って現象、若い人に分かるんだろうか? そこからか? 

そもそもレコードというものは、盤面の溝をレコード針の先端で物理的に引っ搔き、その振動音を電気的に増幅させて、録音した音を再現するものじゃないですか。 

ところが盤面が傷ついていたり、異物が貼り付いていると、針がそこでつまづいて、「ボツッ!」って耳障りな音を立てながら、溝をスキップして音楽がワープしてしまったり、逆にいつまでも同じ場所を針が堂々巡りして、次に進まなかったりする(いわゆる「壊れた蓄音機」状態)ワケですよ。

中古レコードならありがちだけれど、ボリビア盤の恐ろしいところは、それが新品で、割と高い確率(数%くらい)でぶち当たるってこと。初期不良多すぎ。QC担当者出てこーい!

しかも音飛びを引き起こすキズは、目を皿のようにして盤面を見ても、分からないからタチが悪い。

さらに、運悪く音飛びするレコードをつかまされると、たいていは自分が好きな曲・聴きたかった曲で音飛びするんだよなー。まさに泣きっ面に蜂ってヤツだわ。

返品交換したくても、ごく小ロットしか入荷しないから、代品が無く、全く無いよりはマシだって、泣き寝入りすることが多かったなあ。

 

(3)ディスクを横から見ると、明らかにたわんでいる

これも多かった。

工場出荷時点からなのか、輸送時の問題なのか、陳列時にクセがついてしまったのか分からないが、殆どのボリビア盤は、たわんでた。

酷いヤツは、プレイヤーの回転台に乗せて真横から見ると、マウイ島のビッグウェーブか!?っちゅーくらい波打ってたw レコード針が練達のサーファーに見えたわww

それでも音が聴けるから、フシギやったねえ。

 

(4)ディスクを横から見ると、明らかに片方だけ異様に分厚くて重い

レコードって本来繊細なもので、正確に録音時の音を再現すべき物体やないですか。

せやから、キレイにこさえたパンケーキみたいに、厚さが均一にプレスされるべきやん?

せやけどボリビア盤は、ちゃうねん。片方がソノシートかい!?(ってもう「ソノシート」が分からんかなあ)っちゅーくらいペラッペラで、もう片方が二枚重なっとるんちゃうか?ちゅーくらい、分厚うなっとる個体がようけあったわー。

円の中心から穴がズレとるヤツも、ぎょうさんあったよなあ。ターンテーブルに乗せて回すと、軌道が楕円になるのww

それでも音が聴けるから、フシギやったねええ。。(二度目)

 

(5)ジャケットが外袋で保護されず、むき出しで売られてる

某音楽店や某アンデスの家ではレコード保護袋に入れて売られてたけど、某民芸品店ではレコードも民芸品扱いやったんか、ずっとジャケットむき出しで売っとったな。

ジャケットを保護する、っちゅー発想がなかったんやろな。本も最初からカバーに包まれとるのに、それにさらにブックカバーかけるのオカしいやろ!?っちゅーのと同じリクツなんかなw

せやから、某チ●●カでレコード買うてウチに連れて帰って来て、まず初めにやる儀式と言えば、秋葉原の石丸電気レコード館で別途あつらえた「レコード保護袋」を、着せてやることやったな。今日からウチの子だよーて。←キモいなw

 

(6)中身のレコード本体も、マトモな内袋なんかに入ってない

というか、レコード本体が最初から、帯電防止ポリエチレン素材の半円形でうっすい専用内袋(正式名称「丸形インナースリーブ」言うんやてー)に入ってたのって、日本盤だけやったんちゃうか?

ヨーロッパ盤も大抵は、内側(レコード本体との接触面)をコーティングした紙の内袋やったでえ。

せやけど、ボリビア盤は、酷かった。

大抵は、ちゃっちい藁半紙(「わらばんし」って、今の人知っとるんかいな?)やったで。

さすがにこれはアカンやろー。レコードの盤面てデリケートなモンやでー。こんなんやから音飛びすんねん。もっと丁重に扱わな。

藁半紙も、薄いピンクとか緑とかヘンな着色をした藁半紙。これがまた、すぐ変色してよう破けるねん。内袋の意味あらへんがな。

ほら、例えばこないな感じや↓

もっと酷いと、レコード本体がそもそも裸で入っとったわ。特にEP盤とかな。

 

(7)ジャケットが(売れ残った別のアルバムの)再利用品

これ、ホンマに、ごくたまーにあった。

ジャケットの口の裏側覗き込むと、終戦直後の教科書かー!いう感じで墨塗りされた、別のアルバムのジャケット表が再利用されとるのww

まあ、ボリビアは不安定な国内政治状況の下で、慢性的に経済不況やったからねえ。

チ●●カの当時の店員さんがそれ見つけて、ケラケラ明るく笑っとったの、なんか覚えとるわー。

 

(8)なぜか重版がかかると、付いていたはずのものが省かれる

本来売れて利益が出とってウハウハなはずやのに、なーぜか人気タイトルが再入荷すると、最初は付いてたはずの歌詞カードがシレっとのうなったり、解説リーフレットがのうなったり、見開きのジャケットがのうなったり、ジャケット裏面がカラーやったんがモノクロになったり、写真図版やクレジット情報が消えて、曲名だけの記載になったり、あの手この手で改悪してくるんや。

初回盤が、限定豪華仕様っちゅーわけでもなかったろうに。

名盤との評判が高まってから重版以降で買うてまうと、コレやられて、ホンマ悔しい思い、ようさせられたもんやでー。

 

(9)ジャケットに力入れてない。何なら写真を使いまわす

アルバムっちゅーモンは、レコード本体とジャケット(とインナー)で構成された一つの世界のはずや。せやのに、ボリビア盤は、ジャケット表見ても、どんな音なのか、何系の音楽なのか、全く見当もつかへんことが多い。

ジャケットなんて、何か写真か絵があればそれでエエんやろー、カラーで刷ってやってるんやから有難く思え、くらいなヤッツケ感半端ないアルバムが結構ある。

なんなら同じ出所の資料写真を使ってることも。

これは完全に同一の写真ちゃうけど、衣装も髪型も全く同じ。同じ時に同じモデルを撮影した別カット使うてるやろ。

レコード会社もグループも別なのに、これやと、まぎらわしゅうてかなわんわー。

 

――と、ボリビア盤レコードを巡る思い出は、語れど尽きることがあらへんなあ。

正確に言えば、ボリビア盤レコード「あるある~」やナシに「あったあった~」やね。ホンマ、昭和は遠くなりにけり、や……。

途中から、なんや、エセ関西弁語りになってもーたけど、その方がざっくばらんに語れたので、関西弁ネイティブの方、平にご容赦をm(__)m■

 

 

次回予告:ボリビア盤レコード・コレクターあるある~ww