以前、インバウンドのお客様が

死ぬほど多い居酒屋をやっていました。



そのお店は台湾や中国、東南アジアなど

めちゃくちゃ海外のお客様が多いのですが

そこでいつも議論になる事が2つありました。

 

 

①英語や中国語など海外の方に合わせた翻訳メニューを置くかどうか?

②海外のお客様で満席にするかどうか?

 

 

この2つです。

 

 

昨日の記事の続きですが、先をみず

足元だけの戦術で考えると。

 

 

翻訳メニューがあった方が

接客もスムーズだし、便利だし

オーダーに時間もかからないので回転も早く

売上は伸びます。

 

 

また海外のお客様は何ヶ月も前に旅行を決めるので

数ヶ月前から予約で満席になります。

お店にとっては素晴らしい。

 

 

でもその時も

少し先をみていました。

 

 

「これがいつまで続くのか?」です。

1年?3年??20年??

 

 

誰も分からん。

でも100%分かっている事は3つ。

 

 

一つは、周辺に住んでいるのは

間違いなく日本人であること。



そしてもう1つは

便利である事が旅行客にとって

魅力的ではないこと。



最後の1つは

インバウンドのお客様は

自社の力で動かせない変動リスクであること。

 

 

この3つだけは100%分かっていて

それは未来永劫変わらない。



なので、先をみて

のちに来るであろうリスクに備える為

 

 

インバウンドのお客様の予約は8割で

止めさせました。



残りの2割の席は空けておき

日本人の方や周辺地域の方が

入れるようにしておくように指示しました。

 

 

今の目の前の流行りに飛びつくことなく

あくまで地元のお客様を大切にすることが

先につながる。

 

 

そして、翻訳メニューは絶対置くな。と。

 

 

 

 

 

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旅行のお客様は思い出や

体験、感動を求めていると思います。

 

 

例えば、自分がアジェルバイジャンに行って

日本語ペラペラの現地の人が

写真付きの日本語のメニューを持ってきてたら

それは面白いですか?

 

 

何を言ってるか分からんし

何を書いてるか分からんし

何が出てくるか分からんけど

 

 

めちゃくちゃ繁盛してるから

なにか楽しい。

 

 

出てきたら想像と違ってたり

オレンジジュース頼んだのに

熱いコーラが出てきた。

とか。



その方が体験として面白い。

 

 

観光用のお店じゃなく

現地仕様のお店に行きたくないですか?

 

 

便利っていうのは体験ごと削ぐので

海外旅行ぐらい「体験」は残したい。

 

 

ってことで

翻訳メニューは絶対に置きませんでした。



何より、メニューも会話も

日本語一本でゴリ押し。



その方が本物の日本でしょ?

「本物感」でるし

観光は本物に行きたいでしょう。



しかも、いまや

ネットでいくらでも調べられる。



昔とは違い

海外にいながら、多くの選択肢から選べるので

「本物」を探して来るよ。



なので、ブランディングの為にも

インバウンドに一切寄せない。



そっちが寄ってこいや。

日本語調べて頑張れスタイル。

を徹底しました。



っていう話でした。

 

 

ちなみ、これは「一般的な単価の居酒屋」に限った話で

他の業態や地域、他業種、居酒屋も客単価にもよるので一概には言えません。