「私立大学の5割が定員割れしています。」
こんな内容の記事が、日経新聞に載っています。ちょっとご覧くださいませ。
少子化がずっと前から言われていて、18歳の人口がどんどん減ってきているのに、全国にある私立大学の数が一向に減らないできました。そして、今頃になって、文科省が重い腰を上げて、対策に乗り出したということです。
文科省によると、2040年までに大学入学者は2割減る見通しで、600を超す私立大は淘汰が避けられないと言われています。自主的に規模を縮小した大学への補助金増や再編支援を通じて、大学教育全体の質向上につなげる考えです。
1990年代に500校あまりだった大学は、規制緩和を受けて急増して、現在約800校に上ります。そのうち私立大学は、約620校で学生数は約210万人と7割を占めています。しかし一方で、今春の入学者が定員を下回った私立大学の割合は、53.7%と5割を超えました。
思い出してほしいのは、11年前の2012年(平成24年)11月2日に、当時の文科省大臣であった田中眞紀子さんが、大学設置・学校法人審議会が答申した3校の大学新設は認可しないとしたのです。それに怒った当時の小泉首相が田中文科省大臣を更迭して、その3校を設置認可してしまったのです。そして、田中眞紀子さんはマスコミに叩かれてしまいました。
田中眞紀子さんは、全国約800ある大学の質の低下や、定員不足を海外からの留学生でカバーするなど大学運営に問題があるとして認可しませんでした。そして、その判断は正しかったのです。当時の決断を聞いて、私はテレビの前で拍手をしたほどでした。しかしながら、政府も世の中の人々も、まったく違う意見でした。それが、残念でならなかったです。
そして、当然その3校は、いまでは定員割れをしています。ご存じですか、その3校の名前を?
「札幌保健医療大学(仮称)」→専門学校から4年制大学へ
「秋田公立美術大学(仮称)」→短大から4年制大学へ
「岡崎女子大学(仮称)」→短大から4年制大学へ
田中眞紀子さんは、海外で教育を受けた方です。そして、海外の大学教育を見て来て、日本の大学運営にものを申したことになったのです。しかしながら、規制緩和をした小泉首相が、それを阻止した形になっています。私は、いずれは定員割れする大学が出てくるだろうと思っていましたが、この令和の時代にどんどんと定員割れが出てきているのです。
そして、これもご存じでしょうか?大学運営に悩む日本の大学関係者が、お忍びで「テンプル大学ジャパン」を訪れて、大学運営について知恵を拝借していることを。いまや、テンプル大学ジャパンは、日本国内では「大学運営の勝ち組」として認められています。いったい何が違うのでしょうか?それが分からない日本の大学の運営担当者は、実際に海外で教育を受けた方がいいと思います。
これから大学受験を迎える高校生は、どの大学に行くのでしょうか?せっかく入学したのに、卒業しないうちに統合されて、まったく違う大学になってしまったということがないようにしていただきたいです。これから、そんな事態が当然のように起こってきます。
だから、受験生をお持ちのお母様は、平成時代よりももっと慎重に大学選びをしていただきたいです。
ここまでお読みいただきまして、ありがとうございます。
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