「国語力と数学力の有無で、大学進学先が違います。」
いままで指導してきた高校生の中で、3人の女子高校生に焦点を当てて、国語力と数学力がどのように大学進学先の決定に影響を与えるかをお伝えします。
ここに、Mさん、Eさん、そしてYさんがいらっしゃいます。それぞれのご家庭の経済力はほぼ同じです。しかしながら、大学進学に関しては三種三様です。ちょっとご説明します。
①Mさん
地方の公立高校で、AO入試を経て大学進学
②Eさん
東京都内の私立大学付属の小中高一貫校で内部進学しながら、指定校推薦で大学進学
③Yさん
地方の私立大学付属の中高一貫校で高校へ一般入試で入り、テンプル大学ジャパンへ進学
ここで、3人の特徴をご説明します。
MさんとEさんは、
・新聞記事にある漢字で、読めない漢字が多くある。
・数学が苦手。
Yさんは、
・新聞記事の漢字が、非常によく読める。
・高校2年生まで理系であり、数学が好きで、3年生で文系に移る。
Mさん、Eさん、Yさんは、
・英検準1級に合格している。
ここでお伝えすることは、英検準1級を合格してからの英語力の伸び方が違うということです。一番伸びたのは、Yさんです。どうしてなのか?それは、Yさんの国語力と数学力が、MさんやEさんとは違うからです。
新聞記事にある漢字が読めないということは、「新聞記事の内容が難しく感じて、内容が理解できない」ということです。それは、日本語の語彙が足りないということになります。だから、新聞記事が難しく感じて、なかなか読もうとしないことにつながっていきます。だから余計に、新聞を読まなくなるのです。
一方で、Yさんと授業をしていて、珍しいくらい漢字が読めるので驚きました。また、数学に関しては、苦手意識がないので、珍しいと感じました。英語好きな女子高校生には、数学が嫌いな子が多いのです。
そして、英検準1級から先へどのように進むかを検証して見ると、やはり「完璧なバイリンガル」になるための可能性を秘めているのが、Yさんになります。
ここで言う「完璧なバイリンガル」とは、4つのスキルすべてがバランスよく仕上がっていて、ライティングも正確に書けることを意味しています。帰国子女の中には、「話せるけれど書けない」子が多いです。
だから、だれでもバイリンガルになりたいという希望はありますが、「国語力」と「数学力」が足りないと、英検準1級の先にある「バイリンガルになれる可能性」に限界が生まれるのです。
Yさんがテンプル大学ジャパンのBridge Programに参加していますが、この1年間で本科での授業に十分ついていけるほどの英語力をつけることができます。それは、日本の大学のグローバル系の学部の学生の英語力とは、まったく違うレベルということです。
あくまでも、アメリカの大学での授業についていける英語力です。TOEFLやIELTSでの高得点者であることだけでは、英国や米国の大学で授業についていけるかは、保証がないです。そこまでの英語力をつけるためには、母語である日本語の語彙を増やして、数学の論理的な思考を身につけることが必要なのです。
つまり、「考え抜く力」と「文字で表現する力」こそが、より高度な課題を外国語でも検証して、答えを導き出すことができるのです。そのために、ずっと言い続けていることがあります。
「中学生も、高校生も、英検・数検・漢検をまんべんなく受験して、バランスの良さを身につけていただきたい。」
英検・数検・漢検は、どれも欠けてはならないのです。主要三教科と言われるほど「重要」だということです。
社会人になっても、数検を勉強すると、視野が広まってきて、人生の選択肢が増える感じがあります。それは、思考力がついてきて、幅広く物事をとらえることができるようになるのです。ITの分野でも、数学的なセンスは必要です。数学の問題を解くように、理論的に説明できることが、英語力でも求められます。
「英語のライティングは、数学的な思考力を求めている。」
だから、英検やTOEFLやIELTSでのライティングに苦手意識があるのは、漢字が読めないことと、数学的な思考が足りないことの結果です。
Mさんも、Eさんも、Yさんも、大学で英語ざんまいの大学生活を送りたいという気持ちは同じなのです。しかしながら、こうして国語力と数学力の違いにより、進学先の大学が変わってしまうことになるのです。
私の正直な意見を言わせていただくと、
「中学生の頃から、国語や数学に苦手意識を克服して、国語の漢字を読めるようにして、数学を好きになって頂きたい。」
それが、あなたの送るメッセージです。
だから、大学でGPA3.5以上を確保しようとすれば、あなたの国語力と数学力の足りないところを埋めながら、苦労することは必然です。
ここまでお読みいただきまして、ありがとうございます。
感謝