先日のミサイル発射、そして昨日の核実験、そして、報道によれば、新たに弾道ミサイル発射の兆候。改めて、北朝鮮をめぐる情勢がいよいよ緊迫しているように感じています。

 

核保有国の一歩手前である北朝鮮に対して採りうるオプションは必ずしも多くはありません。

 

日本政府のみならずアメリカ政府においても武力衝突を避けて解決する方向を最後まで探って頂きたいのは当然のことですが、そろそろ実力行使が行われる可能性を本気で視野に入れていかなければなりません。

 

平和を願わなければ絶対に平和は訪れませんが、平和を願うだけでは決して平和を守ることができない、残念ながらそれを実感する時代がやってきたように思います。

 

この安全保障上の危機が差し迫っている今、改めて当時の吉田茂首相の防衛大学校の卒業式におけるスピーチが思い出されます。以下引用します。

 

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君達は自衛隊在職中、決して国民から感謝されたり、歓迎されることなく、自衛隊を終わるかもしれない。
きっと非難とか誹謗ばかりの一生かもしれない。御苦労だと思う。
しかし、自衛隊が国民から歓迎されちやほやされる事態とは、外国から攻撃されて国家存亡の時とか、災害派遣の時とか、国民が困窮し国家が混乱に直面している時だけなのだ。
言葉を換えれば、君達が日陰者である時の方が、国民や日本は幸せなのだ。
どうか、耐えてもらいたい。
一生御苦労なことだと思うが、 国家のために忍び堪え頑張ってもらいたい。
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安全保障に国民の関心が集まる現状は本当に辛い状況ではありますが、最後まで平和への願いを捨てることなく、しかし同時に冷徹なリアリズムをもって、どのように日本の安全保障を守っていくか。かかる観点から今後の動向を注視していきたいと考えています。

 

前衆議院議員 三谷英弘