サンフランシスコ・ベイエリアの視察から戻って参りました。
非常に有意義な視察となりましたが、その様子を言える範囲で諸々お伝えして参ります。

さて、二日目も盛り沢山でした。

 ※ 視察記の一日目の様子はこちらから。
   http://ameblo.jp/mitani-h/entry-11451421815.html

【1月17日】

まず、午前中にお会いしたのは、日本経済新聞社シリコンバレー支局で勤務中の奥平和行さん。

彼は、実は中学・高校の同期なのですが、いつの間にか、シリコンバレー支局にて既に3年間滞在し、署名入りでシリコンバレー発の記事を次々に公表している非常に優れたライターになっておりました。
本当に久しぶりの再会となりました。

$三谷英弘の考え

彼からは、メディアの立場からの様々な問題提起を頂き、また日本の建て直しのための施策について議論をしていたらあっという間に2時間以上経過し、タイムアップ。

日本に対する危機意識を共有しているのを実感しましたが、突っ込んで話をしている間に次のアポイントの時間になってしまい、止む無く次の場所へ。


続いての訪問先は、自分が留学中にお世話になっていたVIZ Media。

三谷英弘の考え  三谷英弘の考え

VIZ Mediaは日本のアニメやマンガを北米を中心に販売している会社なのですが、ここでのビジネスの近況、現在抱える問題点、近時の映画事業を含め、13時から18時まで、5時間にわたって多くの話を伺うことができました。

まず、マンガについて。

アメリカでは、そもそも出版事情がとにかく芳しくありません。
元々雑誌媒体を手にする機会も余りないだけでなく、大手書籍店舗も壊滅状態。
全米第2位の本のチェーン店のボーダーズが倒産しただけでなく、全米第1位のバーンズアンドノーブルも青色吐息でサンフランシスコから撤退したことで、今サンフランシスコには大手の本屋さんがありません。
その意味で、マンガをデジタル化し、ネットでアクセスできるようにしていくのは当然の流れなのかもしれません。

他方、アニメについて。

こちらについては、24時間絶え間なく、日本のアニメを放映するため、何と自社チャンネル(Neon Alley)を立ち上げるに至りました。

この自社チャンネルは地上波やケーブルテレビではなく、プレイステーション上でのチャンネル。
アメリカでは日本以上にテレビがネットに接続されており、PSを通じて専門チャンネルを見ることも日本以上に進んでいるとのことで、非常に意欲的な取り組みといえるかと思います。

10年前くらいはCartoon Network等のメジャーなケーブルテレビで日本のアニメが放映されることも多かったのですが、番組の再編により、ここ数年は新規のアニメが放映される機会がほとんどなくなっていたとのこと。

だからこそ、なかなか地上波やケーブルテレビで放映できない名作を、現地のアニメファンに知らせ、新規のファン層を開拓していく上でも、非常に重要な戦略と言えると思います。

更には、映画事業。

既に日本の作品を原作としての映画化が進んでいるとのこと。
メディアとしての映画館の立場を利用していく上での留意点についての話を伺うことができました。

全般的に、紙媒体の危機やインターネットでの海賊版への対策を進めていく上で、新たなビジネスチャンスを模索し、次へと繋げている様子。

まさに、ピンチをチャンスに、の好例を見てきたように思います。


VIZ Mediaでのミーティングを終えた後、約30マイル南下し、カンファレンスに出席。

参加したのはこの企画。
http://geeksalon1-17-2013.eventbrite.com/

現地で活躍されている技術者や学生は、自らのネットワーキングや勉強のため、積極的にこのようなカンファレンスに参加しているとのこと。

三谷英弘の考え

様々な方とお話ししましたが、自らの仕事に対して意欲的な取り組みを行っていたのが印象的でした。

様々な方に、将来への不安はないのかを聞いたのですが、その回答の中で秀逸だったのがこの回答。

「自分の将来は自分で決めていける。今しっかりと努力をしていけば、それが将来につながっていく。
だから、自分の将来のことは考えるけれども、漠然とした不安を感じることはない。」

単なる強がりではない、心のこもった言葉でした。

その他、このカンファレンスには各種企業や省庁から来られている方も数多く、彼らがここ数年で日本に戻った際には、様々な形で再会することになるかと思うと、今から楽しみです。


衆議院議員 三谷英弘