大相撲春場所の7日目と8日目を観戦に大阪へ行ってきました。
九重部屋は関取と幕下以下とで明暗が分かれた2日間でありました。

3月は毎年忙しく、春場所だけは一度も会場まで足を運んだことがなかったのだが
千代丸の新入幕、千代稀琉の新幕下、
そして兼子改め千代青梅が丸10年を要して三段目に昇進し、四股名を得たことが
原動力となり念願の春場所生観戦が叶ったのであった。

6日目の夜に大阪入り。
7日目の午前中は九重部屋の稽古見学、午後は相撲観戦。
8日目は朝一番から相撲観戦して帰京。
こんなスケジュールの2泊3日。

ホテルは一ヶ月前に会場がある「難波」駅付近で探していたが、
どうしても禁煙の空室が見つからず。
御堂筋線で「難波」の隣の「大国町」駅近くに
オープンして間もないホテルを見つけ、そのホテルに宿泊した。
会場へは徒歩10分ほどなのでギリギリ難波圏内かな。

まずは朝稽古の様子から詳しくご報告。


御堂筋線「大国町」駅から「西田辺」駅へ移動。

駅から九重部屋の宿舎がある山阪神社へは徒歩10分ほど。
事前にGoogleストリートビューでシミュレーションしてきたものの、
地下鉄の出口を間違えてしまった為に道に迷い、
7時前には到着する予定が実際に到着したのは7時15分頃。

既に数人が稽古場の窓越しに外から稽古を見ていた。
土俵上では千代疾風、千代青梅、千代の勝が稽古中。
勝った者が土俵に残り、負けた者が土俵外で待機中の者と入れ替わる。
この行為を繰り返して何番も取り続けていた。

この3人の中で一番強かったのは千代疾風。
必然的に多くの番数を連続でこなしていた。
次いで千代の勝。
入門してまだ1年だが、序二段を1場所で通過する程の実力を持つだけあり
土俵上での動きは兄弟子達と比べても全く見劣りしていなかった。
千代青梅はやや苦戦していたが、大きく乱れた髷が懸命さを物語っていた。



千代秋豊も稽古場にはいたのだが、土俵上での稽古には加わっていなかった。
勝負審判を務めている佐ノ山親方の付け人を担当していることから
朝早く外出する必要があり、もう仕上げの段階に入っていたのかもしれない。

やがて千代青梅が何度か千代雷山(千代稀琉だったかも)にぶつかっていく稽古が始まった。
千代疾風と千代の勝は土俵外で四股、腕立て伏せ、テッポウなどを行う。
ぶつかり稽古を終えた千代青梅は、土俵外で休むことなくゆっくりと四股を踏み続ける。
そして他の力士達より先に稽古場を出て、ちゃんこの支度に取り掛かるようだった。

土俵上では千代雷山と千代嵐の三番稽古が始まった。
その時、外にいた力士達に軽く挨拶を交わしながら一人のおじいさんが近くにやって来て
「中に入らんの?おいで、こっちから入れるから。」と言って自分を含め
その場にいた何名かを稽古場の入口へ案内してくれた。



中へ入り一礼して玄関で靴を脱ぎ、灰色の絨毯が敷かれた上がり座敷を歩く。
隅に積まれた座布団を一枚取り、その上に座ると再び稽古見学に集中する。

土俵上では身長差約18cmの二人の稽古が続いていた。
関取経験者の千代嵐がやはり圧勝している様子だったが、
ガッチリ組みとめて千代雷山が勝つ場面も。
千代嵐は負けるとアチャーという表情を浮かべていた。

続いての土俵上は千代栄と千代翔馬。
場所中の稽古は調整程度と聞いたことがあったのだが、
全くそれを感じさせないほどの熱い三番稽古だった。
本場所ではそこまで感じないのだが、千代翔馬の負けん気がとにかく凄い。
千代栄もそれに触発されるように激しい突きを見せる。
見ているこちらも思わず体が動いてしまう。

この2人の稽古の時間帯だったと思うが、玄関のドアをガラッと開けて
上下灰色のスウェットを着た九重親方が入ってきた。
「あーっす!」と一斉に挨拶をする力士達。



上がり座敷に置かれたソファに腰を掛け、スポーツ新聞を読み始める親方。
ちゃんこ場から床九さんが現れ、親方にカップに注がれた飲み物を差し出す。
やがてスポーツ新聞から稽古場の力士達に親方の目が向けられる。

後半へ続く。
前編の続きであります。

新序出世披露が終わると、まもなくBSの大相撲中継が始まる午後1時。
中継は家で録画してあるので、やっと長時間でも席を外すことができる。
会場ならではのお楽しみを満喫しに行く。

そのひとつが入り待ち。
人の多さと周囲に漂う煙草の煙であまり長時間は待っていられないので、
気が向いた時にフラッと西の外通路に出て5組ぐらい見たら終えることが多い。


千代皇が場所入り。(写真は十四日目に撮影。)
入り待ちしていた少年から「千代鳳がんばれ!」と応援されていた。
思わずニヤニヤと苦笑いしながら
付け人の千代稀琉と顔を見合わせる千代皇であった。


続いては千代鳳。
ぶ厚い肉布団が体を覆う千代鳳もこの日は寒さを感じたのか
外套に袖を通しての場所入り。
近くに付け人の姿がなく、まさかひとりぼっちなのか?と思っていると…。


少し距離を置いて千代疾風の姿が。
真冬の屋外で細い体に着物一枚。寒そうな表情である。
千代鳳を見た直後だと余計にそう見える。
幕下に上がって、外套と共に暖かい場所入りができる日が来るといいね。

☆☆☆

その後は大広間のちゃんこを食べ、
正面入口でアンケートに答えた人に配布されるクリアファイルをもらい、
館内の展示企画「お相撲さん写真展」を堪能した。


館内散策中に発見したこちらのキャラクター。
初場所から国技館2階に登場した、
たい焼きなどを販売する「焼きたて屋」というお店の幟に描かれていたもの。
低い姿勢でノシノシ前進する千代鳳に雰囲気が似ている。
このお店の会計レジ横と商品受け取りカウンター横の壁には
過去に来店した関取衆のサインがたこ焼き用の箱に書かれて貼られていた。
千代大龍と千代鳳のサインも発見。

席に戻ると幕下の取組も残り数番。
この日は千代栄や千代翔馬の取組がなかったこともあり、
少しゆっくりし過ぎたかな。


こちらは19歳になったばかりの照強。
16歳頃にはもうその存在を知っていたこともあり、
もう19歳なのかという思いもあれば
小さな体ながら幕下上位まで番付を上げてきたという事実に
まだ19歳なのかという思いもある。


十両の取組に入り、二日目から連勝中の佐田の海が登場。
この日も荒鷲に上手投げで勝ち千代丸を追いかけ続ける。

佐田の海が幕下に下がっていた頃の土俵上の姿は
体がひと回り大きくなった兼子を見ている様だったなあ。
兼子が大銀杏を結ったらこのような感じなのかな…。


初日から無敗の千代丸。
胸を張り自信に満ちた姿で八番目の相撲に臨む。
この一番に勝てばストレート勝ち越しだったが、
栃飛龍に押し出しで敗れ単独トップの日々はここで一旦終了となってしまった。


千代の国と旭日松の一番。
旭日松サイドに結構目立つ塩の落とし物が。
どすこいFMでは「あの塩より後ろに下がらないように、
塩で結界を張っているんでしょう。」などと言われていた。
効き目があったのか引き落としで旭日松の勝ち。

千代皇も玉飛鳥に寄り切りで負け、九重部屋の十両勢は全敗。
ややどんより気分で中入りへ…。

☆☆☆

自分が座っていた席の前2列には
千葉県内の塾の行事で相撲観戦に来たという小学生の団体が座っていた。
どすこいFMの放送席から近く、
解説の親方とのじゃんけん企画に参加する人の行列を見ると
続々とその行列に並び出す小学生たち。
じゃんけんは佐渡ヶ嶽親方が担当しており、千葉の小学生と知ると
「おじちゃんも松戸に住んでるんだよ~。」と子供慣れした口調で話していた。

やがて先生らしき人から相撲弁当が配られると、一斉に黙々と食べ始めていた。
小学生の団体というと取組の度に力士に声援を送っているイメージがあるのだが、
この団体は随分おとなしかったな。


幕内の取組。
千代鳳が宝富士に押し出しで勝ち、6時間ぶりに九重部屋に白星が舞い込んだ。
チャムス(アウトドアブランド)からの懸賞金が懸かっていたこの取組。
懸賞取組に慣れていないせいか、懸賞金を掴んでから手刀を切る千代鳳であった。


千代大龍の取組には「紙袋のスーパーバッグ」からの懸賞金が毎回懸かっている。
佐ノ山親方の現役時代…千代大海の取組でもお馴染みの企業だったな。
そんなスーパーバッグの懸賞幕を掲げる呼出し・海人。


千代大龍は安美錦の叩き込みにバッタリと前に倒れ、懸賞金は受け取れず。
安美錦が同部屋の宝富士の分の懸賞金を取り戻すような形になった。

このあと弓取り式までどすこいFMを聴きながら観戦。
帰りの南門付近はいつも大混雑なので、相撲博物館でしばらく過ごすことに。
ふと辺りから人の気配が消えていることに気付く。
閉館時刻が迫り、館内にいるのは自分と協会職員の方のみとなっていた。
慌てて相撲博物館を後にし南門へ向かった。

だいぶ人通りが少なくなった南門には弓取り力士・聡ノ富士さんの姿が。
途中まで聡ノ富士さんの背中を遠目にしながら帰ることとなった。

☆☆☆

初場所は中日の他に十四日目と千秋楽にも国技館で観戦。
この二日間にはとても嬉しい出来事が起こった。
詳しくは九重部屋の千秋楽打上げの記事で書く予定。

2014年初場所観戦記は以上であります。
大相撲初場所を観戦してきたのでそのご報告であります。


お正月らしく華やぐお茶屋さんの入口。

とりあえず千秋楽のチケットは前売り開始日に購入していたが、
それ以外の日はいつ行こうかと悩んでいるうちに土日の分は全て完売。
そうとなると当日に早起きして自由席を手に入れるしかないのだが、
真冬に布団から抜け出すのがとても苦手でしてね…。

初日、二日目、七日目は朝の冷え込みに惨敗しテレビで観戦、
八日目にしてようやく今年の初生観戦が叶ったのであります。
ちなみに自由席の整理券は330番台。ギリギリ間に合った。


序二段の取組。
場内アナウンス「東方、浜田山。東京都杉並区出身、芝田山部屋。」
杉並区内に「浜田山」という地域があるが、そこの出身なのかな?と
全取組のインターネット中継が始まった場所から気になっていた。
閑静な住宅地(らしい)の地名がそのまま四股名に。
元気よく4連勝スタートで勝ち越し。


東方は高田川部屋の大由志、西方は友綱部屋の魁ノ若。
魁ノ若の激痩せぶりにかなり驚いてしまった。
場内アナウンスで四股名が紹介されるまで存在に気付かなかったよ。
魁皇の付け人だった頃…体重200kg前後の頃のイメージが強いものでね。
かなり小ぶりになったお尻も衝撃的だが、前から見ると更なる衝撃が。


こちらはどこか負傷してしまった様子の荒行志。
荒行志は細身ながらも時々豪快な技を繰り出すので、
インターネット中継が始まってから注目するようになった。

この日も土俵際での下手投げが見事に決まった。
ところが自分の位置に戻る途中でしゃがみ込んでしまい、
勝ち名乗りを受けることもできず車椅子で運ばれることに。

投げを打った直後に撮った写真を確認してみたところ、
相手が荒行志の右足にのしかかるように倒れ
荒行志の右足首が通常では曲げられない角度に曲がっていた。

☆☆☆


序二段の取組が進行していき、東の花道奥には兼子がスタンバイ。
右膝にサポーターを丁寧に巻く。


控えに入る兼子。
大鳴戸親方(出島)に横顔をじっくりと見つめられる。

立合い後、相手の攻めが続きなかなか廻しを取られずにいた兼子。
一時は土俵を割りそうにもなったが、うまく相手の横につき
右で廻しを取ると一気に前進し寄り切った。


三段目の取組に入り、続いては千代の勝の出番。
取組まであと二番となりテクテクと入場する。
写真右の行司は式守志豊。


控えに入る千代の勝。
またしても控えの力士の横顔が気になる様子の大鳴戸親方。

立合い後すぐに相手に左を深く差され、
右腕が効かない状態になってしまった千代の勝。
ジリジリと寄られるうちに相手が右の上手も取り、寄り倒されてしまった。


写真中央の力士は田子ノ浦部屋の坂邊。
一昨年の春巡業(靖国神社)で、元気な朝稽古を見てから注目し始めた力士。
ここ何場所かは若の里の付け人を担当しているみたいだ。

寄り倒されて負けてしまったか…と思いきや物言いがつき、
やや長めの協議の結果、坂邊の体がなくなるのと相手の足が出るのが
同時だったとのことで取り直しに。
取り直し後の一番では相手の中に潜ろうとした坂邊であったが、
押し返されてそのまま土俵の外へ。

☆☆☆

さて、中日と言えば新序出世披露。
九重部屋からも「田岡」という三重県出身の青年が初土俵を踏んだ。
この1年間に出場した県大会ですべて優勝した柔道高校王者とのこと。


写真中央の日の丸化粧廻しを締めているのが田岡。
同じく三重県出身の兄弟子・千代の国の化粧廻しで晴れ舞台。
田岡も立派な体格だけれど周囲の新弟子もいい体だなあ。

千代鳳をはじめ部屋にも何人か柔道経験者がいるが、
田岡はこれからどのような相撲を見せてくれるのだろうか。
今から来場所が楽しみだ。

後編に続く。