後編は八日目の様子を。

朝8時頃にはホテルを出て、地下鉄なんば駅5番出口の階段を降りて
すぐのところにあるロッカーに荷物を預けて会場入り。


会場の入口。
ここからお茶屋さんの並びの前を歩いていくとチケットもぎり所へ辿り着く。
力士達も同じ経路で会場の中へ。

この日、九重部屋力士で一番最初に取組があるのは田岡。
序ノ口で2番目の取組で、それに間に合うように行動していたつもりだったが
惜しくも見逃してしまった。
もう3分前に来ていれば見られただろうに。
会場入り前にマクドナルドでコーヒーを購入したのがいけなかった。
取組が終わって支度部屋に戻ろうとしているところを目撃。
まあ、勝ったようだから良かった。
初めての本場所で相撲未経験ながら勝ち越しを決めた。


序二段中位まで番付を下げ、今場所はさすがに負け越せない千代秋豊。
控えに座ると両頬の肉を同時につまんだりして緊張を和らげているようだった。
効果があったのか写真のような表情に。
もろ差しからの速攻相撲で3勝目、六番相撲で勝ち越しを決めた。


今場所ではじめてマゲを結った千代の勝。
4連勝でストレート勝ち越し、その後も勝ち続け序二段優勝を飾った。
取組前に花道奥にいるところをチラリと見に行ってみたところ、
壁に手を掛けて静かに佇んでいた。
気を集中させていたのかな。


四股名を与えられて初の本場所を迎えた千代青梅。
呼出しさんの呼びあげや場内アナウンスも新鮮に聞こえる。
行司さんの勝ち名乗りも生で聞いてみたいものだったが、
この日は黒星で相手のナマ勝ち名乗りを聞くことに…。
1勝6敗の成績だったので本人もまだ1回しか勝ち名乗りを聞いていないのか。
夏場所は再び序二段での土俵だが、5回も6回も勝ち名乗りを受けて
また三段目で相撲を取る姿をたっぷりと見せてほしいものだ。


千代青梅とほぼ入れ替わりに土俵下に来たのは千代疾風。
取組が迫りキリッとした表情を見せる。
客席から聞こえてきた「モーリー頑張れ!」という声援も励みになったのか
この日は白星で成績を2勝2敗の五分とした。
連敗スタートだったので三段目に残れる成績をあげられるか心配していたが、
結果は4勝3敗と嬉しい勝ち越し。


本場所の土俵に立つのは昨年名古屋場所以来の千代嵐。
番付を三段目下位まで下げ、付け人も任されて再出発。
序二段の千代の勝と同様に全勝し、優勝決定戦も征して三段目優勝。
この日の相撲も決定戦も力の違いを見せつけるような内容で、
これぐらい当然だと感じさせる優勝であった。
前回より早いペースで十両に復帰するかもしれないね。


続いて登場した千代雷山の左ふくらはぎにサポーターを確認。
初場所休場の原因はこれかな。
久々に千代雷山のじっくり攻めを見られて満足であった。
五番相撲で勝ち越して安心し過ぎたのか、
その後は連敗し4勝3敗と大勝ちには至らなかった。

千代翔馬は2連敗のあと2連勝で五分の星に戻していた。
ちょうど近くの席のご婦人に話しかけられて
横目で見るのみになってしまったのが心残りだ。
当然、写真も撮れず…。
このあとも連勝し続け、自己最高位の西幕下18枚目で5勝2敗の好成績。
千代栄との番付争いも大きくリードしそうだ。
先に幕下に上がった分、十両にも早く手が届くかな。


時間が前後するが千代翔馬の写真の代わりに大露羅の写真を。
負けて土俵から降りるところ。
千代翔馬は新幕下の場所で大露羅と対戦しているんだよね。
その時の映像がこちら。(YouTube)
しばらく幕下と三段目を往復していたが、現在は幕下に定着。
体もだいぶふっくらしてきた。
いま対戦したら千代翔馬が勝つかな?

幕下以下では8人取組があって7人が白星。
いい流れで十両の取組へ突入。
しかし結果は…九重部屋十両勢全敗の巻。


「石原四丁目の皆さん、大丈夫ですか?」とでも言いたそうな表情の
墨田区石原一丁目にある片男波部屋所属の玉飛鳥。

玉飛鳥が心配してくれたおかげか千代大龍が白星。


千代鳳も千代大龍に続いてくれと願うが叶わず。
先日発売された「大相撲ジャーナル」夏場所展望号によると、
七日目の関取衆全敗という結果を受けてか
翌日にあたるこの日の朝稽古では稽古場に師匠のカミナリが落ちたそうで。
そんな出来事もあったが、千秋楽には関取衆全員仲良く勝ち越し。
幕下以下も多くの力士が勝ち越しを決めて、打上げでは師匠もゴキゲンだったかな。


遠藤と大砂嵐の取組では平幕同士の対決とは思えない程の懸賞金が。
この懸賞金の厚い束を受け取ったのは遠藤だった。


八日目は帰りの新幹線の時間もあり、何番か残して会場をあとにした。
関取衆の成績は振るわなかったけれど幕下以下は良い相撲が多かったし、
場所中にも関わらず稽古もたっぷり見られて大満足の二日間であった。
遠征はそれなりの出費が必要だけれど相撲漬けになることができて良い。
仕事やら家事やら考える必要がないからね。

稽古は七日目に見に行って良かったな。
カミナリが間近で落ちていたら、もう怖くて二度と見学できなかったかも…。

大相撲春場所観戦記は以上であります。
九重部屋朝稽古見学のあとは大相撲春場所の会場へ。


会場へ向かう途中で見つけた喫茶店・飛鳥。
ここでコーヒーを飲んでひと休みする親方もいるという。
「飛鳥」の左隣の木がだんだん「玉」に見えてきてしまう…。
玉飛鳥ファンならば一度は訪れたいところだ。

会場に着いたのはお昼。
土俵では三段目の取組が進行中。
初めて訪れる会場なので、自分の席まで辿り着くのにだいぶ時間がかかってしまった。
イス席エリアの入口まで行くのに階段を延々と上っていったような印象がある。
行ったことがある人ならお分かりいただけるかと思うが、
階段の構造が分かりづらいんだよね。


七日目に一番最初に土俵へ上がった九重部屋の力士は千代稀琉。
残念ながら黒星。
新幕下のこの場所は連勝スタートだったもののその後4連敗。
今場所から締めているはずの博多帯が確認できなかったのが心残り。


続いては京都府出身で、春場所はいつも以上に燃えているであろう千代栄。
この日は白星で成績を2勝2敗の五分とした。
結局は七番相撲で負け越しが決まってしまったんだけれどね。
自己最高位で勝ち越して、最高の気分で京都巡業に臨んでもらいたかったな。

さて、十両土俵入り。


何だか千代の国の姿勢が悪く見えるのは、
土俵入りの際に上にあげた両手を下ろしながら肩をグリングリンさせていた為。
千代鳳も以前から同じ動作をしている。
奥では佐ノ山親方と海人がそれぞれ仲間達とコミュニケーション中。


時間いっぱい、お馴染みのポーズで気合注入の千代の国。
勝負審判として土俵下に控える佐ノ山親方も思わず見つめてしまうようだ。
しかし気合は結果に結びつかず、青狼に寄り切りで黒星。


ドキドキソワソワ千代皇。
序盤は好調だったものの中盤から暗転。
暗転中はやはり表情もどこか冴えない。
終盤で再び調子を取り戻し、千秋楽で何とか勝ち越し。
ファンにも心休まらない十五日間であった。
これからも覚悟しておこう。

☆☆☆

幕内土俵入り前に缶コーヒーを買いに席を立つ。
館内には自動販売機も数台あったのだが、
ほとんどが「つめた~い」だったので売店で購入。

横綱の土俵入りが終わってから戻ることにしたので館内をしばらく散策。
館内1階で大道と天津、千代の国と千代嵐が穏やかな表情で帰っていく様子を目撃した。
国技館と比べると薄暗い館内。
入り待ちや出待ちで写真を撮るのは技術を必要としそうだ。

☆☆☆


幕内の取組が進行し、
花道奥に千代大龍と付け人の千代翔馬、千代稀琉の姿が見えた。
妙義龍との日体大対決は先輩に軍配があがる。
九重勢またもや黒星。


続いて花道奥には千代丸と付け人の千代雷山、千代の勝が登場。
胸から脇にかけてたっぷりとついた肉のせいで、胸までセンター寄りに見えてしまう。
顔タオル効果が発揮できず豊響に押し出しで敗れる。


九重勢のトリを飾るのは千代鳳。
木村恵之助さんや重太郎さんも温かく見守る中での土俵上だったが
真っ赤な顔をした臥牙丸に敗れ…九重部屋関取衆全敗の巻。
こんな日に限って大相撲中継の解説は九重親方だったという…。


遠藤と琴欧洲の取組には「お風呂パラダイステルマエロマエ」から懸賞金が。
琴欧洲も出演する映画「テルマエ・ロマエII」はもうすぐ公開。

この5日後に琴欧洲は引退を表明。
序ノ口優勝した場所の七番相撲の相手が千代吹雪だったことをふと思い出した。
琴欧洲(欧州)の圧勝で、
幕下の経験もあった千代吹雪が全く相撲を取らせてもらえなかった。

千代鳳との対戦も見たかったな。
惜しくも叶わず。

八日目の観戦記は後編で。
幕下以下の稽古が終了し、土俵を掃き清めると次は関取衆の稽古。
親方の存在感や幕下以下の稽古に圧倒され気付かなかったが、
土俵周囲にはいつの間にか関取衆全員が揃っていた。

まずは千代皇が千代稀琉を相手に立合いの稽古を繰り返す。
そして軽くぶつかり稽古をすると土俵上での稽古を終えてしまった。

千代の国と千代鳳も同様の稽古内容。
千代の国は立合いの威力が特に強く、相手をした千代栄が何度も壁に激突していた。
その度に建物の骨組みが振動しているような
「ビイィィィン!」という音が稽古場全体に響き渡った。
毎回同じ場所に激突しているせいか、その部分の壁が少し凹んでいた。

千代大龍と千代丸は土俵上での稽古は行っていなかった。
千代大龍はテッポウに集中、
千代丸は四股を踏んだりして軽く体を動かす程度であった。



親方の目は土俵上の力士より
それを囲んで各々で稽古をする力士達に向けられている様子。
「ユウキ!(千代鳳)ちょっと来い。」などと
名指しで力士を近くに呼び寄せては細かくアドバイスしていた。

そして…やはり叱られた千代丸。
親方と各力士とで交わしている交換ノートをペシペシと叩きながら、
ノートに書かれていることを実行していないじゃないかと叱る親方。
千代丸が小声でボソボソと説明すると、親方の口調が更に厳しくなっていた。

親方の近くで黙々と四股を踏んでいた千代翔馬にも
そんな四股じゃ稽古にならん、ちゃんと考えて踏めと厳しく注意する。
まるで新弟子にでも教えるかのように、イチから正しい四股の踏み方を指導していた。

稽古場にはこの春場所で初土俵を踏んだ江口の姿も。
江口は立派な体格をしていたが相撲経験はなさそうに見えた。
「江口、少しずつでいいから四股を踏んでみなさい。
教えてもらったとおり、よく考えてな。」と親方から指図されていた。

☆☆☆

佐ノ山親方と千代秋豊が九重親方に挨拶をして外出。
ちゃんこ場からは醤油とニンニクが混ざったような匂いがしてきた。
上がり座敷とちゃんこ場はカーテンのみで仕切られており、
ちゃんこの支度をする音がよく聞こえてきた。
カーテンをめくり「すみませーん。」と言って千代青梅を呼び寄せ、
差し入れらしきものを渡すお客さんの姿も。
時間が経つにつれちゃんこ場を訪れるお客さんが増え、
いつしかカーテンが開いたままになり、ちゃんこ場がまる見えになっていた。



上がり座敷の壁には協会からの伝達事項が記載された紙が何枚も貼られていた。
それに混じり、力士達が日々の体重を記入する表(手書き)が載った青い紙も。
表の一番下には呼出しの海人が記入する欄も設けられていた。
何の表かは確認できなかったが、四股名が入門順に並んでいる表も貼ってあった。

やがて稽古の仕上げの柔軟運動が始まる。
号令係は千代丸だった。
稽古が終わると千代雷山と千代の勝が急いだ様子で
上がり座敷にフローリング調(だったと思う)のシートを敷き始めた。

外に出ると外壁に沿って千代の国、千代鳳、千代嵐が、
別の方角を向いた外壁に沿って千代丸、千代翔馬、千代栄が休んでいた。

千代の国ら3力士は山阪神社にお散歩に連れてこられた犬と、
犬の顔の前にタオルをちらつかせるなどして遊んでいた。
千代丸は2人の記者と思われる人達から取材を受けていた。
時折「お母さんが…お母さんが…。」という声が聞こえてきて
母親思いな一面を知ることができた。
千代栄はピリピリとテーピングを剥がし、千代翔馬は石でひとり遊び。
数分前の稽古とは正反対の穏やかな時間が流れる。



数分後…。
「さてと、お風呂に入ろうかな!」と言ってその場を離れる千代の国。
千代鳳もそれに続く。
千代栄は地面に敷き詰められている小石を裸足で踏むのに抵抗があるようで、
タオルの端を手に持ち、もう一端を足元に敷いた状態を保ちながら
器用に歩いて宿舎へ戻っていった。
千代翔馬は地面の小石に特に抵抗がなさそうに戻っていく。
千代嵐と千代丸は、犬の飼い主や記者との会話がまだまだ続きそうな状態。

山阪神社を離れ、すぐ近くの南田辺本通商店街に寄ったあと
七日目の取組がもうとっくに始まっている難波の会場へと急ぐのであった。

朝稽古の報告は以上であります。