コロナ禍の直前の2019年の2月に、私は脳梗塞右半身不随になりました。実はその2週間後には古希(70歳)の誕生日を迎えていました。『古希はめでたい!』ということで、仕事を一緒にした関係者や卒業生が、私の古希の会を企画していただいていました。しかし、脳梗塞では会の開催は無理ということで、急遽延期ということになりました。

 

 右半身不随の症状は比較的早く回復してきたので、次に秋に会を再企画していただきました。しかし、今度は10月12日の台風19号の直撃に合い、再延期ということになりました。2度あることは3度あると言われるように、2020年3月の再々会合の企画はコロナ禍の緊急事態宣言によって、中止ということになりました。これらは、ある意味で偶然の結果だと思うのですが、これほど祟られることも珍しいかなと思います。

 

 その後、古希の会のことは忘れて、生涯を通しての研究のまとめをしようと、本の執筆に集中しました。ただこの作業も容易なことではありませんでした。何しろ原稿をタイプするのに、右手の指でキーを押す時に、位置の精度が悪く、押し間違いがとても多いのです。そのリハビリをやりながらの原稿執筆なので、なかなか進みません。また、本の執筆の前段階として、新種誕生の条件に関する仕事を小さな論文にまとめようとしましたが、事実上掲載拒否を何回かくらってしまいました。

 

 しょうがないので、昔々ダーウィンが本にまとめて出版したように、本に大事な内容を全部書き込むことにしました。とはいえこれも容易なことではありませんでした。閲読段階で、本にするには短いという指摘で書き直し、同じくらいの分量の常識的な内容を加えてようやく基本的に受理をされました。それから詳細な文章的な閲読を経て出版に至ったのです。

 

 

 話を古希の会に戻すと、出版の事実を関係者に連絡したところ、古希の会の話が復活しました。最初の話から5年経っており、私は後期高齢者になっていました。当日は、最初にSpringerから出版した本の内容を20~30分間の講演(本の話)の後、質疑応答を加えて1時間ほどの講演会になりました。さらに、古希のお祝い、出版記念のお祝い、脳梗塞からの一応の回復のお祝いを兼ねて、食事会をしてお開きとなりました。3回もの中止にも関わらず集まっていただいた方々に深く感謝しています。

 

 私の感想なのですが、集まっていただいた人たちは、変わり者が多かったように思います。それが私には、とても居心地が良く、どうも私自身が思い切り変わり者らしいということを再確認しました。

 

 最後に写真は見てみると、杖なしで立ち、麻痺側の右手で結構重いマイクを持ち、普通に講演しています。もちろん歩く時にいささか違和感がありますし、かなり疲れやすいということはありますが、右半身不随であった症状からは大きく回復していると思いました。

 

 次回は、「最近のリハビリについて その111(寝起きのストレッチ①:股関節と脇腹)」です。