昨日、奥多摩湖畔にある「山のふるさと村」園内のネイチャートレイルで行われた森歩きは、とくに“五感”を意識して秋を感じながら、過ごしました。


五感(視覚、嗅覚、聴覚、触覚、味覚)は、森林セラピーを体験するうえで大事なキーワードの一つ。現代人は、何かと効率よく動くことが求められ、スピードの速い習慣が身についてしまいがちですが、森の中では、できるだけぼーっとすること(笑)がお勧めされます。


歩くスピードを落とし、ところどころで立ち止まり、渓流や沢の音、小鳥のさえずりに耳を傾けることもあります。呼吸に意識を向けて、森の匂いも感じます。


腰を下ろして目線をうーんと低くしてみれば、それまで素通りしていた身近な世界を“発見”することが多々あります。




これまで気がつかなかった身近な世界を発見したことで生じる感動や喜びなど、自分自身の感覚や感情に気づくことは、とても大切なことと思います。確実に感性を高めてくれます。自分の外側に広がる世界に対しても、自分の内側に広がる世界に対しても...




苔に触れてみると、ふかふかした触感が心地よいものです(複数意見!)。


園内には、目的や体力、所要時間に合わせた5つの散策コースがありますが、昨日歩いたのは、昔の2つの集落跡「岫沢(クキザワ)」と「日指(ヒザシ)」を結ぶ渓流沿いの小道。このコースでは、古い石碑(9月10日の記事にも書いた二十三夜塔など)や昔の人の暮らしに欠かせなかった森の恵み(木の実)も観察できます。


イシナシ」の実は、秋の味覚の一つです。




梨の仲間ではありますが、直径3~4cmほどの小さな堅い実。かじってみると、梨の味がしますが、えぐい感じがします。昔の人はこれを鍋や釜で煮てから食したそうです。


柿と豆柿の青い実は、食するにはまだ早いですね。これからじょじょに熟していきます。




豆柿(写真右)は、柿(写真左)と比べるとその小ささがよく分かります。これ以上大きくなることはなく、このサイズのまま熟すのを待ちます。猿の大好物だそうです。


五感をしっかり意識して使いながら森を散策すると、森のティータイムで味わう、ハーブティーとクッキーの香りや味も、格別のようです。みなさん心身ともにリラックスできたみたいで、その楽しそうな表情を見ていると幸せな気分になります(ティータイム風景の写真は割愛します)♪


およそ20分のティータイムを含めて、2時間15分の森歩きでした。