慢性原発閉塞隅角緑内障(まんせいげんぱつへいそくぐうかくりょくないしょう)は、隅角が徐々に閉塞していくことで眼圧がゆっくりと上昇し、視神経にダメージを与える緑内障の一種です。急性型とは異なり、症状が徐々に進行するため、早期には気づきにくいことが多いです。
特徴と症状
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ゆっくりとした進行:
- 症状が徐々に現れるため、初期段階では自覚症状がないことが多い。
- 視野欠損や視力低下が進行して初めて気づくことがあります。
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視覚的な症状:
- 視野の一部が欠ける(視野欠損)。
- 視力が徐々に低下する。
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痛みや急激な変化が少ない:
- 急性型に見られるような激しい眼痛や頭痛は一般的にはありません。
原因
慢性原発閉塞隅角緑内障は、以下のような要因で発生します:
- 解剖学的な要因: 小さい眼球や浅い前房を持つ人はリスクが高く、年齢とともにリスクが増します。
- 遺伝的要因: 家族に緑内障の患者がいる場合、リスクが高まります。
- 年齢: 高齢になるとリスクが増します。
診断
慢性原発閉塞隅角緑内障の診断には、以下の検査が含まれます:
- 眼圧測定: 眼圧を定期的に測定します。
- 隅角検査(ゴニオスコピー): 隅角の状態を確認します。
- 視神経の評価: 眼底検査を通じて視神経の状態を確認します。
- 視野検査: 視野の欠損を検出します。
治療
治療は眼圧を管理し、視神経の損傷を防ぐことを目的としています。以下の治療法が用いられます:
- 薬物療法: 眼圧を下げるための点眼薬が主に使用されます。
- レーザー治療: レーザー虹彩形成術(レーザーイリドプラスティ)により、隅角の開口部を広げることで房水の流れを改善します。
- 手術療法: 薬物療法やレーザー治療が効果を示さない場合、隅角を広げる手術が行われることがあります。
予防と管理
- 定期的な眼科検査: 早期発見と治療が視力を保護するために重要です。
- 生活習慣の管理: 目に負担をかけない生活習慣を心がけることも予防に役立ちます。
慢性原発閉塞隅角緑内障は、早期に発見し、適切な治療を受けることで視力の低下を防ぐことができます。定期的な眼科検査を受けることが非常に重要です。