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きょうのテーマは「自分の事が好きですか」2回目です。
自分の事を理解する手掛かりにサイコシンセシスと言う心理学があります。
スピリチュアル系の心理学なのですが、スピスピしていない所がいいんです。
前回のお話はコチラ
週イチ、神楽坂日記 第291回 | 思いが変わると人生楽で楽しくなる!
もちろん前回のお話を読んでない方にも分かるように書いてみますね。
この本は、
誰の中にも「色々な自分」「嫌だと思う自分」があり、そのこと自体は異常ではなく、人生には山あり谷あり、光も闇もあるものなのですが、私達は「闇があってはいけない」「望ましくない自分はいけない」と、それを否定し、変わろうと思う事で更に生きにくくなってしまいます。あるいは、闇、嫌な部分を無視して、光だけを求めようとして、結局うまく行かなくなるのではないでしょうか。
その嫌だと思った部分に、実は「自分らしさ」「自分の宝とも言うべき可能性」が秘められている・・・このことに気付き、それをうまく生かせるように解いていきたいと思います。
ということで、第2弾の始まりです。
本書は、初めに述べたように悩み、葛藤を『「色々な自分」と「本当の自分」の混同』という側面から捉えていきます。
そしてこの「色々な自分」を自分の中の小さな人格と捉えて「サブパーソナリティ」と呼びます。
一方の「本当の自分」はサブパーソナリティたちを演奏者とするオーケストラのようなもの。
これら全てで「本当の自分」
葛藤になるのはオーケストラ(本当の自分)に指揮者がいないまま演奏者たち(サブパーソナリティ)が勝手に自己主張したり、互いに競い合っているようなものであると捉えます。
そこで、指揮者に当たる部分、これを本書では「セルフ」と呼びますが、自分の中にこの指揮者的なセルフがある事に気づき、これを育てていきます。
サイコシンセシスでは自分で自分と思っているのは本当の自分のほんの一部であり、本当の自分は自分が意識していない大きな無意識を含むものである」と考えています。
この点線で囲まれた卵型の内側が、私達一人一人の意識、無意識です。意識していないものの方が大きく自分で「自分」と思っている自分はごく一部という事です。ただし点線で区切られているという事は、いつでも変わり得る、アメーバのように形が変わり、互いに浸透し合うというのなのです。
そしてその意識の中心、気付いている領域の中心にパーソナルセルフ(セルフ)⑤があると考えます。セルフは人格の統合センターです。これが現実レベルでの自分のアイデンティティ中心、本当の自分です。
このセルフを強化し、気付きを増す、すなわち無意識の領域にあるものを意識の領域に持ってくること、更に気付きを増すだけにに留まらず、気付いた要素を、セルフがある「意思」をもって自分を全体として調和するように方向付け、統合していく。その為に「意思」を重んじた所がサイコシンセシスの特長です。
中位無意識②は時系列的には最近の事で、今は無意識だけれども、すぐに
思い出す事が出来るというような無意識です。
一番下の下位無意識①は、フロイトが「精神の地下室」と読んだ部分、過去に関係する無意識です。忘れてしまっていて、ずっと深く、なかなか意識に上りません。
原始的、動物的な欲望。性格の種のようなもの。その形成に関係する出来事。劣等感、怒り、不安など否定的で抑圧された感情、神経症、心身症の元。生き方を制限する、方向づけるような信条。親から受けてきた言語的
、非言語的メッセージ。本書で扱うサブパーソナリティ等、意識していないけれど自分を振り回す、現在の自分に大きく影響を与える、自分の中での否定的な諸要素のルーツがある所。
アサジオリによれば、「普通の人は多かれ少なかれ気付きのないままに下位無意識に振り回されている」のであり、このことに、個人の悩み、葛藤
、さらに社会の問題の根があるとさえも言えます。
それに対して、自分の経験、過去とは無関係に潜在する無意識の部分を、トランスパーソナルの領域③と呼びます。パーソナルのレベル、身体的、
社会的、現実レベルでとらえる自分のレベルを超えた(=トランスという意味)領域と言う意味です。
日常的な関心や気付きの状態を超えたもの、自分の殻を超えたもの、肉体性、社会的地位等を超え為に見えない命、価値、特性などのある領域と言えます。
ただ多くの人はこの領域には気づいていない。それどころか、サブパーソナリティや、怒り、恐れ、野望、プライドなどで、トーランスパーソナルとの繋がりをブロックされたまま、日常を生きているのではないのでしょうか。
そして、上位のセルフ、ハイヤーセルフとも言われる⑥トランスパーソナルセルフがあります。これこそが、私たちの本質、本来の自分、アイディンティティの中心を表しているのです。
サイコシンセシスでは「トランスパーソナルセルフは魂でも物質でもなく
、それらの関係性である」「トランスパーソナルセルフは、宇宙の根源と形(肉体)の架け橋」などとも表現されています。
このトランスパーソナルセルフは、半分が卵形の外に出ていて、半分が中にある事に注目して下さい。
すなわち半分は他者、世界ないし宇宙に通じていて、半分がこの世界の中心だという事です。この点が重要です。
このトランスパーソナルセルフは、宇宙の真理が、私たち一人一人、この肉体を持た現実の自分に顕現しているという仮説を示している訳です。
個人が、それぞれ独自の心身、知的、霊的の全てのレベル、下位無意識からトランスパーソナル迄を内包する世界であり、唯一無二の独自な大切な存在であると同時に、他社、自然ないし宇宙と繋がっている普遍性をうちに持っているwhole(全人的、全き存在)という事です。
トランスパーソナルを通じて、私達は世界や他者、心理や知恵、エネルギー、愛と繋がり、自分で思っている以上の大きな自分の可能性に触れられる訳です。
大切なのは、現実の人格の中心である(パーソナルセルフ)が現実レベルでの自分を調和あるものに統合でき、そしてセルフがこのトランスパーソナルセルフに繋がっている。あるいは一体化していれば、私達はwholeとしての自分になっていける訳です。
お疲れさまでした。
サイコシンセシスの理論の部分なので分かりにくかったとは思います。
スピリチュアルには理論がないので分かりにくい、信頼できないという方もいま
す。
たとえばスピリチュアルの方と会話していると「○○の事、どうしてそう思う
の」と聞くと「私がそう思うから」というもの。
感覚的なものは個人差があるので仕方がないのですが、スピリチュアルは説明が
できない、又は足りないのです。
サイコシンセシスは理論がしっかりしていて「私でもとてもよく分かる」だった
のでハマったのです。
さて、いよいよ私達が困った、嫌だ、変えたいと思うサブパーソナリティの
「否定的要素を肯定的に扱っていく」過程についてのお話です。
「誰のなかにも色々なサブパーソナリティがいる。そのことが異常でもいけないことでもないのだ」という事は既にお話しましたが、アサジオリは「私達は無意識に同一化している物に振り回される。そこから脱同一化化する事で、それを方向付ける事が出来る」と言っています。
「気付くことで、そこから離れる、イコール自分でないと気付くこと」を「脱同一化」と言います。
自分の中の否定的な要素については、以下のような過程を追う事によって自分の中で調和され、押さえつけられていたエネルギーが解放され、自由に使えるようになります。
「自分の中にはたくさんサブパーソナリティがいる」
「サブパーソナリティたちはどれもイコール自分ではない。でもどれも自分の中の大切な一部」として捉えます。
セルフに気付き、セルフを強化する事は、以下の段階の前提になります。
セルフが、
1.そのサブパーソナリティの存在に気付く
2.それが存在する、自分の中にあるという事実を受容する。尊重する。
3.その存在の意味を深く理解する。
4.今までの事をねぎらい、感謝する。尊重して、共感的に暖かく受容す
る。
5.その存在を分かったうえで、今度は他のサブパーソナリティも含めた
全体のとして調和をはかり、自分の進みたい方向の中で、このサブパ
ーソナリティも生かす。全体を指揮していくのは自分であることを自
覚し、サブパーソナリティにもその事を伝える。
この過程は、指揮者であるセルフが行うものです。セフルはこの様に、しっかりと一人一人のサブパーソナリティに直面し、その存在を否定せずに尊重し、本質的な所から解決の方向を見出していくのです。
まずは、自分のサブパーソナリティを探してみましょう。
私には、『批判屋さん、皮肉屋さん、文句たれ、自惚れ屋、自己卑下野郎、
頑張り屋、凹み屋、チェック魔、いじけ虫、正義の味方、無視無視君』等々が
います。特に苦労をしている(役もたってますが)朝の通勤時にヤンキーが私
に乗り移って、前をもたもた歩いている人にぶち当たったりする訳です。その
時は「邪魔だ!」と思っても後から凹むのです。
サブパーソナリティにはあだ名をつけるといいそうです。
例えば上記の例、「やんきーちゃん」と呼んでみたりすると、
暴走通勤中にあった出来事を「あそこまですることないじゃん」と話せそうだ
し、絶対に間に合う時間に家をでているのだからそんなに暴走する必要あるの
と聞けそうですよね。
サブちゃんにはニックネームを付けると親しみがわきます。
サブちゃんにも言い分があり、きっと「私」の為にやってくれているのだから。
私の為になると思ってやっているという事が理解できると、感謝の気持ちが沸き
上がってきますよね。
そうすると、サブちゃんの為に一緒にいい方法を考えてあげる事もできます。
さて、あなたはどのさぶちゃんとお話を始めますか。
今回は理論の話が長くて退屈だったでしょう。
でも理論がしっかりしているからこそ
腑に落ちると「なるほど、そうゆうことだったのね」と分かるのです。
やってみて下さいね。
サイコシンセシスはもう少し続けますね。
今週もお読み頂きありがとうございました。