
スポーツ選手はそういうのがあるな
」「はい

しょうがないっすけど
」「三浦は辛かったんだろうな
」「でしょうね

辛かったと思いますね
」私はもぐもぐご飯を食べながら、ふたりの会話をひたすら聞いていた

男の人というのは、便利なものだ

スポーツの話題だけで、こんなに盛り上がれるのだから

当たり前だけれど、巧君とお父さんは全然違う

巧君はようやく少年から抜け出したばかりの青年だし、お父さんは51歳の立派な中年だ

それに巧君は私の彼氏だ

お父さんは、まあ、お父さんだ

つまり親だ

そんなふうに、私から見たふたりは、全く違う場所に立っている

けれど、ふたりとも、男の人という点ではぴったり重なっていた

スポーツの話ならいくらでもできるし、缶ビールをたくさん飲むし、漬物を口に
放り込むようにして食べる

家の中にふたりも男の人がいるというのは、なんだか不思議なことだった

その不思議な気配が、まだ家の中に残っていた

いつもと違う感じが、心地いいのか、心地悪いのか、よくわからなかった

あっさり受け入れてしまえば、たぶん心地いいのだろうけれど

つづく