KZ’ Deep File いつの日か伝説になる | ひとみ中毒再燃っ!!

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表紙をめくった裏側、カバーが回り込んでいる部分に、ひとつの台詞が書かれているんですが、これこそ先生が読者のオトメたちに伝えたいことなんだなと思いました。
わたしも、こういうメッセージを送る側の気持ちがわかる年齢になったんだなぁと実感しました。歳とったな。(笑)

さて、前作で明らかになった黒木君の謎。
出生の秘密だったわけですが、今回はさらに深く理由がわかって……コレって読者のオトメには難し過ぎない?と感じました。
ひとみ先生はかなりキツい内容も、グロい表現同様にキッチリ書きますからね。相当キツい黒木君の状況が、大人のわたしでも耐えられないくらいでした。ツラい!キツい!
倫理の問題ですよね。
自分が黒木君だったら死んだように生きるか死んでしまうか……。人間がこんなことやったら絶対ダメだと思う。わたしは絶対反対派です。
例えば、病気の原因遺伝子を操作することも、わたしは賛成できない。
この世に生きる者の都合の良いことだけを選び取ることで人類が幸せになるとは思えない。どちらかと言えばこの世で不幸とされることも自分の身に起こること全てを受け入れた先にしか幸せはないと思っているので。現代は人間のエゴだらけの時代ですよ!だからこういうことは不幸な人間を創り出すだけだと考えています。言葉は悪いですけど、こういう研究をしている頭のいい人たちってバカなんじゃないかとさえ思う。
話を戻して……
黒木君はとにかく誰かから無償の愛を享受してほしい。そういう人に出会ってもらいたい。
この作品の中で黒木君に少しは救いがあるような展開になっていましたが、これまでの人生があまりにも惨すぎる。むごい。
愛情豊かな肝っ玉母さんみたいな存在が近くにいたらいいのに。中学生の上杉君しか今のところ黒木君の苦しみを受け止めていないですからね。だけどその上杉君が後で絶対に言ってはいけないことを黒木君に言ってしまって……。上杉君はまだまだお子様。中学生らしいと言えばそうだけど、これ言っちゃったのにこの2人の信頼関係は大丈夫なのかとても心配です。

謎解きは少し複雑で面白かったです。
青い鳥文庫の方みたいに、KZを持ち上げるために他の学校や他の人を下げるような表現があまりないのもこっちのシリーズの良いところですね。
いろんなことが偶然過ぎな部分はあったけど、ひとみ先生が本気を出して書いている感じがしました。
ここのところあまりにもKZばかりで「歴史小説を書いてくれないかな」とか「KZじゃなくてカズマシリーズだったらうれしかったのにな」とか思っていたんですが、この様子だとしばらくはKZばかりが続きそうだなー。
ま、面白ければそれでもいいや。
青い鳥文庫の方も、あまりアーヤ中心の恋愛路線に走らずに友情や成長を描いて、読者のオトメたちに夢を与えるような展開を期待しています。