第10回浜松国際ピアノコンクール、本選2日目。
ファイナリスト残りの3人のピアノコンチェルトを、アクトシティ浜松大ホールで聴いてきました
今日の演奏順は今田篤さん、イ・ヒョク君。
そして、最後はジャン・チャクムル君。
会場で聴いた3人のピアノ協奏曲の感想を少しだけ。
今日のトップバッター、今田篤さん。
チャイコフスキーピアノ協奏曲第1番。
オーケストラの派手な冒頭からの、堂々としたピアノの和音の響き。
やっぱりYAMAHAのピアノは華やかな音がする
今田君、最初緊張してるのかなと思ったけど、途中から演奏に熱がこもってきて、オーケストラとの共演に凄く喜びを感じているのが伝わってきました。
技巧の華やかさはないけれど、チャイコフスキーの情熱的な音楽を、しっかりとした打鍵で、堅実な演奏をされてました。
第2楽章のロマン的な部分をもっと歌ってくれるといいなぁと思ったけれど、第3楽章の盛り上がりではオーケストラともよく調和し、ミスタッチも少く、最後まで勢いのある演奏でした
今田さん、体格は小柄ですがよく響く音を出します。
見た目は素朴などこにでもいそうな若者ですが、内には素晴らしい音楽性を持ってます。
チャイコフスキーのコンチェルト、素晴らしい演奏でした。
余談ですが…
2番目のイ・ヒョク君の演奏が終わったあとの休憩中にロビーに出たら…
Gパン姿の今田篤さんが
普通に観客に紛れていたらまったくその辺にいるお兄さん!(ゴメンナサイ!)
なんだか話しかけやすくて…
「素晴らしかったです!」とお伝えしました。
「緊張されましたか?」とお聞きしたら…
「いや、緊張よりも演奏する喜びの方が大きかったです」と。
やはりそうだったのね~
お話しできて嬉しかったです
2番目に登場した、イ ・ヒョク君。
まだ18歳。初々しくてかわいい
ラフマニノフピアノ協奏曲第3番。
第3番は牛田智大君が演奏した第2番よりさらに難曲。
イ・ヒョク君、緊張されてるようでもなく、オーケストラとの共演を凄く楽しんでる様子でした。
テンポもいくぶん速いのに指は危なげなく鍵盤をとらえているし、まったく乱れないどころか、さらに加速してる感じ。
オーケストラの分厚い音響にピアノの音が隠れるところもあるけれど、この曲は誰が弾いてもそうなります。
オーケストラの音が止んで、ピアノソロが始まると美しい旋律が瑞々しく歌い始め、やはり本選に残った要因はこの音楽センスというか、感性の良さなんだなと思いました。
ラフマニノフのロマン的な雄大さというよりも、若さで突き進む、活きのいい溌剌としたラフマニノフになってました。
弾き終えて観客に見せた笑顔が、ちょっとユンディの若い頃に似ていて、キュンとしちゃいました
なんだかショパンコンクールのユンディの姿と重なりました。
最後に登場された、ジャン・チャクムル君
スラ~ッと長身、巻き毛のチャクムル君
リストピアノ協奏曲第1番。
ShigeruKawaiの音色は、協奏曲でどう響くのだろうと興味がありました。
(本選の他の5人はYAMAHA)
チャクムル君の弾くピアノの響きは濁りのない、美しいクリスタルよう✨
牛田君や今田さんの音を聴いて、YAMAHAのほうがタッチの反応が早く、華やかで派手な音が出るのかなと思ったけれど、チャクムル君の音を聴いてShigeruKawaiのイメージが変わりました。
ShigeruKawaiは扱いようによって、もっとストレートで輝く音が出せるピアノなんだ
チャクムル君の音は硬いダイヤモンドを思わせる硬質な響きがする。
リストのコンチェルトは技巧的にも難しい曲だけど、叙情的な2楽章の歌は本当に美しい。
チャクムル君の歌う旋律には品があり、どこまでも滑らか。
こういうところはやはりヨーロッパの人にしか出せない雰囲気があるなぁと思ってしまった。
アジア人には出せないような、洗練された極上な響き…
技巧的にはミスタッチも結構あったけれど、それよりも洗練された音楽と美しい音が勝った感じでした。
第4楽章では、澄みきった音、華麗なテクニックで一気にクライマックスまで持っていき、フィナーレへ
あっという間の短い時間だった。
終わってしまったのが惜しいくらい。
もっともっとチャクムル君の音が聴きたかった
アンコールが聴きたかったけど、これはコンクールでした
そして先程…ファイナルの審査結果が出ました。
第1位/室内楽賞 ジャン・チャクムルさん
第2位/聴衆賞 牛田智大さん
第3位 イ・ヒョクさん
第4位 今田篤さん
第5位 務川慧悟さん
第6位 安並貴史さん
日本人作品最優秀演奏賞 梅田智也さん
奨励賞 アンドレイ・イリューシキンさん
表彰式は家でライブ配信を観ました。
務川慧悟さんの5位はちょっと予想外だったけど…
他は順当なのかな~と思います。
昨日までは牛田智大君がこのまま優勝するかな
と思ったけれど。
ジャン・チャクムル君はソロ、室内楽、協奏曲、総合的に良かったでしょうか。
やはり、すぐにでも世界に通用するグローバル的な面で1歩リードしてたかも。
チャクムル君、やはり室内楽賞を獲られましたが、室内楽をまったく自然に演奏していて、アンサンブルの楽しさ美しさを出せてたのは彼だけのような気がしました。
チャクムル君は、ピアノの音の美しさ、響きの美しさを引き出せる素晴らしい感性をお持ち。
まだこれからもっと素晴らしいピアニストになる将来性も感じました。
牛田智大くんが優勝すれば日本人初だったけれど…
充分世界にも誇れる、日本人ピアニストのレベルの高さを示してくれました
この浜松国際ピアノコンクールをステップに、もっと大きなコンクールにも挑戦して、どんどん世界に羽ばたいていってほしいです。
この16日間、出場者の皆さんの素晴らしい演奏を聴けて楽しかった
いっぱいの感動をありがとうございました
出場者の皆さん、お疲れさまでした


