「今、目の前で猫が車道へ飛び出そうとしているんですけど…
どうなるんですかね~。見てない方が良いですかね~。」
…と、いうお電話を30代前半の女性より頂きました。
同じ日に、50代前半の男性より…
「釣りをしていたら、遠くの堤防に子猫の姿が見えたので
近くに親がいるのかどうか気にしてちょいちょい見ていたら…
海の方を覗き込んで今にも海に落ちてしまいそうな感じだったので、
ビックリさせないように後ろの方からそっと近付いてタモ(網)で捕獲しようと
した瞬間に、まだ私に気が付いていなかったんですけど、
魚をとろうと思ったのか…海水を飲もうとしたのか…
ピョーンって海に飛び込んだんですよ!すぐにタモですくい上げて
近くの動物病院に連れて行きました。栄養失調でフラフラだったみたいです。
自分では飼えないので、これから里親さんを探そうと思います。無理だったら
ご協力をお願いします…。」
と、お電話いただきました。
『想像力』の有無は、
命にも大きく関わってくるのです。
最初にお電話をいただいた女性の、表現の難しい恐怖心も
理解はできます。けれども、結局は自分を守ろうとして
見なかったこと、無かったことにしてしまう未熟さを
「それで良いんだよ。そのままのあなたで良いんだよ。」
とは、慰めることはできません。
“あなたは、あなたのままで…ありのままで…”と綺麗事を言うことと、
自分を守ろうと臭いものには蓋をする未熟さは同じことだと思うからです。
このお電話をいただいた翌日には、
「今日、気になったので猫がいた側の近くのお店で店員さんに
(猫がひかれていませんでしたか?)って聞いて“しまった”んですが…
私が見た猫が昨日ではなくって、今朝ひかれてたって教えて貰いました。
聞かない方が良かったですよね~。」
と、ご連絡?ご報告?をいただきました。
ちなみに、猫が車道に飛び出しそうなときには、
間に合う間に合わないを考える前に、
車道側からビックリさせて歩道側へ逃がすとか、
人に慣れているようなら、斜め後ろから呼んだり餌などで誘き寄せたりするとか、
近くに交番があれば協力していただくとか…
車の流れが少ないような道なら、自分の安全を確保した上で
そのまま保護する……想像力をフルに活かして素早く結果も考慮した状況判断をして、
1パーセントでも成功する確率があるなら諦めないことが大切ですよね。
勿論、車を運転する側は常に「飛び出してくるかもしれない」という
気持ちで気を付けていなければなりません。
彼女にも、適切なアドバイスをさせていただいたのですが…
…猫さんのご冥福をお祈りしました。