伊那食品に学ぶ リストラなしの『年輪経営」-2
教育学者で明治大学教授斎藤孝氏は近著『人生最後に後悔しないための読書術』中公新書ラクレ 2023年12月発行-で、"偉大な経営者の「伝記」で感化されよう”と提言しています。
▼ 55ページ
たえば、経済関連の偉人の自伝や伝記もおもしろいと思います。(中略)
日本を代表する経営者として、しばしば本田と並び称される松下幸之助の著作も数多くあります。経営理念のみならず、松下の生きた高度成長時代の熱さや、松下の人間観や人生論まで知ることができるでしょう。 (以下略)
斎藤教授の伝に従えば、伊那食品創業者 塚越寛氏の自伝『年輪経営』は、感化される点が多です。
▼「年輪経営」 5ページ~6ページ
普通の庶民は、安定していることが幸せなのです。
安定して、安心して、人生を送る。ささやかでも小さいといわれても、みんな、家庭内での幸せを求めるものなのです。それの何がいけないのでしょうか?
人は幸せな人生を送るために生きているのです。会社を存続させるために生きているのではありません。目的と手段を取り違えては、大変なことになります。実際、「ブラック企業」問題に代表されるように、会社が原因で不幸になる人は増えているように見えます。「夢中で働かないといけない」「海外に打って出ないといけない」「会社で出世しないといけない」.....。人間は、もうちょっと自らの幸せを求めていいのではないでしょうか?
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▼「年輪経営」 86ページ
私が、仕入先を安易に変えないことにしたのは、老舗企業の経営に学んだことです。一〇〇年、二〇〇年と続く老舗には、それだけの多くの知恵があります。幾つもの尊敬できる老舗企業から、真の老舗となるための条件を、私なりに五つ導き出させてもらいました。以下のようなものです。
一 無理な成長はしない。
二 安いというだけで仕入先を変えない。
三 人員整理をしない。
四 新しくより良い生産方法や材料を常に取り入れていく。
五 どうしたらお客様に喜んで頂けるかという思いを常に持ち続ける。
こうして見ると、私の経営理念の根幹部分と重なっているのが分かります。いや、老舗こそ私が目指す経営だと言っても過言ではないでしょう。
伊那食品工業株式会社
⇒⇒ 伊那食品工業株式会社 https://www.kantenpp.co.jp/corpinfo/
設立 :1958年6月18日 資本金 :9,680万円 年商 :205億(2022年実績)
社員数:523名(2023年1月)
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