先日、入海時に抱卵していたランドールズピストルシュリンプことコトブキテッポウエビが気が付くとハッチアウトしていました。
消灯から75分が経過した20時頃でした。
メスエビは巣穴から3㎝あたりで卵を抱えているお腹の部分を何度も激しく動かしているところを目撃。すでにほぼ卵がない状態だったので消灯していた水槽へ懐中電灯を照らすと稚エビが大量に舞っていました。
すぐにフィルターを停止し水流を止め、目視で200匹以上が漂っていました。
小さいのでよくよく目を凝らして見ると何となくエビらしいシルエットで能動的に動きまわっていました。
レッドビーシュリンプのような大型卵で親エビと同じような姿なら簡単に物事が進むのでしょうが彼らはそれとは違い幼生。いわゆるプランクトンですね。
実際に水槽で漂う姿を見て違和感を感じました。
コレ本当にゾエア幼生!? 目玉が見えますよね!
カップ(Redseaの人工海水用)で掬い、懐中電灯で照らして見るとボディーこそスケルトンですが、かなりエビ的な形をしているように見えます。
懐中電灯の光で集まる習性は共通らしく、ある程度集まった頃合いでRedseaのカップ2つと500ccビーカー1つに確保。
翌朝、じっくり明るいところで観察して見るとスケルトンですが体長5㎜くらいありそうです。3匹が死んだ程度でほぼ生き残っています。
マクロモードで撮影してみました。なんと赤いラインみたいなものが見えます。
背骨の部分なのでしょうか。コトブキ柄のベース的なもの?
とりあえず手持ちの在庫にあるEPA/DHA配合のベトナム産ブラインシュリンプを沸かしてみました。
経験上、ワムシ(シオミズツボワムシ)じゃないとダメという気はしますがダメ元で。
ベトナム産ブラインを沸かしたてを作りたての海水で良く洗浄してから少量与えてみました。
ちなみに確保したエビの赤ちゃん総数は70匹前後と思われます。
しかし3日目の朝を迎えた時点で10匹程度しか生き残っていませんでした。
残念ながら4日目の朝までに全滅を確認。
ベトナム産ブラインは一般的なユタ産ブラインよりも小さくEPA/DHA配合されているものの、幼生たちが捕食できる感じはしませんでした。やはりワムシのようなサイズでなければダメかも。
ちなみにハッチアウトした5日後、メスエビは再び抱卵していました!
コトブキテッポウエビはレッドビー同様にメスは精子カプセルを数個体内にストックできるタイプなのかもしれません。
先住エビとのカップリングなら喜ばしいですが。
ヤシャハゼはエビのことは「知らねぇ~」といった感じで普段通りでした。
エビについてブリードの何か参考になるものが無いかググってみましたが、ランドール(コトブキテッポウエビ)のブリードや繁殖や幼生のエサについてアテになるものは皆無でした。
ボクサー/オトヒメやスカンク・ホワイトソックスなどでブリードチャレンジした人はそれなりにいるようですが、約2か月以上継続飼育できず更新が途絶えているものばかり。
しかも明確なエサについての情報があいまいで参考に値しない。
共生ハゼを含むハゼの仲間については研究者が多いジャンルですが、エビについては遥かに研究者が少ないためあまり新しいトピックが無いというのが実情と聞いたことがあります。
とりあえずワムシを調達するにしてもワムシで成功するというエビデンスは無いですし、ブリードチャレンジする計画は今のところありません。
ランドールスには正式に”コトブキテッポウエビ”と和名が付いてますので、以後当ブログでは和名での呼称に統一します。
ちなみに共生ハゼ飼育について詳しい書籍をお探しならコレです!
かのマリンアクアリスト誌 編集長である円藤さん著書でいろいろ紹介があり読み応えあります。
小型水槽で飼える種類が多いのでセカンド水槽飼育としてもオススメしたいです。
オドリハゼ・ギンガハゼを約10年継続飼育してきました。共生ハゼ飼育仲間が増えたらいいなと思ってます(笑)