KR93SP 10周年レビュー | ミスズの水槽観察日記

ミスズの水槽観察日記

42年前にグッピーからスタートしカクレクマノミブリード10000匹達成!
現在はKR93SPを使いSPSを中心にサンゴ ミドリイシ飼育をしています。
主にミドリイシブログです。
2017年ダイバーデビュー!
2022年6月からミジンベニハゼの繁殖/ブリードをして稚魚も育てています。

今となってはもう誰も使っていないのでは?と時々思うことがあるのですが遡る事、十数年前に一世風靡だったと言っても過言ではない照明器具”KR93SP”

2012年12月撮影】

香港のメーカ―であるEco-Lamps(エコランプス社)のサンゴ飼育向けLED灯具

 

前身モデルKR91・KR92、そしてKR93とSPが付かないUV素子非搭載だった普通の白青モデルを経て”太陽光” ”メタハラ代替機”というキャッチフレーズでデビューしたのがKR93SP。

 

【※当時のMax設定値は白100%青25%+ムーンOFF】

KR=”フルスペクトル”というワードの始祖でもありましたよね。

 

個人的には愛読誌であるマリンアクアリスト誌の広告で知ったのがキッカケでした。

 

10年前の2012年12月以前はメタハラを使っていて、タケダことエムズワンのMT250・ME250・スーパークールなど灯具本体の熱と安定器の熱に嫌気がさしていたのと、LED灯具でミドリイシをメインでサンゴ飼育をしているアクアリストを当該雑誌で知り興味を抱いていました。

のちに知った1.023Worldのサイトで年末セールで割引されていたのを契機にKR93SPの36インチモデルを大枚をはたいて購入。

 

それが2012年12月のことでした。

36インチモデルは横幅90cm水槽にフィットするサイズ幅でセール価格と言えど、購入価格は258000円!?と高価な買い物でした。

 

しかし当時はLEDそのものが節電&長寿命という触れこみも魅力と考えていましたし、何より当時はサンゴ用飼育の灯具としてトップモデル。

サンゴ飼育をするうえで光については過不足ない機種ならば、照明器具で悩まなくて良くなるだろうと考えました。

【※KR93SP 白ch100% 青ch50%設定で飼育】

 

【※KR93SP 白ch75% 青100%設定で飼育】

それまで既存のパッとついてパッと消える照明器具とは違い、任意で7パターンでのタイマーで調光設定が可能という斬新な機能も魅力的でした。

 

入手し、使ってみると設定値でサンゴの見え方が変わることや、のちに”色揚げ”なる手法にのめり込むキッカケになりました。

現水槽にはもうひとつKR93SPの別サイズが後方に吊るしてあります。

 

約60センチ幅である KR93SP-24インチです。

これは、かつてブルーハーバーさんが企画したKR93SPの使用レビューを投稿し、それの年間最優秀レビュー1名限り(2013年⇨2014年元旦発表)の当選品として頂いたブルーハーバーさんからのプレゼント品です。

※⇩ 証拠w ⇩

 

24インチとは約60cm幅のサイズですが、当時普通に買うとコレも高かった!(笑)だけに感激しました! 本音は”最優秀レビュー”という評価が嬉しかっただけです♪

 

それ以降からは2台を前後に並べて使うスタイルになったわけです。

 

2台使って気が付いたのは、LEDによる照射面積は狭かったことを痛感しました。むしろ1台だけでは気が付かないことだったのです。

この10年間使ってきて、最も困った点は故障の多さでした。

 

基本的にブルーハーバーさんへ修理申告をすると先に貸出しモデルを送ってくれます。

その箱に修理依頼品と入れ換えて返送するので灯具がなくなる期間がないのは助かります。

 

しかしその貸出機返却と修理品の計2台分の往復送料と修理費用は頭が痛いものでした。

特に本機内部に小型ファンが内臓されており、それを毎度修理の症状とは別に交換することになりがちです。しかもコメント欄には毎回必ず『基盤に塩分が侵食した形跡が』という、ユーザの過失を指摘とも取れる文言の記載があります。

 

当然海水を直に掛けるわけがないので、小型ファンが水槽上部への空気を取り込むので構造的な難点があると感じます。

それで後継機である現行型SP200こと”スペクトラ”にはユーザーサイドでファンが取り外しメンテナンスできるよう改良になったと推察。

 

ワタクシはその難点から水槽のガラスフタを全面覆うようにしました。すると故障しにくくなりましたので因果はあったのだと思いますし、他社LED灯具でも同様の事象はあると思います。

10年使ったことでLED素子は見た目では分からないですが、照度はかなり落ちているのではないかと思っていますが現状サンゴは飼えています。

あまり良い事は述べてきませんでしたが、じつはメリットを多く感じています。

 

一言で言えば、「ミスズ如きにサンゴ飼育10年以上の継続飼育を叶えてくれた最たる要になったものはKR93SP」だと思っています。

 

波長のことは普段考える必要性に迫られておらず、そこは重要視していないので気にしていません。サンゴがキレイに見えているか?という点について主に着目して灯具の設定値を決めているだけに過ぎないです。

経験上、オーストラリア産をはじめ赤道に近い産地のサンゴとはKR93SPの相性は抜群に良いと感じます。

 

反対にKR93SPが登場した当初はハナヤサイやトゲ・ショウガサンゴとの相性が良くないという多くのユーザーさんから意見が多くありました。

それでKR93SPの超浅場モデルという”KR93XP”という品番がのちに発売されました。

ワタクシから言わせるとスポット球との併用や、灯具であるKR93SPとサンゴの距離やレイアウトさせる場所と本機の設定値をよく吟味すれば全く問題無く、ハナヤサイなどの色もより良く引き出せます。

 

KR93SPのデビュー当初の触れ込みは、100%フルパワー設定をすると光の波長が水深3~5m設定を再現というものでした。

実際にミスズがダイバーとして自分の目でサンゴを見るようになり3~5mに居るミドリイシよりも、それより深い水深で見る事が出来るミドリイシ類はかなり多いうえに、そもそも100%設定値では上手く飼うことが難しい種類があるのと鑑賞的にサンゴの美しさが冴えないことがあることを強く感じました。

KR93SPが概ね想定する設定値による水深と、実際に海で見る水深での海中の明るさとは異なることも知りました。

なぜなら我々が住む陸上だけではなく、海にも四季があって、例えば季節毎にあらゆるプランクトンなどの影響で海水は濁るため水中の透明度など一定ではないからです。

 

しかも毎日が快晴ではありませんしね。

 

話は戻りますが、いずれ灯具を買い替える事になるわけですが設定が細かく出来るモデルかつ散光性が高く壊れにくいものが良い商品だと思います。

それならKR93SPの後継機である、SP200ことSPECTRA?じつは未だに実機をまともに見たことがありません。

関東の店舗で展示品を操作を試したことは無いし、今となってはノーブランド含め多くのメーカーから波長を意識した類似の灯具が登場し選択肢は多いでしょう。

もちろんハードの価格や壊れにくい点なども大切なファクターですしね。

 

どれをチョイスするにしてもサンゴ飼育でのトレンドでもある”UV”とか”425㎚の波長”だとか”バイオレット光”などのルーツといえば、KR93SPが登場したことで広まった事という存在意義は大きかったと思っています。

 

KR93SPを10年使ってきて減価償却済みともいえるので、次期灯具の選定も今年あたりから考えておく必要になるのかなと薄々意識していたりするこの頃です。

多くの方が旧型のKRをすでに手放しているらしいので、あえてレトロと呼ばれるようになっても使い続けるのは逆にアリかも(笑)

 

長くなりましたが、KR93SPはミスズにとってはサンゴ飼育を成功に導いてくれた最たるアイテム。

実際にKRを使い出してから10年以上も同一サンゴを飼育し続けることが出来ているという事実に満足しています。