前回の記事でご紹介した通り
ラジオに投稿したネタを晒してみようと思います。
- コーナー名の元ネタは「冒険野郎マクガイバー」。鬼塚扮する、アメリカのフェニックス財団に所属し、日常の悪と戦うニューヒーロー「アンガス・鬼ガイバー」が、財団に加わるエージェントを募集するためのミッション (お題) をリスナーに出題し、最もよい回答をした者をエージェントに選ぶ。
- ミッションのメインテーマは「日常のささいなピンチをどう乗り切るか?」である。(例えば、2021年10月16日の回は「正座をしていたら足がしびれて動けない。さぁ、どうする!?」)
この回のお題は(記憶で書いてるので細かいとこちがったらすみません)
しまった!水分量を間違えてごはんがベチャベチャだ!さぁ、どうする?
でした。以下、投稿した回答。
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「人を変えるのは難しい」
水の量を間違えてベチャベチャになった粥のような米を見て、俺は5年前に別れた元カノの言葉を思い出した。
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つまらない喧嘩が原因だった。
初めてお泊まりデートをした翌朝のことだ。
彼女は、
「せっかくだからちょっといいパン買っちゃった。朝ごはんに食べよ?」
と袋を見せてくれた。
「お、サンキュ。まぁ俺、ほんとは朝は米派なんだけどね」
「何それ。今言わなくても良くない?」
「別に言ってもいいだろ。ちゃんと食べるし」
「そんな気持ちで食べてほしくない!」
「仕方ないだろ米派な事実は変えられないんだから。めんどくせーな」
そう言い捨てて彼女の家を後にし、おにぎりを買いながら家に帰った。
暫くして彼女から、
「人を変えるのは難しい。先に自分が変わらないといけないんだと気付きました。あなたと付き合うには私はまだ未熟なんだと思う。さようなら」
というメッセージが来ていた。
***
ベチャベチャの米を見た俺は、「どうしたら普通のごはんに変えられるだろう?」と考えた。
しかし、5年前のこのやりとりを思い出した俺は思い直した。変わるべきは米ではない。俺の方なんだ。
この粥のような米に見合った人間になるにはどうすればいいだろうか。
粥に見合うのは…そう、病人だ。
素早く病人になる手段について考えを巡らせる。
何を隠そう俺は、ある特殊能力を持っている。
米の持つエネルギーを体内で時間操作エネルギーに変換。ほんの少し自分の身体を未来に進めることが出来るのだ。
(使い過ぎると老化が進むので、滅多に発動させないのだが)
俺は、上半身裸になってベチャベチャの米を一握り携え、ベランダに出た。
そっとその米を口に含み、念じる。
5年前の元カノとの喧嘩を噛みしめながら。
ビュオーン!
体内に1日分の風が通り抜け、冷たくなった俺は、目を開けるとブルブル震えていた。成功だ。
一瞬で風邪をひき病人となった俺は、ヨロヨロと布団を敷きに部屋に戻った。
身体の重さとは裏腹に、俺は自分を変えることが出来た喜びに心が軽やかに感じられていた。
…しかし。その喜びも束の間、急激な腹痛に襲われ俺はトイレに駆け込んだ。
結局、粥すら食べられない状態になった俺は、ベチャベチャの米をラップに包んで冷凍庫にしまい込んだのダ。
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↑回答ここまで。
ちなみに、回答の最後は「〜だ!」で終わり強調される決まり?なんですが、これって元ネタの何かが影響してるのかしら?