さて、根津美術館 燕子花図屏風

観に行く前に

こちらに寄りました。

 

 

増上寺 宝物展示室で開催されている

「香道の世界」展

 

 

香道は室町中期に創生されたそうで

江戸時代に成熟期を迎えました。

 

志野流の開祖、志野宗信から

当代の二十代まで受け継がれた

香道のお道具類や書画

香木そのものが展示されています。

 

特に印象的だったのは

東大寺正倉院に伝わる

天下の名香「蘭奢待」(らんじゃたい)

 

 

幾重もの紙に包まれ

ちっちゃなちっちゃな

木の破片のような…(笑)

 

これがかの名香「蘭奢待」!

 

 

こちらに詳しく写真が載っていますので

ご参考までに

 

 

 

 

東大寺正倉院には

蘭奢待の香木が保管されており

足利義政、織田信長、明治天皇が

切り取ったあとが付箋で

示されています。

画像はこちらからお借りしました。

 

蘭奢待に限らず

香道に使われる香木は

日本にはなく

東南アジアの深い森の中で

朽ちた木の樹液や微生物など

いくつもの偶然で

香るようになるそうですが

 

その香りを一つの文化

として昇華させ

 

それを500年もの間

守り続けているという事実。

 

500年の間には

戦国時代や明治維新

第2次世界大戦という

激動の時代があり、

それらをくぐりぬけ

大切に保管され

文化として

ちゃんと生きて

継承されている

ということに

感動を覚えました。

 

そして

名香と呼ばれる蘭奢待をはじめとする

香木が東南アジアから

どのような経緯で日本に来たのか

 

とか

 

名香に魅せられた権力者たちの

思いや野心、

 

(香りを聞くことは叶わなくても)

私たちは実物を

目にすることができる…

 

 

日本という国に生まれて

少なくとも平和を享受している

この恵まれた環境に

心から感謝せずにはいられません。

 

 

5月28日にはこの蘭奢待を聞く

献香式が執り行われるそうです。

 

この展示会は

大本山増上寺 宝物展示室にて

入場料700円

6月26日まで。