みなさんこんにちは。

アトリエミストラルの櫻井です。

 

さて、8月26日(日)は

尺八のソロコンサートです。

 

牧原笳童さんの演奏で

虚無僧の曲を特集します。

 

 

コンサートに先立ちまして

牧原さんにインタビューしました。

 

牧原さん

 

アトリエミストラル通信No.17に

掲載済のものですが、

ブログでもシェアしたいと思います。

 

ここから↓

 

尺八との出会い、尺八を始めるきっかけなどを教えてください

 

祖父が戦前に高校の教員を辞めて尺八の専業家として活動していたため、私は、幼少の頃から身の回りに尺八の音色がありました。私が赤ん坊の頃ですと、数十名の門人がいたそうです。子供のころからよい音だなとは思っていたのですが、難しい楽器であるとか、最初は鳴らない等と周囲から言われていたので、吹いてみようとは思いませんでした。

小学校高学年くらいの頃、たまたま祖父の尺八を手に持って吹いてみたところすっと音が出たので、人が言うほど難しい楽器ではないのではないかと思い、祖父に手ほどきを受けることとなりました。最初は短い尺八を使って練習していました。

 

 

尺八の魅力とは?

 

実際に曲を吹いてみると、とてつもなく難しい楽器であるということがわかりました。シンプルであるがゆえに、顎に当てる尺八の角度や指孔を押さえる指の開け具合で音の高さが1/4音くらいはすぐに変わってしまいますし、緊張した時などの息の乱れもそのまま音に反映されてしまいます。

しかし、それは逆に長所でもあり、同じ尺八を吹いても人によって全く音の響きが違ったり、音のメリハリをつけやすかったり(メリハリは、尺八のメリカリ;メリ音-絞った低い音-、カリ音-強く張った高い音-、が語源です)、音と音を繋ぐ部分を連続的に変化させ自由に装飾できたりということにもつながります。また、同じ音程の音でも、指使い等を変えて、全く異なる響きの音として吹き分けることも可能です。

自分の求める音色を作り、フレーズを作り、その音の微細なつなぎ方にまで演奏者の意図を反映できるという点が、最大の魅力かと思います。

 

 

好きな演奏家、楽曲、作曲家は?

 

尺八の演奏家には数多くの名手がいらっしゃいますので、なかなか好きな演奏家を挙げるのは難しい作業です。

生で聴いた演奏で今でも耳に残っているのは、二代目の人間国宝である山口五郎さんです。流麗な本当に流れるような演奏はおそらく現代の尺八を演奏するほぼすべての人間にとっての目標の一つだと思います。

音源でしか聴いたことがない演奏家も含めると、三世荒木古童とそのご子息の梅旭のお二人には強く惹かれます。いずれも音色が素晴らしいと感じています。

 

好きな曲は琴古流本曲で、中でも「夕暮の曲」は最も好きな曲の一つです。

最初に吹いた時から、空が赤く染まりかけた夏の終わりの雑木林でヒグラシが鳴いている情景が頭に浮かびました。曲が表す本来の情景とは全く異なるものなのかもしれませんが、是非聴いていただきたい曲です。

なお、琴古流本曲は虚無僧が吹いていた曲を集大成して整理したものですので、作曲者は不明です。

 

 

尊敬する演奏家(音楽家)は?

 

尺八以外になりますが、指揮者のジョージ・セル、ピアニストのベネレッティ・ミケランジェリは尊敬しています。共通すると感じる部分は、即興性を極限まで排除して、あるべき演奏の姿に近づけることが最良の演奏であると考えているのではないか、と思えるところです。冷静過ぎるとか計算しすぎているという批判もあると思うのですが、細部にまで細心の注意を払った演奏を行おうとする姿勢には強く惹かれます。

 

 

邦楽以外で普段よく聞く音楽は?

 

一番聴きたいのはオペラですが、長いので集中して聴く時間を取れないのが難点です。車の中などでは邦楽以外では器楽曲(ピアノ、バイオリン等)を聴くことが多いです。

 

 

アトリエミストラルの印象は?(響き、雰囲気など)

 

以前、ギター、筝との演奏会で使わせていただいたことがありますが、残響時間が長く小さく絞った音まできちんと客席に伝えてくれる会場だという印象を持ちました。聴衆との距離感も短く、尺八のように、アコースティックな、大音量で演奏するという訳ではない楽器にとっては、理想的な会場だと思います。

今回の企画も、この会場の響きが背中を押してくれました。

 

 

コンサートの見どころ、聴きどころは?

 

琴古流本曲は、虚無僧が吹いていた曲を、黒沢琴古という方が集め、楽曲として整理したものです。現在までそのままの形で残っている虚無僧の曲とは少し異なる点もありますが、その姿は十分に伝えられると考えています。

また、尺八の魅力の一つはその音色、響きにあると思います。

それらを楽しんでいただければ嬉しく思います。

 

 

これからやりたいこと、抱負などがありましたらお聞かせください。

 

今回の企画がうまく行った場合、年に1回、または2年に1回でもよいので、定期的に琴古流本曲の会を開いていければと考えています。

 

ここまで-----------

 

オペラがお好きとは驚きました(笑)

 

さて、このコンサートでは虚無僧が

吹いていた曲をまとめた「本曲」

と言われる36曲の中から

夏の終わりにふさわしい曲を

取り上げます。

 

尺八という楽器のこと

虚無僧のこと

虚無僧の尺八のこと

などなど、興味深い

お話も聞けるかと思います。

 

なお、終演後にはパーティを

開催しますので、お気軽に

ご参加ください。

 

8月26日(日) 14時開演

場所:アトリエミストラル

チケット:一般2,000、高校生以下1,000

(演奏時間は1時間です)

演奏:牧原笳童

 

チケットのお申し込みはこちら

(クレジット決済が可能となりました)

 

またこちらからもチケットをご購入できます。

https://komusou0826.peatix.com/

 

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