ブログネタ:実際カレーは何日目がおいしい?
参加中Side:A
カレーを温めた。鍋のカレーの具は、すでに原形をとどめては居ない。ドロドロに解けたのはジャガイモだけではなく、玉葱も、にんじんすらもすでに融けていた。
何日前に作ったかは覚えては居ない。自分自身に意識があるかも、識別できない。時計の針が19時を指し示す15分前から、いつもの習慣で晩御飯の用意をする。
数日前から、カレが連絡も無いまま帰ってこなかった。今までそんなことは無かった。いつも電波時計と同じくらい正確に19時の時報のように帰宅してきた。第一声はいつも・・・
「腹へったぁ、ゴハンまだ?」
だから私は、常に19時に晩御飯を出せるように準備している。遅れる事はしない。帰ってきたカレにできたての美味しいものを出したい。それが私の喜びであり、幸せ・・・・変わらないはずだったのに。
でも、数日前から、カレは帰ってこない。二人の生活の場所であるこの部屋に。なぜ帰ってこないのか?携帯にCallしてみたけど、電波の届かない場所に居るみたいで、一向に連絡が取れない。
ドロドロになったカレー、作り直す気力は無い。帰ってこないカレを待ち、時間通りに夕食を出せるように暖め直す以外に今は・・・・・。
Side:B
いつも通りに帰宅したが、部屋に鍵がかかって、カノジョは部屋に居なかった。こんな事は初めてだ。毎日、ボクは19時きっかりに帰宅する。
そうすると、出来立ての夕食で、明るい笑顔で、カノジョはボクを迎えてくれる。毎日の、さりげない、でも大切な儀式だった。
いつまでも、毎日は変わらなく続いていくと思っていた。歳を重ね、結婚して・・・外見は変わり、やがて死が二人を分かつまで毎日が続いていくと信じていた。
突然の事故が二人の人生を変化させた。乱暴な性格のドライバーの、乱暴な運転によって、カノジョは事故に巻き込まれた。
運がよかったのか、悪かったのか・・・・カノジョは一命をとりとめた。が、意識は戻らなかった。医師の話では、ひょっとしたらこのまま意識が二度と戻らないかもしれない。
でも、ボクは彼女の意識が戻る事を信じて待っている。だって・・・・
「また、微笑みながら、手を少し動かしてますね・・・」
看護師さんの一言で、その仕種に気がついた。19時まであと15分ぐらいになると、彼女は微笑みながら手を動かす仕種を始める。
まるで、ボクの帰宅を待ちながら、夕食の準備を始めるかのように・・・・
事故にあった日は・・・・カレーにするといってたっけ。
あれから4ヶ月、まだ彼女の意識は戻らない。



