その頃の香港は、まだ返還されておらず
イギリスの統治でした。イギリスの総督という人が
国を担っていました。
空港は、今とは違い街の中のビルに突っ込むように
着陸する、パイロット泣かせの空港でした。
香港に降り立つと、独特な匂いが立ち込め
ムワッとした、湿った空気に何となく不快感を覚えました。
しかし、それも何度か行っていると、空港に降り立つのも
あ~そろそろあそこのテニスコートが見えてきたから
到着だな~と懐かしく感じたり、
不快と感じた空気も、さ~っ仕事っと気合が入ったり
人間、いろいろな事や物に順応していくのですね。
最初のジュエリーの取引先は、香港でも中堅のメーカーだったようで
ちょっと、暗いビルの中にその会社はありました。
私の緊張はピークに達してましたが、もうここまで来たら
後には引けない、自分を追い込むのと、
プレッシャーを跳ね除けようと、きっとすごい形相でその会社に
入って行ったのだと思います。