ケリー・フォン・エリック、NWA世界王者に。(1984年5月6日) | ミスター・プロレス・アワー

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ケリー・フォン・エリックがリック・フレアーを破ってNWA世界ヘビー級王者になったのが1984年5月6日。
忘れられない試合です。
 
ケリー・フォン・エリック、父親が「鉄の爪」フリッツ・フォン・エリック、兄のケビン、デビッド、弟のマイク、クリスもレスラーの超名門一家の一員。

左から、デビッド、ケビン、ケリー。

 

1980年代前半テリー・ファンクが引退表明(結局復帰しますが)したとき、エリック兄弟に「第二のファンクス」になってほしいと個人的に思いました。ファンクスみたいなヒーロー的な兄弟になれるのはエリック兄弟だと。

 

兄弟は地元テキサス・ダラス地区を中心に大活躍。

ケリーは「NWA世界王座の登竜門」と言われたミズーリ州ヘビー級王座を獲得。王者として来日し天龍、石川相手に防衛戦を行ったりしました。

 

フリッツは「自分の息子を全員世界王者にする」と豪語してました。

 

特にデビッドへの期待は高く。

少し線は細いですが身長が高く面構えが親父さんにそっくり。

年を重ねたら親父さんみたいな迫力満点のレスラーになるだろうと思いました。

兄弟の中で一番NWA世界ヘビー級王者に近いとも言われてましたね。

 

そのデビッドが1984年2月全日本プロレスに来日した際、宿泊先で急死…。

ショックでした…。

まだ25歳です…。

その後のプロレス界をけん引することが確実視されていたデビッド。

あまりにも早すぎました

 

フリッツの弟子でエリック兄弟の兄貴分的存在だったブロディもそのとき来日中で、デビッドの葬儀に参列。涙を流すブロディの姿が忘れられません…。

 

 

1984年5月6日、デビッドの追悼興行がテキサス・スタジアムで開催されました。

5万人の大観衆を動員。

 

メインでケリーがリック・フレアーを破りNWA世界ヘビー級王者に!

 

亡き兄デビッドが成し遂げられなかった偉業を弟ケリーが成し遂げたわけです。

 

「デビッドを失ったエリック一家への贐。出来すぎ」とドライに捉える声も当然ありましたが、私は感動しましたよ。

大観衆がみんなケリーを応援してるじゃないですか。この雰囲気の中で世界王者になるのはやっぱり感動します。

試合後、父フリッツ、ケビン、マイク、クリス(まだ子ども)、クリス・アダムスといった兄弟たち、キング・パーソンズ、チック・ドノヴァンなどのレスラーたちにもみくちゃにされて祝福されるシーン、グッときました。

こんな感動できる王座交代劇はなかなか見られません。

 

ケリーも鬼籍の人。

エリック一家にはいくつもの悲劇がありましたが、彼らが残した栄光は永遠です。

大観衆の前で期待に応えNWA世界ヘビー級王者になってみせたケリー、今思い出しても胸熱くなります。