プレサージュリフトで良くないか

 

2023年勝ち馬 アヴェラーレ

 

<登録19頭:フルゲート18頭>

 同一馬主のアスクコンナモンダとグランスラムアスクの抽選の予定もグランスラムアスクが小倉記念に回って決着。得意の左回りより軽ハンデを選んだ形。

 

パート2は米子ステークス、エプソムカップ以外をステップにしている馬を見て行きたい。

 

パラレルヴィジョン

<前走>安田記念13着

やや時計はかかるがほぼフラットな馬場で、平均からややスローな流れを中団で内にガイアフォースをおいて追走する展開だったが、内のガイアフォースがしぶとく伸びて勝ち馬から0.3秒差4着を確保するなかで、大きく離されてしまって強いメンバーに完全に力負けであった。2走前のダービー卿CTでは雨上がりで内側から先に乾いた馬場でエエヤンの大逃げを離れた2番手追走からきっちり捕まえ切ったともいえるが内側が有利な馬場と前残りの展開に恵まれてのものであることも否めない。

したがって、勝ちきれない馬から一皮むけたことは確かで相応の評価を与えるべきだが、安田記念前の2連勝での重賞制覇だけで過大評価は禁物と認識すべきである。

 

コレペティトール

<前走>安田記念12着

やや時計はかかるがほぼフラットな馬場で、平均からややスローな流れを後方2番手で追走する展開が向かなかったのは確かだが、伸びきれず強いメンバーに完全に力負けであった。3走前には京都金杯を制しているが、京都開幕週の内側有利な馬場で、2番枠から終始内側を通る展開に恵まれたものであり、レース内容的には価値は低い

したがって、重賞勝ち馬というほどの高い評価は不要であり、好走には馬場や展開のかなりの助けが必要と認識すべきである。

 

 

サクラトゥジュール

<前走>東京新聞杯1着

軽めで極端に内側が有利な馬場で、1番枠からインの6番手で脚を溜めて直線も最内から差を詰めて、逃げたウインカーネリアンをきっちり捕えた。得意の東京コースでR.キングのロスのない好騎乗ではあったが、極端に内側有利のトラックバイアスが働く馬場を好位で追走する展開に恵まれたもので、レース内容的にはそれほど価値は高くない。2走前の中山金杯は右回りで内側が有利な馬場で終始外を回らされてのもので度外視可能。3走前は昨年の関屋記念でほぼフラットな馬場で後方2番手から馬群を捌いて追い上げるも6着どまりで脚を余した形だった。4走前のメイSの勝利は2番枠からインの4・5番手を確保してきっちり差し切ったものである。

したがって、左回り得意な重賞ウイナーにそれなりの評価を与えるべきだが、好走には内枠を引いてスタートを決めて好位からレースをするなど展開の助けが必要と認識すべきである。

 

 

オニャンコポン

<前走>函館記念13着

洋芝としては比較的軽めの馬場で内側有利な馬場で、ハナを切ったアウスヴァールだけが平均ペースで、、2番手以降はややスローな流れをインの3番手追走という最高の状況で直線は失速しており、完全な力負けとしか言いようがない。2走前のメイSではやや内側が有利な馬場で好スタートから先行策でスローで逃げるシルトホルンの2番手を追走する展開に恵まれたものでレース内容としての価値はあまり高くない

したがって、少し時計のかかる馬場で楽に先行できる展開の時にだけ押さえ程度の評価を与えれば充分である。

 

 

プレサージュリフト

<前走>メイステークス1着

やや内側が有利な馬場でスローで逃げるシルトホルンと2番手のオニャンコポン見ながら大外枠から外めの3・4番手を追走する展開に恵まれたものの牡馬2騎とは斤量▲1.5kg差できっちり差し切ったことには価値がある。また、昨年の東京新聞杯では内側が有利な馬場でマイペースで逃げるウインカーネリアンに大外枠から外々を回って僅差の3着まで迫ってジャスティンカフェには先着しているように左回りの直線の長いコースは得意である。

したがって、クイーンC勝利、オークス5着を含めて左回りコースでは掲示板を外しておらず、G3以下では馬券対象圏内を外していないことを考慮すれば、相応の高い評価を与えるべきである。

 

 

ディスペランツァ

<前走>NHKマイルカップ7着

時計の出やすい比較的速い内外ほぼフラットな馬場で中団で脚を溜めて直線は外めから差したが伸びきれなかった。確かに残り200mあたりでゴンバデカーブースに前をカットされたのは痛かったが、それがなければゴンバデカーブースをかわせていたかは疑問が残る。また、内側がゴチャついて不利を受けた馬が数頭いたことや混乱を避けるためにコースロスをした馬、さらにはジャンタルマンタルが前を掃除してくれたことを考え併せると恵まれた部分の方が多いと見える。2走前のアーリントンCでは内側が有利な馬場で内を回った馬が上位を独占した中で、終始最内を回って直線だけ外めに出して差し切っており、重賞勝ちというほどレース内容としては価値は高くない

したがって、初の古馬との対戦ではあるが一線級が揃っているわけではなく、斤量面の恩恵があるのは確かでそれなりの評価は必要だが未知数な部分も多く、好走には枠順・馬場・展開でかなりの助けが必要と認識すべきである。

 


ロジリオン

<前走>パラダイスステークス4着

曇りの稍重馬場で内側が有利な状態ながら、各馬・各騎手が悪いと思って内側を避けて外に持ち出したことで差し追い込み勢が外に振られてまったく伸びなかった。上位入線の2頭が内めを回っていることを考えると、外めを通っている当馬は負けて強しの内容だった。2走前のNHKマイルCでは中団の前め追走から内側の混乱を避けてジャンタルマンタルのトレースラインに乗ってスムーズな競馬をした戸崎の好判断による部分が大きく、ラストで脚があがっているように着順ほどレース内容としての価値は高くない

したがって、変わらずに距離に対する不安はあるが、斤量面での恩恵があることを考え併せると、相応の評価は与えるべきだが過信は禁物である。

 

 

グランデマーレ

<前走>パラダイスステークス12着

曇りの稍重馬場で内側がやや有利な状態ながら、各馬・各騎手が悪いと思って内側を避けて外に持ち出したことで差し追い込み勢が外に振られてまったく伸びなかった。外枠から外に振られたことで競馬にならなかったことは同情に値するし、度外視可能ではある。とはいえ、近年はマイル戦でも距離が長く、マイル戦で馬券対象になったのは22年1月のニューイヤーSまで遡らねばならない。

したがって、距離延長とさらなるメンバー強化を考慮すれば、当馬に高い評価は不要である。

 

 

ジュンブロッサム

<前走>水無月ステークス1着

内外ほぼフラットな時計の出やすい軽い馬場で比較的速い流れを先行勢から離れた5番手をポツンと追走する展開に恵まれた部分はあるが、あがりの2Fが11.6-10.9を差し切って3馬身の差をつけており、弱いメンバーの準オープンとはいえ力の違いを見せつけた。3走前の2勝クラスのロードカナロアCではスローペースを楽に先行して抜け出したトゥードジボンを差し切って1馬身以上の差をつけており、2勝クラスで7戦連続の惜敗続きから川田が騎乗してからは良馬場では連勝してオープン入りを果たしている。3歳時には共同通信杯でダノンベルーガの4着、神戸新聞杯ではジャスティンパレスの4着と世代のトップクラスとあまり差のないレースをしていた。

したがって、レベルの高い5歳世代で本格化したとなれば昇級戦といえども高い評価を与えて当然であり、時計の出るパンパンの良馬場であればさらに評価を上げるべきである。但し、気難しい面があり川田ではないことの影響がどれほどか微妙である。

 

 

ダディーズビビッド

<前走>京王杯スプリングカップ10着

Bコース替わりも内外ほぼフラットな馬場でスローペースの中団の外め追走では展開が向かなかったのは確かだが、すぐ前にいたスズハロームが3着、内にいたダノンスコーピオンが4着する中で見るべきものもなかった。2走前のダービー卿CTでは5着しているが、雨上がりで内側から先に乾いた馬場で最内枠から内側をロスなく回ってのもので、さらに後ろにいたアスコンナモンダに先着を許していることからも着順ほどの価値はない

したがって、当馬に高い評価は不要である。

 

 

グランスラムアスク (抽選対象)

<前走>関越ステークス5着

新潟開幕週の内側有利で前が止まらない高速馬場であったとはいえ、最初の1F以外はすべて11秒台中盤までの淀みないレースを2番手追走から直線で一旦は先頭に立つも差されてしまった。ただ、イン有利な軽い馬場とはいえレコード決着の厳しい流れを勝ちに行ってのもので着順ほど悲観する内容ではない。2走前のエプソムCでは出脚がつかず後方3番手追走となってしまったが勝ったレーベンスティールと同タイムのNo.1のあがりで3着とは0.1秒差まで追い上げていて、このレースでも着順ほど悪い内容ではない

したがって、4勝すべてが左回りで、内3勝を新潟コースで挙げていることを考えれば、相手強化といえども押さえ程度の評価は与えるべきである。

 

 

2回に亘って関屋記念の登録全馬の前走を中心に事前検討してみた。

今週のポイントは以下のとおり

①Aコース3週目の野芝

 開幕2日前の大雨にもかかわらず良馬場で迎えた開幕週はレコード連発の速い馬場で、2週目はさすがにレコードはなしで行ったもん勝ちが解消しつつある。3週目は好天と散水で芝の状態はキープされそうだが、内側有利一辺倒ではないまでも内側有利が残るか、内外フラットになるかどうか。

 

②逃げ・先行馬が少ない

 先行馬が少なく、どうしてもハナを切りたい馬はいない。となれば、トゥードジボンのマイペースの単騎逃げでスローペースも。

 

③梅雨明けと気温上昇

 北陸・東北の梅雨明けで新潟地方も高温が続く。美浦でも栗東でも新潟でも気温が高い状態なので夏に弱い馬には注意したい。

 

さて、2週間ぶりの競馬を楽しみましょうか。