ブローザホーン、おめでとう!

 

ブローザホーン、騎手・調教師とも初G1制覇!

京都競馬場 芝2200m 重馬場

結果

1着:⑫ブローザホーン 菅原明良 2:12.0

2着:⑨ソールオリエンス

3着:③ベラジオオペラ

4着:⑦プラダリア

5着:⑩ローシャムパーク

 

馬場 Dコース:雨で内側が伸びない外側有利な馬場 クッション値8.9

土曜日の午後からの雨で馬場は朝から重馬場発表。その後も雨は降り続いて重馬場のままではあっても力の要る馬場にはなっていた。特に内側が荒れて力の要る状態で、直線も内側が伸びなかった。完全に外側が有利な馬場になった。だが、比較的時計は出ていて重馬場とは思えない時計の出方。良馬場だったら2分10秒台前半か切るような速い馬場だったと思う。

 

展開:Sペース

好スタートの⑧カラテを抑えて外からハナに立ったのは⑬ルージュエヴァイユ。2番手に⑦プラダリアがつけて、⑧カラテは3番手に控える。4番手に少し外めに出して③ベラジオオペラ。ここまでが先団。3馬身離れて内に⑥ヒートオンビート、外に⑤ディープボンド。1馬身差で3頭並走。内に①シュトルーヴェ、外に⑨ソールオリエンス、2頭の間に②ジャスティンパレス。1馬身差で外に⑩ローシャムパーク。後方は1馬身でまた3頭並走。内に入った⑪ヤマニンサンパ、外に⑫ブローザホーン、2頭の間に1番人気④ドウデュースという形。テンの3Fは35.6秒。重馬場ではあるが予想どおりの落ち着いた入り。1000mの通過は61.0秒。重馬場ながらも比較的時計が出ていたことを考えればやはりスローな流れ

 

3角の坂でカラテが後退。さらにルージュエヴァイユも4角手前で脚いろが悪くなって、替わって外からプラダリア、ベラジオオペラ、ローシャムパーク。コーナーワークで一旦ルージュエヴァイユが盛り返して直線へ。残り400mで外からプラダリアが先頭に並ぶ。これに併せに行くベラジオオペラ。残り200mでプラダリア、ベラジオオペラ2頭の争いに大外からブローザホーン、さらにはソールオリエンス。ブローザホーンが突き抜けて先頭でゴールイン。あがりの3Fは34.5秒とテンの3Fとの比較では▲1.1秒速く、6Fめの12.9秒を挟んで後半の1000mは58.1秒前半の1000mよりも▲2.9秒速い後傾ラップのレースなった。

 

1着ブローザホーン:雨の重馬場を最後方の外めで脚を溜めて、スローペースの前残りの展開を大外を回して差し切る強い内容。外差し有利な馬場状態になっていたのは確かだが、重馬場に絶対の自信を持っていた陣営と鞍上菅原明良の腹を決めた好騎乗で見事に差し切って突き抜けた完勝劇。ブローザホーン、菅原明良騎手、吉岡辰弥調教師ともに初のG1制覇となった。小さい体でよく頑張りました合格合格 前残りでも追い込みが届くのが京都の2200mと書いたが、奇しくもそうなった。

 

2着ソールオリエンス:道中は後方外めで勝ち馬の前を追走して、坂の下りでは勝ち馬に持ったままで先に行かれてしまってほぼ最後方。相変わらずコーナーリングは下手で大外を回って馬場のいい外ラチ沿いを走れたことと重馬場を苦にしないことでうまく嵌った。言葉は悪いが怪我の功名みたいなもの。

 

3着ベラジオオペラ:ルージュエヴァイユがハナを切ってくれたので、スローペースを内枠から馬場のいい外めに少しずつ出しながら先行して直線は8分どころまで外に振ってのものでレース内容としては価値は高くない。道悪馬場の巧拙と展開の助けによるもの。

 

4着プラダリア:スローペースを2・3番手の好位を追走する展開に恵まれたものでベラジオオペラ同様、レース内容としては価値は高くない。道悪馬場の巧拙と展開の助けによるものだが、3着馬との差は少しだけ内めを追走したことが最後に堪えたのと直線7分どころまで外に出したが、さらに外の方が伸びる馬場で最終的には目標にされた形になったため。結果としてはG1ではベラジオオペラに先着されているが、能力的には差がないレベル。

 

5着ローシャムパーク:スタートはそれほど悪くなかったが、中団の後ろを追走する形で馬場のいい外めをバックストレッチからあがったが直線伸びきれなかった。いい手ごたえに見えていたが、直線で内側によれていたことを考えると重馬場の2200mは1F長いのかもしれない。

 

1番人気のドウデュースは6着。スローでも後方追走は予定どおりだろう。坂の下りから何度も外に出すチャンスがありながら、外に出して大外を回らされるロスを恐れたユタカの判断ミス。ユタカ本人も言っているとおり、この程度の道悪なら馬場のせいにはできないレベル。外を通った馬が上位を独占していることを考えても、敗因は馬場の悪い内を選んだユタカの判断・選択ミスといえる。たらればになるが、外を回していれば馬券圏内を外してはいなかっただろう。

ふとサミュエル・ウルマンの「青春」の一節を思い出した。

 

人は自信と共に若く  恐怖と共に老ゆる

 

ユタカ、年を取ったなぁ!

 

2番人気のジャスティンパレスは10着。内枠から少し外に出して、中団のど真ん中を追走して、坂の下りで先行勢を射程に入れたかと思ったが、ルメールは馬場の真ん中を選択して、結果の伸びを欠いた。確かに外と比較すれば馬場は悪かったが、直線はまったく伸びておらず、こちらは道悪が敗因と思われる。

 

展開の如何によらず、外を回った馬が上位を独占しており、実力上位の2頭が内めをついて凡走しているのと対照的な結果になった。このレースは極端な外差し有利なトラックバイアスが働いたものでその点を充分考慮して次走以降に生かしていきたい。

 

それから、道悪は軽い馬に有利だったというコメントが散見されるが、力の要る馬場になって軽量の馬に有利に働くはずがない。むしろパワーのある大型馬に有利だ。そうではなく、南西の強い風(風速6mくらい)は直線追い風で、これが馬格のない軽量馬をより強く後押ししたと考える方が自然である。

 

馬券はドウデュースからと思ったが、不安に感じて②④⑦⑩⑫の5頭BOXに。日曜日のボヤキでも書いたように、⑦ - ⑫で獲ったと思ったが、そうはいかなかった。不良馬場まで悪化するか、単勝10倍つくならブローザホーンの単複だけと思ったが、ちょうどどっちも足りなかった笑い泣き 予想の最後に「不良馬場ならブローザホーンに賭けてみる」と書いたのはそういう意味だった。馬券は残念でも一番勝ってほしい馬が勝ってくれてレースとしては満足。

お祝いブローザホーン、G1制覇!

これでよし!