難解、混戦、荒れそう

 

実力上位の重ハンデ馬が飛ぶのと力不足の上位人気馬が飛ぶのが同時に起こりうるのがこのレース。だが、かつては別定戦でエアグルーヴ、アドマイヤグルーヴの母娘制覇やほかにも勝ち馬はエリモエクセル、フサイチエアデール、ローズバト、ダイワエルシエーロとG1級がずらり。流れが変わったのは06年。この年からハンデ戦になり、1番人気ヤマニンシュクルは57kgで8着に沈み、勝ったのは大外を強襲した9番人気の3歳馬ソリッドプラチナム(写真)で斤量は49kgだった。2・3着はともに斤量51kgの軽ハンデ4歳馬サンレイジャスパー、オリエントチャームだった。奇しくも過去28回の歴史の中で唯一京都開催のマーメイドSで3連単は30万円超の波乱だった。さて、今年はどうなるか。

 

データ的には、若い方が有利な傾向で馬券対象はほとんど4・5歳馬。勝ち馬は阪神コースで勝ち鞍は必須。4歳なら前走3勝クラスで重賞連対のない馬。5歳なら昨年こそビッグリボンが福島牝馬Sからのローテで勝ったが、重賞からの挑戦で勝ったのは11年のフミノイマージンまで遡る。前走はオープン特別か3勝クラスで重賞連対経験かG1で3着以内の経験のある馬となる。でも今年は京都に変更になっているので無視します。

 

マーメイドステークス 出馬表

1/5の抽選を潜り抜けたのは、インザオベーション。

抽選除外:アグラシアド、アレグロモデラート、キミノナハマリア、ピピオラ

 

     <混戦 伏兵注意>

      ◎⑮エーデルブルーメ

      ○③ピンハイ

      ▲①ベリーヴィーナス

      ★④ミッキーゴージャス

      △⑨コスタボニータ

      △⑩ゴールドエクリプス

      △②ジューンオレンジ


馬場状態:良馬場(京都は今週からDコース替わり。先週は日曜日が雨で馬場も稍重まで悪化したが、傷みはコース替わりでカバーできた。土曜日は晴れで朝のクッション値は10.6と硬め。土曜日のレースを見る限り、2勝クラスの2000mで1分58秒台、米子Sは1600m外回りだが、1分31秒台中盤の勝ち時計が出ているように軽くて速い若干内側が有利かほぼフラットな馬場で状態はかなりいい。日曜日は晴れ予報なので馬場は良好を維持できそう。土曜日のレース後に散水するだろうが、ほぼフラットか少し内側有利で軽めの速い馬場状態とみたい。)

  京都:4回京都開催8日間後2週Dコース(1週目)

  東京:3回東京開催8日間後2週Dコース(1週目)
  函館:1回函館開催12日間前4週Aコース(2週目)

展開:行くのはアンチャン柴田裕一郎に初勝利をプレゼントした⑬アリスヴェリテか。近3走で2走は逃げ切り、逃げられなかったレースは負けている。四国新聞杯ではベリーヴィーナスが逃げてアリスヴェリテが控えたことで逃げ切りを許している。デビュー3戦目のアルテミスSではラヴェル、リバティアイランドとあわやのクビ、クビ差の3着の大接戦を演じているように逃げればしぶとい。50kgの軽ハンデでまなみに乗り替わりなら指示は「逃げろ」だろう。問題は①ベリーヴィーナスとの兼ね合い。最内枠で鞍上が藤懸だけに譲るまい。となると、昨年ほどではないにしろ、ある程度のペースで流れる可能性が高くなる。離れた好位を取れそうなのが⑨コスタボニータ。それを見ながら行きたいのがトップハンデの④ミッキーゴージャスと⑮エーデルブルーメだろう。うまく前がペースを落とせれば残り目もあるかもしれない。ただ京都の内回りで追走する川田の仕掛けが遅れるとは考えにくい。重ハンデの2頭が伸び悩んだ時には、穴は前残りも後ろから軽ハンデの差しもありうる

 

本命は⑮エーデルブルーメ。陣営は軽い馬場になってくれて助かったとは思っているだろう。奇しくも勝った前走と同じ8枠15番で中団からコスタボニータをターゲットにすればきっちり届くとみたい。ただ、1番人気を背負えるだけ強いかというと疑問もある。一応軸として考えたい

 

相手には③ピンハイ。前がやり合ってくれれば、縦長で内でロスなく脚を溜められる。差しが届く展開ならば、条件馬や弱い牝馬限定戦で戦ってきた馬とは相手が違う。3走前の中日新聞杯だけ走れば、当然勝ち負けまでありうる。ただ、全然馬体が成長しないのがどうなんだろう。

 

一発なら①ベリーヴィーナス。絶好枠を引き当てて鞍上藤懸ならハナは譲るまい。あとはアリスヴェリテとの兼ね合い次第。アリスヴェリテとは斤量+3kg差があるが、前走から▲3kg減でもあり行き切った時には粘り込みに注意がいる。事前検討でも書いたように見方によってはエーデルブルーメと力差はない

 

実力どおりなら④ミッキーゴージャス。能力的にはこの馬が一番強いのは間違いない。問題はトップハンデの56.5kgだけ。どうしても末脚は甘くなるだろうから、そこに他馬の付け入るスキがありそう。バツレッド前走56kg以上を背負って、このレースでも56kg以上を背負った馬で馬券に絡んだ馬はハンデ戦移行後1頭もいない

 

押さえに⑨コスタボニータ。展開は向きそうで、直線が平坦なのもいいだろう。問題は斤量と距離。前走が福島の1800mでぎりぎり感があったことを考えると、軽い馬場になってくれたのは良いとして、56kgで2000mではやや疑問符が付く。人気でもあり押さえに回す。バツレッドハンデ戦移行後、前走で重賞を勝った馬はすべて1頭残らず馬券圏外に消えている。

 

穴で⑩ゴールドエクリプス。スタートが鍵だが、すんなりなら離れた3番手をコスタボニータと並走できそう。斤量差でコスタボニータを競り落とせれば馬券圏内に入り込める。

 

最後に②ジューンオレンジ。前走メイSは8着とはいえ、行った行ったのレースを中団から追走してのもので脚を余した形。2走前の谷川岳Sでもスローペースを中団から最速のあがりで追い込むも少し届かなかった。両レースとも着順ほど負けてはおらず、もっとも強いレースをしているようにさえ見える。短い距離でしか勝ち鞍はないが、配合的にはマイル以上でいいタイプで追走が楽になる分だけ距離延長は歓迎のはず。この実績で54kgは見込まれた感じもするが、それだけハンデキャッパーも評価したと考えたい。あとは展開の嵌り待ち

 

前残りなら①⑬⑩は外せない。でも前がやり合えば、速い馬場で止まらないかもという騎手心理も働くので案外差しが有利になるので③②⑫も。とかいろいろ考えるとまったく決められない。日曜日は芝のレースがメインまでに5鞍。そのうち4・5Rだけが内回りになる。馬場を良く見極めて馬券を決めたい。

GOOD LUCK!