エーデルブルーメ、重賞制覇なるか

 

2023年勝ち馬 ビッグリボン

 

今年は京都で行われる牝馬限定のハンデ重賞。宝塚記念のための阪神開催と違って、今年は連続開催で使い込んだ京都。梅雨入り時期で天候も怪しいが、まずはいつどおり各馬の前走を中心に事前検討してみたい。

<登録24頭:フルゲート16頭>

 抽選対象:アグラシアド、アレグロモデラート、インザオベーション、キミノナハマリア、ピピオラの5頭から1頭出走可能

 除外対象:エリオトローピオ、ジュリアバローズ、ヒヅルジョウ、タケトンボ

 

 

エーデルブルーメ (54kg)

<前走>ダイワスカーレットカップ(3勝クラス)1着

内外ほぼフラットな馬場ではあったが、中団の外め追走から大外を回して差し切って2着に1馬身半差をつけており、力の違いを見せつけた。それまでの逃げ・先行型のレースから近走は自在性を身に着けつつある。一方、2走前の関門橋Sでは渋った馬場だったこともあり、先行策をとりながら4着に敗れている。

したがって、重賞初挑戦ながらも牝馬限定のハンデ戦の弱いメンバー構成を考えれば相応の高い評価を与えるべきである。但し、できれば軽い馬場の方がいい

 

 

ミッキーゴージャス (56.5kg)

<前走>大阪杯14着

やや内側が有利な馬場で、スローペースで展開が向かなかったのは確かだが、1番枠からまったく見せ場なく敗れてしまった。一方、2走前の愛知杯では、大外をぶん回して差し切る着差以上に強い内容で重賞初制覇を飾っている。
したがって、重賞勝ち馬に高い評価を与えるべきだが、愛知杯の勝利によりトップハンデが課せられたことを考慮に入れると、絶対視は禁物である。

 


コスタボニータ (56kg)

<前走>福島牝馬ステークス1着

B コース替わりで内側が有利な馬場で、直線で前が狭くなる不利はあったが、イン有利のトラックバイアスが働く馬場と前残りの展開に恵まれてのもので、不利を克服しての勝利というほどレース内容としては価値は高くない。2走前の中山牝馬Sでは馬場が内から乾いて、さらにスローの前残りの展開で中団追走から前をとらえきれなかったが斤量と展開を考えると着順ほど負けてはいない

したがって、内側が有利な馬場で内枠を引いてロスのない競馬ができるようであれば、この斤量でも好走可能と判断すべきである。なお、良馬場のG1では力が足りないとしてヴィクトリアマイルを回避しており、道悪は苦にしない

 


ピンハイ (54kg)

<前走>都大路ステークス4着

やや内側が有利な馬場でなおかつ4・5Fめが極端にペースが落ちるスローペースだったとは言えども、直線でジリジリとしか伸びなかった。一方、3走前の中日新聞杯では牡馬相手でも3着だったように、低調なハンデ重賞であれば好走可能である。
したがって、差しが届く展開や外差し有利な馬場になるようであれば、押さえ程度の評価は必要だが、小柄な牝馬なので力のいる馬場では評価を下げる必要がある

 

 

ゴールドエクリプス (53kg)

<前走>阪神牝馬ステークス8着

内外ほぼフラットな馬場ではあったが、スローペースの2番手追走から伸びを欠いており、見所がなかった。また、オープン入り以降は惨敗が続いており重賞では力不足を感じさせる。2度の重賞掲示板はともに格上挑戦で斤量が極端に恵まれた51kgでのものである。

したがって、メンバー弱化ではあるが当馬に高い評価は不要である。

 

 

キミノナハマリア (抽選対象 51kg)

<前走>福島牝馬ステークス14着

馬場や展開以前に、シンリョクカの落馬のアオリを受けてしまったので、度外視可能である。一方、2走前の飛鳥S(3勝クラス)では、好位を追走しながら伸びを欠いており、能力的には底を見せてしまったようにも見える。しかし、1着エアサージュは鳴尾記念で3着、2着ニホンピロキーフはマイラーズCで3着、3着リフレーミングは準オープン湾岸S、リステッド福島民報杯を連勝する。これら牡馬を相手に勝ち馬から0.6秒差つけられたとはいえ1番人気に支持されており見限るのは早計である。

したがって、レベルの高い牡馬と戦ってきたことと斤量に恵まれたことを考え併せると、抽選がクリアできれば巻き返しに充分注意を払うべきである。

 

 

タガノパッション (53kg)

<前走>福島牝馬ステークス6着

B コース替わりで内側が有利な馬場で、終始外を回らされてのものであり、着順ほどレース内容は悪くない。2走前の中山牝馬Sでは前残りの展開に脚を余したもので、53kgの斤量を生かせなかったが、コスタボニータとはハナ差。3走前の愛知杯では、ミッキーゴージャスには力負けであったが、同じようなコース取りのコスタボニータには▲2kg斤量が楽だったとはいえ先着を果たした。
したがって、斤量差を考えればコスタボニータとは差がないとみることもでき、展開の助けがあるようであれば、コスタボニータを逆転することも可能と認識すべきである。

 

 

ラヴェル (54kg)

<前走>中山牝馬ステークス11着

内から先に乾いた内側が有利な馬場でなおかつスローの前残りの展開で大外枠から終始外を回らされたもので度外視可能である。2走前の京都記念では牡馬の上位クラスを相手にやや力の要る馬場でよく走っているが、プラダリアに併せて行きながら直線では離されてしまっており、完全に力負けであった。

したがって、当馬に高い評価は不要であり、好走には軽い馬場で楽に流れに乗れる展開などかなりの助けが必要と認識すべきである。

 

 

セントカメリア (53kg)

<前走>都大路ステークス3着

やや内側が有利な馬場でなおかつ4・5Fめが極端にペースが落ちるスローペースながら、最後方をポツンと一頭で気分よく追走する展開に恵まれて、あがり最速の末脚を使えた。一方、2走前の愛知杯では9着に敗れているように、自ら動いて差し切るだけの力があるわけではない。それは4走前の修学院Sで先に動いてもミッキーゴージャスに差し切られていることからもわかる。

したがって、差しが届く展開に恵まれそうな場合にのみ押さえ程度の評価を与えれば充分である。

 

 

アグラシアド (抽選対象 52kg)

<前走>パールステークス4着

内外ほぼフラットな馬場ではあったが、スローペースの最後方からの競馬で脚を余して届かなかったという見方もできるが、早めに動いて勝ちに行っても差し切るだけの脚があったは疑問である。近走は後方待機の嵌り待ちという極端な競馬を繰り返している。
したがって、当馬に高い評価は不要である。

 

 

ベリーヴィーナス (53kg)

<前走>下鴨ステークス(3勝クラス)1着

内外ほぼフラットな馬場ではあったが、平均ペースでラップを刻んで5・6Fめで息を入れると直線でもうひと伸びして逃げ切るしぶとい粘りを見せた。0.1秒差3着シェイクユアハートは同クラスでは勝てないまでも堅実でダイワスカーレットCではエーデルブルーメに0.3秒差の2着。関門橋Sではエーデルブルーメに0.1秒先着している。シェイクユアハートを秤にかければエーデルブルーメとも斤量次第では差がないとも見ることができる。

したがって、56kgで連勝中であることを考慮すると、内側が有利な馬場で楽に逃げる展開の助けがある場合当馬の粘り込みにも注意を払うべきである。

 

 

エリカヴィータ (54kg)

<前走>福島牝馬ステークス5着

B コース替わりで内側が有利な馬場で、内で脚を溜めるトラックバイアスを生かした競馬でも掲示板止まりであった。また、キャリア2戦でフローラSを制して重賞勝ち馬になったが、以降10戦で条件は変わっても1度も馬券に絡んでいない

したがって、当馬に高い評価は不要である。

 

 

ホールネス (52kg)

<前走>熊野特別(2勝クラス)1着

雨で時計のかかる重馬場で内側が有利な状態を中団の外め追走からしっかり伸びて差し切った。ここでは力量上位だった。但し、内側で2勝クラスでは勝ちきれないながらも堅実に走るカンティプールが挟まれる不利を受けており、あれがなければわからない内容だった。2走前の1勝クラスでも勝利ているが▲西塚の52kgの斤量に助けられてのものである。

したがって、3連勝の実績は認めつつも、斤量面や時計のかかる重馬場に助けられての勝利とみることもでき、軽ハンデを考慮しても道悪の時にだけ押さえ程度の評価を与えれば充分である。

 

マーメイドSの有力馬を中心に事前検討してみた。

今週のポイントは以下のとおり。

①今年は京都の内回り

 昨年は阪神の開催の6日目で、その前2年間が阪神2日目。それ以前は阪神4日目だったが、今年は京都の内回り。

②Dコース替わり

 先週は雨もあって稍重馬場での開催だった。馬場の傷みも出ていたがどこまでカバーできるか。すべてカバーして内前有利になるか。

③今週は晴れか

 週末は雨かと思ったが、天気の崩れは後ろ倒しになりそうで良馬場で出来る可能性が高くなってきた。

④ハンデと能力比較

 昨年は比較が思ったよりも楽で「荒れるレース」が連対は1・3番人気の決着だった。馬場と展開にハンデの要素が加わって難解度が増す。

 

諸事情合って、今週は事前検討も遅めです。 

難解でしばらく悩んでいられそうです。