１強、相手探し
別定戦であるにもかかわらず、近年はそこそこ荒れる傾向。マイルと2000mのＧ１もあり、使えない馬か出がらしの馬が「重賞級」で参戦してもコロッと負けるのがその原因だろう。95年まではハンデ戦だった。91年１頭のオープン入りしたばかりの馬がゲートインする。名はプレクラスニー（写真）。調教師試験真っ只中の増沢からバトンを受けたのはなんと地味な19歳の江田照男。いまとなってはすっかり「穴男」だが、若き江田は番手から抜け出しての快勝。そしてそれは秋の毎日王冠、天皇賞制覇へとつながって行った。さて、今年はそんな馬の出現があるのか。
データ的には上位人気が安定している。過去10年前走５番人気までで【9-10-7-59】で、当日6番人気以下で勝ったのは20年のダイワキャグニーだけ。あまり無理筋は狙ってもメリットが少ないが当日の人気の盲点に注意。枠は８枠が勝率・連対率でトップ。とはいえ10％台でこの比較自体が馬鹿馬鹿しいレベル。天候が悪い年が多く、内が荒れて外差しが有利になった年が多かった。ただ、上位人気が馬券に絡んでいるので８枠が有利というより渋ったら不利にならない程度。ざっくり別定なので順当傾向というくらいの把握でいいと思う。
エプソムカップ 出馬表
＜相手探し＞
◎④ヴェルトライゼンデ
○⑪サイルーン
▲⑥レーベンスティール
△①トゥデイイズザデイ
△⑦マイネルケレリウス
△⑰ニシノスーベニア
△③ルージュリナージュ
馬場状態：良馬場（東京はＣコースで３週目。先週は日曜日が雨の中の開催になり馬場がどこまで悪化したか注目した。土曜日は晴れで朝のクッション値は9.7と標準値であるが硬めまで回復。土曜日のレースを見る限り馬場状態はそこそいい。日曜日は曇り予報なので馬場は良好を維持できそう。ほぼフラットで軽めの馬場状態とみたい。）
東京：３回東京開催８日間前２週Ｃコース（前開催から３週目）
京都：４回京都開催８日間前２週Ｃコース（２週目）
函館：１回函館開催12日間前４週Ａコース（１週目）
展開：レースを作るのは⑱セルバーグでいいだろう。問題は事前検討で書いたように⑩シルトホルンがどこまで絡むか。緩いコーナーでバックストレッチに入るので内枠有利ではあるがあまり影響はない。2000mの２角の入りとはわけが違う。それでもこの２騎が外枠でましてセルバーグは大外からでも行くだろう。平均ペースくらいでは流れるとみたい。その後ろに①トゥデイイズザデイ、⑬ラケマーダ、⑰ニシノスーベニアで、前を見ながら④ヴェルトライゼンデと⑥レーベンスティール、⑪サイルーンか。⑮アルナシーム、③ルージュリナージュ、⑦マイネルケレリウスは後方で脚を溜めるパターンだろう。軽い馬場でも底力勝負になりそう。
本命は④ヴェルトライゼンデ。しっかり追い切れていること、鉄砲実績があること、弱いメンバー構成に恵まれていること、得意の左回りであること。負ける要素が見当たらないので１強とみてこの馬から。
相手には⑪サイルーン。未知数な部分が多い割には人気になりすぎが気になるが、上がり目も期待できる。特に去勢からやっと安定して集中して走れるようになったとみれば狙いは立つ。脚質にはかなり自在性があると思うが、中途半端にならないことを祈りたい。
まとめて負かすなら⑥レーベンスティール。前走の敗因は陣営が言うようにイレコミだけなのか。このメンバーにソールオリエンスがいれば、いくら弱い４歳世代と言われようとも１番人気だろう。ソールオリエンスを負かしているこの馬が勝ってもおかしくはない。ただ、59kgでルメールで人気になるのに魅力があるかどうか。
押さえに①トゥデイイズザデイ。コンスタントに走るのは間違いないが、少し勝ち味に遅いのがどうか。ただ、前の２頭を行かせていいポジションでレースを進められるのは確かで、２走前に勝っている津村に手が戻ってチャンスも。
穴で⑦マイネルケレリウス。ある程度流れる展開になれば、前走から溜める競馬に変えて差し脚が生きる可能性がある。
穴でもう１頭は⑰ニシノスーベニア。前走は行ったきりの流れをしっかり詰めているし、予想以上の走りを見せてくれた。事前検討で書いたように、比較の上ではこの馬の強さは際立っている。17番枠は大丈夫だと思うが、問題はパンパンの良馬場での時計勝負でどうか。その点だけ評価を下げた。
最後に③ルージュリナージュ。これは足りるとは思うがやってみないとわからない。ただ、嵌り待ちなので嵌れば。内側の馬場状態が特にいいわけではないので、ロスなく回ってインに突っ込んでどこまでって感じ。
難しいのでいい感じでも目が抜けそう。
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