香港馬に勝てるのか

 

2023年勝ち馬 ソングライン

 

春のマイル王決定戦に香港馬2頭が参戦する。日本のマイラー勢は近年香港では勝ち切れておらず、2頭の参戦でかなりレベルの高いマイル戦になりそう。例によって、登録馬全馬を対象に事前検討してみたい。

<登録18頭:フルゲート18頭>

 登録全馬出走可能

 

まず、パート1は日本馬9頭を検討してみたい。

 

ソウルラッシュ

<前走>マイラーズカップ1着

雨で全体に少し時計がかかるようになった稍重も開幕週で内側がやや有利な馬場で、速めの流れを中団外めを追走して、直線では早めに先頭に立って押し切った着差以上に強い内容の完勝劇。やや内側が有利な馬場でも、渋った馬場を苦にしない分だけ追走も楽だっただろう。2走前の香港マイルでは得意の力の要る馬場でも香港勢に完敗している。また、安田記念は2年連続惨敗しており、多頭数の左回りには不安が残る。

したがって、実績からは相応の高い評価をすべきだが、東京コースでは凡走しており過信は禁物である。

 

 

セリフォス

<前走>マイラーズカップ2着

雨で全体に少し時計がかかるようになった稍重も開幕週で内側がやや有利な馬場で、中団のインを追走して、直線も内を突いて馬群を捌いて迫ったが最後はソウルラッシュと脚いろが一緒になってしまった。大幅な馬体増の前哨戦仕様に加えて、切れが生かせない馬場になって苦しくなったがここでは力量上位で2着は確保。ひと叩きで上がり目が期待できるし、気性面では依然として問題があるが折り合ってレースができたのは収穫。2走前の香港マイルはあまり得意と言えない力の要る馬場で内に閉じ込められてのもので、度外視可能。一方、昨年の安田記念ではソングラインに敗れたとはいえ2着しており、昨年の1・3着馬が引退している以上は速い馬場では日本トップクラスである。

したがって、ひと叩きした上がり目とコース実績を考え併せれば、本命級の高い評価を与えるべきだが、馬場が渋った時は評価を下げるべきである。

 

 

ナミュール

<前走>ヴィクトリマイル8着

若干内側有利もほぼフラットで軽くて速い馬場で、スタートで出遅れて直線も前が開かなかったことを考慮しても、見せ場すらなく残念な内容だった。陣営も陰でささやいていたように鞍上に問題があったのではないかと個人的には思っている。一方、昨年の秋以降は富士S、マイルCSを連勝し、香港マイル、ダバイターフでも強敵相手に好走している。但し、昨年もヴィクトリアマイル、安田記念と東京のマイル戦で惨敗を繰り返しており、左回りの多頭数での競馬に信頼性を欠く部分もある。

したがって、帰国後2戦目で能力を発揮できれば巻き返しの可能性は高いが、内枠や馬場の悪化などによる凡走も充分考慮に入れるべきである。

 

 

フィアスプライド

<前走>ヴィクトリアマイル2着

若干内側有利もほぼフラットで軽くて速い馬場で、前3頭から離れたインの4番手という絶好位追走から抜け出して粘り込んだが、マスクトディーヴァの直線の不利とナミュールの凡走に助けられてのものという感は否めない。一方、3走前にはターコイズSで重賞初制覇を飾ったが、牝馬限定の弱いメンバーで好位のインを追走する展開に恵まれたもので内容的には価値はあまり高くない
したがって、急激なメンバー強化を考慮すると、当馬に高い評価は不要である。

 

 

ステラヴェローチェ

<前走>大阪杯4着

馬場はBコース替わりもほぼフラットな状態だったが、中だるみの先行馬有利な展開で中団で脚を溜めて直線は大外から追い込むも届かなかった。道中は常に少し外を回らされて直線も大外という距離ロスを考えればかなりレベルの高い内容で負けて強しといえるもの。少なくとも着順以上の内容を示していて空き家のG1といえども、このメンバーでは能力上位を証明した。2走前のリステッド大阪城Sが辛勝だったことを考えても状態はクラシックを争っていた当時に戻っていると思われる。

したがって、マイル戦線よりもレベルの高い中距離で復調してきたことを考慮すれば相応の高い評価を与えるべきである。また、馬場が重以上に渋った場合は本命まで視野に評価を上げるべきである。

 

 

 

ジオグリフ

<前走>大阪杯5着

Bコース替わりもほぼフラットな馬場だったが、楽に好位を追走する展開に恵まれたもので、しぶとく伸びて掲示板は確保したがレース内容としては着順ほどの価値はない。また、2走前の中山記念では3着しているが、明らかに極端に内側が有利になった馬場の恩恵によるものである。

したがって、一時期の不調からは脱しつつあり、レベルの高い中距離で結果を出して来ていることを考慮しても、好走には馬場や展開のかなりの助けが必要と判断すべきである。

 

 

コレペティトール

<前走>マイラーズカップ8着

雨で全体に少し時計がかかるようになった稍重も開幕週で内側がやや有利な馬場で、ソウルラッシュ、セリフォスの後ろで馬場のいい後方の内ラチ沿いからレースを進めたが伸びを欠いた。上位とは完全に力負けであった。一方、2走前には京都金杯を制しているが、開幕週の内側有利な馬場でインの6番手あたりを追走し、直線も最内を掬う展開と54kgというハンデに恵まれたもので重賞勝ちではあるがレース内容としての価値は低い

したがって、当馬に高い評価は不要である。

 

 

エアロロノア

<前走>マイラーズカップ4着

開幕週で内側がやや有利な馬場で、いつもどおり後方からやや外めに出して追走して直線は外めからソウルラッシュのトレースラインにそのまま乗って伸びるも上位には突き放されてしまっており、力負けであった。また、当馬は重賞で好走することはあっても、11戦して未勝利である。

したがって、さらなるメンバー強化を考慮すれば、当馬に高い評価は不要である。

 

 

カテドラル

<前走>大阪杯9着

馬場や展開以前に、まったく見せ場すらなく完全な力負けであった。また、22年以降は好走したのはローカルの小倉のG3だけで、一線級相手では荷が重いうえにピークを過ぎている。
したがって、当馬に高い評価は不要である。

 

安田記念登録の日本馬9頭を対象に事前検討してみた。

香港馬と上記以外の日本馬はパート2に続く。