ヒトリシズカ

 

 

 
この時期に外秩父の灌木の中を歩くと、
濃い緑色の葉に真っ白な小さなブラシをつけたような花を
咲かせているのがヒトリシズカです。
 
名前の由来は源義経の愛妾の静御前のようです。
「一輪の花の姿がこの女性に負けないほどの気品と美しさがある」
ということのようです。
残念ながらこの花を見て静御前を想像する美的感覚を
私は持ち合わせていません。
 
地下茎が横に伸びる性質で、そこから茎を何本も直立させるので
群生してたくさんの花が咲いている感じです。
確かに1本の茎から1本の花ではありますが
ヒトリシズカはいつも賑やかです。
 
 

外秩父の散歩で 23年4月
 
こんな俳句を見つけました
 
一人静むらがりてなほ淋しけれ 秋元不死男
 
なるほどと思った反面、これってたぶん
ヒトリシズカ⇒静御前⇒義経との悲恋
という連想がベースですよね
 
特定の人間が勝手な意図で書いたかもしれない『吾妻鏡』に
ほんのわずかしか出てこない話と植物に勝手に静御前の名前を付けても
植物自身には何の関係もないことです。
 
牧野富太郎がどんなに高名な植物学者であっても、
それは人間の横暴の域を出ません。
植物は人間の言葉を持っていないので気持ちを聞くことはできませんけど。
 
思い付きで勝手なことを書いてしまいました。
 
今日もお付き合いいただきありがとうございました。