ソウルラッシュ、2年振り制覇なるか

 

2023年勝ち馬 シュネルマイスター

 

G1の狭間はG2のマイル戦。G1級の参戦もあり、フルゲートには満たないものの今後を占う一戦になりそう。例によって有力馬を中心に事前検討してみたい。

<登録17頭:フルゲート18頭>

  登録全馬出走可能

 

ソウルラッシュ

<前走>香港マイル4着

アジア最強マイラーGolden Sixtyに敗れたのはやむを得ないがナミュールにも先着を許した。ただ、外からいい脚は使っており、初の海外遠征でもあり度外視可能。2走前のマイルCSはCコース替わりながらほぼフラットなやや時計のかかる馬場で、モレイラが1番枠から内をロスなく乗って一旦抜け出したかに見えたがナミュールに差されてしまった。シュネルマイスター、セリフォスの凡走に助けられた面があるにせよきっちり結果を出している。また、一昨年のこのレースでは勝利しているだけでなく、昨年は京成杯AHを制しており、マイル戦ではトップクラスの実力がある。

したがって、メンバー構成を考慮すれば、相応のかなり高い評価を与えて当然である。

 

セリフォス

<前走>香港マイル7着

終始前が開かず苦しいレースを強いられたが、ソウルラッシュ同様、海外なので度外視可能。ただ、2走前のマイルCSでもソウルラッシュには先着を許している。これはやや力の要る馬場で、京都の3F・4Fは急な上り坂にもかかわらず、前後半ほぼ同じようなタイムの流れを先行した当馬にはかなり厳しい流れなったためで同情の余地がある。折り合いを欠いた点と久々の京都開催が川田の感覚を少し狂わせたと思いたい。一方、一昨年はマイルCSを制しており、安田記念でも2着に好走する実績を残していてマイル戦線ではトップクラスである。

したがって、ソウルラッシュに連敗中とはいえ、力量に差があるとは考えれない以上斤量差が+1kgあることを考慮しても、落ち着いたレースさえできればソウルラッシュとは互角と判断すべきである。

 

エエヤン

<前走>ダービー卿チャレンジトロフィー2着

Bコース替わりながらほぼフラットな馬場で、道中行きたがっていたので無理に抑えずそのまま行かせて押し切りを図って粘り込んだ。ただ、楽にマイペースで先行してのものでレース内容としての価値は着順ほど高くない。また7走前3歳時のNZTでも早め先頭から押し切って勝利している。
したがって、好走するには開幕週の内側有利の馬場で楽に先行するなど馬場や展開の助けが必要と判断すべきである。

 

トランキリテ

<前走>洛陽ステークス2着

ほぼフラットな馬場で、前3頭がやり合ってテンの3F33秒台のハイペースの前潰れの展開を最後方から追い込む展開に恵まれたものであり、レース内容としては着順ほど価値は高くない。さらに、3勝クラスを勝ち上がるまでに7戦を要しており、上がり目も少ない。

したがって、京都の開幕週の馬場も考慮すると、差し一辺倒の脚質の当馬に高い評価は不要である。

 

コレペティトール

<前走>京都金杯1着

京都開幕週の内側有利な馬場で、2番枠から終始内側を通る展開に恵まれたものであり、レース内容的には価値は低い。また、4走前の仲秋Sでは同斤量でセッションに敗れており、斤量差▲1kg分だけ先着したともいえる。
したがって、3歳時に共同通信杯で世代トップクラスと差のないレースをしていることを考慮すれば押さえ程度の評価は与えるべきだが、今年の京都金杯の覇者というだけで過大評価は禁物である。

 

セッション

<前走>ダービー卿チャレンジトロフィー7着

ほぼフラットな馬場ではあったが、逃げたエエヤンから大きく離れた2番手をマイペースの単騎逃げと同じ状態で気分よく追走してのものであり、レース内容としての価値も低い。また、2走前の京都金杯では2着と好走したが、このレースも内側が有利な馬場の助けによるもので着順ほど価値は高くない
したがって、当馬に高い評価は不要である。

 

ニホンピロキーフ

<前走>関門橋ステークス(3勝クラス)1着

開催最終週で内側が荒れては来ていたが、雨が内から乾く稍重馬場でやや内側が有利な状態。61秒台後半のスローペースで逃げた12番人気のマテンロウアレスが2着に残る流れを中団のインを追走して直線だけ外に出して2馬身半差をつけて力の違いを見せつけた。一方、2走前の飛鳥Sではエアサージュに敗れ、そのエアサージュは金鯱賞で8着に完敗。3走前の元町Sではコレペティトールに完敗しているように、前走は弱い相手に恵まれたものといえる。

したがって、当馬に高い評価は不要である。

 

ソーヴァリアント

<前走>中山記念12着

中山開幕週の内側が有利な馬場で、内めを追走しながらまったく見所がなく負け過ぎである。一方、一昨年G3とはいえ、レベルの高い2000m戦のチャレンジCを制して、3走前の富士Sでは3着に好走しており、マイル重賞でもメンバー次第では通用する能力を秘めている
したがって、好走するには気分良くマイペースで先行し、なおかつ展開や馬場のかなりの助けが必要と判断すべきである。

 

ボルザコフスキー

<前走>六甲ステークス1着

重馬場発表とはいえ多少時計がかかる程度の稍重に近い内外ほぼフラットな馬場で、ジャスティンスカイ、ビーアストニッシドら3・4頭が競り合ってテンが速くなっての前潰れ展開を後方待機から内を捌いて突き抜けた。末脚は鮮やかだが前潰れの展開に恵まれたものでレース内容としては価値はあまり高くない。3走前の洛陽Sでも同じようなメンバーで同じように前潰れの展開ですぐ前のドゥアイズは捕まえられず、後ろから来たトランキリテ、アサヒには先着を許している。六甲Sは前潰れの展開と弱いメンバーに恵まれたものである証左でレースのレベル自体に疑問が残る。

したがって、さらなるメンバー強化を考慮すれば、当馬に高い評価は不要である。

 

トゥードジボン

<前走>六甲ステークス11着

内外ほぼフラットな馬場で、先行争いに巻き込まれての前潰れの展開と直線で進路が狭くなる不利が重なったことは確かだが負け過ぎである。一方、3走前の京都金杯ではオープン入り直後で3着に好走しているが、内側が有利な馬場を生かしたものであり、レース内容的にも価値も高くない
したがって、当馬に高い評価は不要である。

 

エアロロノア

<前走>エプソムカップ5着

若干内側が有利ではあったが良に近い稍重馬場でほぼフラットに近い状態で馬場が不利にはならなかったとはいえ、1番枠で最後方からレースを進め、直線大外をぶん回して追い込んだ。勝ったジャスティンカフェよりも後ろの位置で大外を通っていることを考えれば、0.3秒差は悲観する内容ではない。一方、4走前の中京の京都金杯では2着しているが、ベレヌスらがハイペースで引っ張る前潰れの展開に恵まれたものである。

したがって、重賞では少し足りない実績であることと久々を考え併せると、末脚一手の脚質の当馬が好走するには、ハイペースの前潰れなどかなりの展開の助けが必要と認識すべきである。また去勢後初戦となるが、効果はやってみないとわからない。

 

リューベック

<前走>洛陽ステークス10着

ほぼフラットな馬場で、後方待機で直後にいたアサヒが3着に、さらに後ろのトランキリテが2着に追い込む前潰れの展開ながらも伸びを欠いており見所はなかった。昨年暮れに10か月の休養から復帰して以降精彩を欠いている。

したがって、当馬に高い評価は不要である。

 

ノースザワールド

<前走>六甲ステークス6着

内外ほぼフラットな馬場で、後方で1・2着馬の間あたりのポジションでレースを進めながら、ハイペースの前潰れの展開にもかかわらず、ジリジリとしか伸びずに上位には伸び負けた。オープン入り以降、2走前の東風Sの2着こそあるが7戦負け続けており、東風S以外は掲示板さえ確保できておらず能力的にオープンでは通用していない

したがって、重賞では明らかに力不足を露呈している当馬に高い評価は不要である。

 

フリームファクシ

<前走>東京新聞杯11着

圧倒的に内側が有利な馬場で終始外を回らされてのものであり、着順ほど悲観する内容ではない。また2走前の京都金杯でも内側が有利な馬場で外を回らされてのものであり、レース内容としては勝ち馬以上のものを示している。弱い世代といわれる明け4歳牡馬ではあるが、きさらぎ賞を制しており重賞で勝ち負けできるだけの能力は有している。

したがって、開幕週で内側有利な馬場で内枠を引きスムーズなロスない競馬をするなど条件が揃えば、当馬の好走にも注意を払うべきである。

 

マイラーズCの有力馬を中心に事前検討してみた。

今週のポイントは以下のとおり

①京都の開幕週

 開幕週の馬場は内側・先行馬有利のトラックバイアスが働きやすい。さらにコース特性からテンのペースは速くなりにくいので、差し・追い込み一手の馬には厳しいレースになりやすい。

②週末の雨

 火曜日現在京都地方は今週末雨予報。土曜日は降らないかもしれないが、日曜日は降る可能性が高い。馬場への影響がどこまであるか注意が要る。

③有力2騎の仕上がり

 ソウルラッシュ、セリフォスともに12月の香港以来のレース。仕上がり状態には注意したい。

 

オッズはかなり厳しくなりそうなので、何をどう買うか、枠順確定後にじっくり考えたい。