アスコリピチェーノが桜を制するか

 

2023年勝ち馬 リバティアイランド

 

いよいよ牝馬三冠レースの第一弾桜花賞。例年どおりではあるが、混戦を象徴するかのようにフルゲートを大きく上回る登録があった。出走できる可能性がある馬を中心に事前検討してみたい。

<登録27頭:フルゲート18頭>

 抽選対象:シカゴスティング、ショウナンマヌエラ、ボンドガールから2頭可能

 除外対象:タガノエルピーダなど8頭

 

アスコリピチェーノ

<前走>阪神ジュベナイルフィリーズ1着

わずかに内側が有利だがほぼフラットな馬場で、好位の馬群の中から抜け出して、2着馬ステレンボッシュの追い上げを凌ぎ切るしぶとさを見せた。また2走前の新潟2歳Sでは、スローペースの前残りの展開でも差し切り勝ちしている上に、3戦3勝と能力的にも底を見せていない

したがって、2歳牝馬No1の当馬に、休み明けであっても、相応のかなり高い評価を与えるべきである。
 

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<配合>父ダイワメジャー 母アスコルティ 母の父Danehill Dancer

主導はNorthern Dancer4×4・5の系列ぐるみ。この主導の明確性がこの馬の長所。また、Hail to Reason4×6は中間断絶だが血をまとめる上で有効。母の父方の影響力が弱く全体のバランスを崩しているため、ムラな面を見せることは予想されるが、比較的少ないクロス馬でまとめられ、母のスピード・スタミナも押さえられているので距離の融通性はある。ダイワメジャー産駒らしく早期から活躍が期待できる仕上げやすいマイラー

 

クイーンズウォーク

<前走>クイーンカップ1着

ほぼフラットで若干内側が有利な馬場で、終始外めを追走して直線も大外から差し切る着差以上に強い内容であった。3走前の新馬戦は取りこぼしたが、テンが36.9秒の緩い流れを出遅れて逃げ馬を捕らえきれなかっただけで力負けではない

したがって、急激なメンバー強化であるものの、差しが届く展開になるようであれば、それなりの高い評価を与えるべきである。

 

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<配合>父キズナ 母ウェイヴェルアベニュー 母の父Harlington

Halo4×6とNorthern Dancer5・6×6・6はともに中間断絶だが、血を集めるうえでは有効。Almahmoud、Native Dancerがスピードを補給。シンプルな異系配合で少ないクロス馬でまとめられたことから、母内に遺伝に関わっていない部分があるが大きな能力減要因にはならないとみられる。開花は早く、早期の仕上がりが見込めるマイラー

 

チェルヴィニア

<前走>アルテミスステークス1着

開幕週ながらほぼフラットな馬場で、好位から楽々と抜け出して着差以上に余裕のある内容で力の違いを見せつけたが、弱いメンバー構成に恵まれた感も否めない。一方、3走前の新馬戦では、1000m通過61.3秒のスローペースで逃げながらもボンドガールに楽に差し切られてしまっており、この時点ではボンドガールが上だった。
したがって、アルテミスSの強い勝ち方を考慮すればそれなりの高い評価を与えるべきだが、ルメールの怪我による乗り替わりも考え併せれば、過大評価は禁物である。

 

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<配合>父ハービンジャー 母チェッキーノ 母の父キングカメハメハ

主導はNorthern Dancer5・5・6・7×6・6・8の系列ぐるみ。これにHail to Reason - Turn-toがスピードを補給。父母間に大きな不備はなく、父の父Dansiliを強調しつつ、父母の影響バランスがよく整えられている。開花を果たせば、安定した堅実な走りが見込める芝の平均ペース向き中距離ランナー

 

スウィープフィート

<前走>チューリップ賞1着

稍重の若干時計はかかるがほぼフラットな馬場で、出遅れて後方からレースを進め、直線で大外から差し切る派手な競馬であったが、本番と同距離同コースの本命のトライアルとしては例年より小粒なメンバー構成に恵まれた感も強い。2走前の阪神JFで7着に敗れているが、スタートで大きく出遅れたこととかなり外を回らされたことを考慮すると、着差ほどの大きな差はなくむしろレース内容としては価値は高い。

したがって、外差しが届く展開や外差し有利なトラックバイアスが働く馬場になるようであれば、好走のチャンスもあると判断すべきである。
 

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<配合>父スワーヴリチャード 母ビジュートウショウ 母の父ディープスカイ

サンデーサイレンス3×4は中間断絶だが血を集めるうえでは有効。前面でHail to Reason5・8×6、Mr. Prospector6×5の系列ぐるみ、Northern Dancerクロスを伴うLyphard5×5のクロスが派生して、主導の明確性や血の統一性を欠くことは瞬発力勝負に不安を残す。一方、父母間の影響バランスは比較的よく、開花後は芝・ダートを問わずマイルから中距離でしぶとい末脚発揮は可能

 

ステレンボッシュ

<前走>阪神ジュベナイルフィリーズ2着

わずかに内側が有利だがほぼフラットな馬場で、スタートで内によれて接触してしまったこと、直線で前が壁になり一旦外へ出してから今度は内に切り替えるコースロスがあったことを考慮すると、勝ったアスコリピチェーノと互角またはそれ以上に強い内容であった。2走前の赤松賞では後のチューリップ賞2着馬セキトバイーストを一蹴しており、3走前のサフラン賞では2着に敗れたものの、内側有利の馬場で外を回らされた分だけ届かなかっただけであり、負けて強しの内容であった。
したがって、前走の内容からも、アスコリピチェーノと互角かそれ以上の評価は与えるべきである。

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<配合>父エピファネイア 母ブルークランズ 母の父ルーラーシップ

サンデーサイレンス4×4は中間断絶だが、血を集めるうえでは有効。主導はHail to Reason5・6・7・8×6の系列ぐるみ。次いでNorthern Dancerクロスを伴うNijinsky6×5・8で全体をリード。父の父方に軽微ながら遺伝に参加していない部分があり、母の父方の世代後退により影響力が弱まり、バランスを崩して安定性を欠く要因になっている。とはいえ、生きている血の質は高く、好調期には意外性を発揮する中距離ランナー

 

コラソンビート

<前走>フィリーズレビュー2着

やや内側が有利な馬場で、インの3・4番手という絶好位を追走する展開に恵まれながら逃げたエトヴプレを差し切れなかった。トライアル仕様の仕上げであっても物足りない内容であったことは否めない。2走前の阪神JFでは逃げたシカゴスティングが5着に残る展開を5番手追走しながら上位2頭に伸び負けており、能力的にはやや底を見せた感がある。
したがって、好走には展開やトラックバイアスの助けが必要と判断すべきである。
 

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<配合>父スワーヴリチャード 母ルシェルドール 母の父オルフェーヴル

主導はサンデーサインレンス3×4の系列ぐるみ。さらにMr. Prospector6×5の系列ぐるみがスピードを補給。近親度が強いうえに、父の母方の世代後退により影響度バランスを崩しており、安定した走りは期待しずらい。一方、母方の血の活かし方には良さがあり、芝・ダートを問わずマイルから中距離で好調期に意外なしぶとさを発揮する可能性がある

 

ライトバック

<前走>エルフィンステークス1着

Cコース替わりながら力の要るほぼフラットな馬場だったこともあるが、内から先に抜け出した後のチューリップ賞馬スウィープフィートを、直線で外によれたなナムラエデンに前をカットされながらも捌いて差し切ったことは立派である。なお、2走前のアルテミスSでは4着に敗れてしまったが、折り合いを欠いて直線でも窮屈な競馬になってしまったので、度外視可能である。
したがって、スウィープフィートと同等かそれ以上の押さえ程度の評価は与えるべきである。
 

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<配合>父キズナ 母インザスポットライト 母の父Exceed and Excel

Halo4×6は単一クロスだが、血を集めるうえでは有効。主導はNorthern Dancer5・6×5・5・6の系列ぐるみ。Acropolis(=Alycidon)は5×8になって遺伝効果は疑問だが、その父Donatelloと母Auroraがともにクロスになってスタミナを補給している。父母間に不備はなく、父母の影響バランスも非常に良くまとめられている。開花を果たせば、安定した走りが期待できる平均ペース向きの中距離ランナー

 

イフェイオン

<前走>フェアリーステークス1着

年明け開幕週で若干内側が有利な馬場で、終始外を回らされながらも押し切っており着差以上に強い内容であったが、一線級が阪神JFを使って不在で条件級ともいえる弱いメンバー構成に恵まれたことも確かである。またレース自体もレベルが低かった。

したがって、当馬に高い評価は不要である。
 

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<配合>父エピファネイア 母イチオクノホシ 母の父ゼンノロブロイ

サンデーサイレンス4×3は中間断絶だが、血を集めるうえでは有効。主導はHail to Reason5・6・7×5の系列ぐるみ。次いでNijinsky6×7の系列ぐるみ。但し、NijinskyはNorthern Dancerと位置が逆転しているところがあり、安定さを欠く要因。また、母方の世代がやや新しく血の統一性にも欠けるため、必ずしも信頼度の高い形態ではない。芝・ダート兼用で好調期のマイル前後で意外性を発揮する可能性はある

 

セシリエブラージュ

<前走>フィリーズレビュー3着

やや内側が有利な馬場で、逃げたエトヴプレが残る展開を中団待機から外を回らされ直線も大外から追い込んでおり、着差ほど悲観する内容ではない。問題はこのレース自体のレベルで弱いメンバーに恵まれた感が否めない。また、2走前の1勝クラスでも勝ち上がれていない

したがって、当馬に高い評価は不要である。
 

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<配合>父ブリックスアンドモルタル 母アットザシーサイド 母の父キングカメハメハ

Northern Dancer5・5×6・6・8は中間断絶だが血を集める効果はある。主導はHail to Reasonクロスを伴うHalo6×5。Bold Ruler、Native Dancerがスピードを、Nashuaがスタミナを補給。父母を通じて大きな不備を生じず、バランス良くまとめられている。開花後の安定した走りが見込める距離融通性のあるマイラー

 

ボンドガール(抽選対象)

<前走>サウジアラビアロイヤルカップ2着

東京開幕週ながらほぼフラットな馬場で、スタートで出遅れ、さらに道中の折り合いも欠いた。結果、ゴンバデカーブースに2馬身差をつけられる完敗であったが、状況を考慮すれば、この一戦だけで能力的に底を見せてしまったと考えるのは早計である。2走前、すでに伝説となりつつある新馬戦では2着に降したチェルヴィニアがアルテミスSを、3着のコラソンビートが京王杯2歳Sを、6着キャットファイトがアネモネSをそれぞれ制しており、4着マスクオールウィンはフェアリーS2着で、出走11頭中8着までが未勝利を勝ち上がってるこの世代で1番レベルの高い新馬戦であった。

したがって、一頓挫あったがまず抽選をクリアして、そのうえで久々でも入れ込みや折り合いに進境を見せる必要はあるが、気分良く走れて自身の能力さえ発揮できれば巻き返す可能性は高いと判断すべきである。

 

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<配合>父ダイワメジャー 母コーステッド 母の父Tizway

Northern Dancer4×6・7・7・7・7・8は中間断絶だが、血を集めるうえでは有効。ただそれ以前に、父母の世代が大きくずれていて、Hail to Reason、Lady Angela、Almahmoudなどの遺伝効果が疑問視される。8世代遡ってもクロス馬はわずかに18頭しかおらず、その効果も判断が難しい。早熟性、意外性はあるだろうが、逆にモロさや好不調の波もありそうで成長力には疑問がある
 

セキトバイースト

<前走>チューリップ賞2着

稍重の若干時計はかかるがほぼフラットな馬場で、先手を取ってよく粘ったが、ゴール前で一気にスウィープフィートに差されてしまっており、レース内容としてはあまり価値は高くない。また、当馬は未勝利勝ち後、1勝クラスでも勝ちきれない競馬が続いていた。前走逃げたことで当馬に進展が見られるかどうかは微妙である。

したがって、さらなるメンバー強化を考慮すると、当馬に高い評価は不要である。
 

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<配合>父デクラレーションオブウォー 母ベアフットレディ 母の父Footstepsinthesand

主導はBlushing Groomクロスを伴うRahy3×5という日本では珍しい形態。これにSecretariat、Almahmoudがスピードを、Nijinsky、Round Tableがスタミナを補給。母の母方の世代後退でバランスを崩しており、安定性には疑問がある。個性的な形態ではあるが、芝・ダート兼用で好調期にマイルから中距離での意外性を発揮する可能性はある

 

マスクオールウィン

<前走>フェアリーステークス2着

年明け開幕週の若干内側が有利の馬場で、後方2番手の内で脚を溜めて、3角から捲り気味に追い上げて直線は大外をついて伸びるもクビ差届かなかった。これはテンが平均ペース以上に流れたことにより、前が厳しくなって差し追い込みに有利に働いたもので派手な追い込みにみるほどレース内容としての価値は高くない。また、勝ち鞍2勝はともに1200mのスプリント戦でマイルよりもレベルの低いメンバーを相手のものである。

したがって、伝説の新馬戦の4着馬といえども高い評価は不要である。

 

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<配合>父ドレフォン 母チカアレグレ 母の父ハーツクライ

Sharpen Up5×6は中間断絶だが、Native Dancerを介してAlmahmoud、Habitatのスピードを傘下に収めた形態。主導の明確性に欠けることは惜しまれ、瞬発力勝負ではツメの甘さを見せる不安がある。一方、シンプルかつ父母の影響バランスは非常に良くまとめられている点に妙味がある。芝・ダートを問わず、マイル前後の距離で早期から安定した走りを見せる可能性はある

 

エトヴプレ

<前走>フィリーズレビュー1着

やや内側が有利な馬場で、イン有利のトラックバイアスを利して楽に逃げる展開に恵まれたものであり、レース内容としては価値はあまり高くない。また、2走前の中京2歳Sはレベルの低いスプリント戦にもかかわらず4着に敗れているように、能力は高くない
したがって、距離延長をも考慮すると、当馬に高い評価は不要である。
 

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<配合>父Too Darn Hot 母Nahoodh 母の父Clodovil

主導はLyphard6×7の系列ぐるみだが、その父Northern Dancerが5・6代目に3本あり両者の位置がちぐはぐになったことはマイナス材料で瞬発力勝負には不安を残す要因。また、母の母方の影響が極端に少なくなってバランスも崩れ、必ずしも信頼度の高い形態ではない。一方、強調された母の父内デインヒルの良さは再現されており、芝の短距離からマイルで好調期に意外性を発揮する可能性がある

 

テウメッサ

<前走>アネモネステークス2着

ほぼフラットな馬場で、中団の内めをロスなく追走して直線だけ外に出す展開と低調なメンバー構成に恵まれものでレースとしての価値はあまり高くない。2走前にデビュー4戦目にして未勝利戦を勝ち上がったが、内側有利な馬場で終始インの3番手を追走する展開に恵まれたもので、一瞬前が詰まったが抜け出すと2馬身以上の差をつける完勝だった。とはいえ、2着馬は未勝利脱出に8戦を要し、3着以下はいまだに勝ち上がれない弱いメンバー構成に恵まれてのものだった。
したがって、当馬に高い評価は不要である。

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<配合>父ハービンジャー 母プロクリス 母の父キングカメハメハ

主導はNijinsky6×7の系列ぐるみだが、父Northern Dancerが5・5・6・7×6・6・6・8で位置が逆転している部分があり瞬発力勝負に不安を残す。一方、スピードはNative Dancer、Almahmoudが、スタミナはNashuaが補給。父母間に不備はなく、父母の影響バランスも悪くない。惜しまれるのは父母の持つ欧州系の血を生かし切れなかったこと。芝のマイル前後で好調期に意外性を発揮することは可能

 

キャットファイト

<前走>アネモネステークス1着

ほぼフラットな馬場で、別路線組と比較すると低調なメンバー構成と好位のインをロスなく追走する展開に恵まれたものでレースとしての価値はあまり高くない。2走前のフェアリーSではテンが速くなったとはいえ、先行して伸びを欠いており、3走前の阪神JFでは惨敗している。
したがって、当馬に高い評価は不要である。
 

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<配合>父ディスクリートキャット 母フラマブル 母の父パイロ

主導はNorthern Dancer5・6×5・8の系列ぐるみ。次いでSecretariat5×6の系列ぐるみにより全体をリード。Buckpasser5・6×6・6・7がスピード・スタミナを補給。父母内に不備はなく、父の父方Foretryを強調しつつバランス良くまとめられている。開花を果たせば安定した走りが期待できる芝・ダート兼用のマイラー

 

ハワイアンティアレ

<前走>チューリップ賞3着

稍重の若干時計はかかるがほぼフラットな馬場で、馬群を割ってよく伸びたと見れば立派だが、道中は後方のインで脚を溜めてロスにないレースをして直線だけ外めに出したもので、それでもスウィープフィートには伸び負けた。また、例年より小粒なメンバー構成に恵まれた感も強い。
したがって、さらなるメンバー強化を考慮すると、当馬に高い評価は不要である。
 

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<配合>父ロードカナロア 母モアニケアラ 母の父マンハッタンカフェ

Northern Dancer5・6・6・8×5は中間断絶だが、血を集めるうえでは有効。Bold Ruler、Almahmoudなどのスピードを傘下に収めた形。主導の明確性や血の集合力・血の統一性に問題を残し、クラスが上がった際の決め手は今一つ。一方、シンプルさや全体のバランスが保たれ、開花後は芝・ダートを問わずタフな走りは見込める

 

シカゴスティング(抽選対象)

<前走>フィリーズレビュー12着

やや内側が有利な馬場で、逃げたエトヴプレの外から2番手追走するも息切れして大敗した。2走前の阪神JFでは楽に逃げて5着に粘ったが、ハナが切れず少し厳しい流れになると脆さを露呈した形で見所がなかった。
したがって、当馬に高い評価は不要である。
 

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<配合>父ロゴタイプ 母マルチスクリーン 母の父スクリーンヒーロー

主導はサンデーサイレンス3×4の系列ぐるみ。近視度が強く安定性には不安があるが、Haloクロスを活用していた父ロゴタイプの傾向を受け継いでいる。母系の世代後退もありバランスが崩れてムラな面を見せるタイプだが、主導の明確性を備えたことやMill Reef、His Majestyのスタミナのアシストは魅力で、マイルから中距離で好調期に意外なしぶとさを発揮する可能性がある

 

ワイドラトゥール

<前走>チューリップ賞13着

稍重馬場で若干時計はかかるがほぼフラットな馬場で、軽快に逃げるセキトバイーストを追走したとはいえ、セキトバイーストが逃げ残る展開でありながら末脚を失くしてしまって負け過ぎである。2走前の紅梅Sではセキトバイーストが逃げなかったとはいえ、競り落として1馬身差をつけているが、少頭数で超スローを差なく追走する展開と弱いメンバーに恵まれたものでレースとしての価値は高くない

したがって、現時点ではマイルでも距離が長く、当馬に高い評価は不要である。

 

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<配合>父カリフォルニアクローム 母ワイドサファイア 母の父アグネスタキオン

Northern Dancer5・6×4は中間断絶だが、血を集めるうえでは有効。一応の主導はLady Angela7・8×5・6とAlmahmoud7・8×6・6だが、6代目にはBuckpasser、Bold Rulerなどもクロスになって不明確になった。父母間に不備はないものの父の父方の世代後退により影響力が弱まりバランスを崩しており、安定性を欠く要因となる。一方、母の母方への血の集め方には良さがある。芝ダート兼用でマイルから中距離で好調期に意外性を発揮する可能性はある

 

ショウナンマヌエラ(抽選対象)

<前走>チューリップ賞14着

ほぼフラットな馬場であったが、馬場以前にもっさりとしたスタートで後方からのレースになって逃げる自分の形にならなかったので度外視可能。とはいえ、2走前アルテミスSでは楽に逃げながらチェルヴィニアらに捕まってしまって、勝ち馬から1秒離されてしまっている。

したがって、仮に抽選を突破できても、当馬に高い評価は不要である。

 

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<配合>父ジャスタウェイ 母ダイアゴナルクロス 母の父シンボリクリスエス

サンデーサイレンス3×4は単一クロスで血を集めるうえでは有効。主導はNorthern Dancer-Nearcticの系列ぐるみ。ただ、父の配合上必ずといっていいほど主導の位置に問題が起きる。強調された母の母方スカーレットリボンや父の母方Wild Againのスピードが活用されているが、クロス馬の位置がちぐはぐでクラスが上がった際の瞬発力勝負には不安があり決め手は今一つ。芝・ダート兼用でマイルから中距離でしぶとさを発揮する可能性はある

 

かなり気合を入れて桜花賞の事前検討してみた。

今週のポイントは以下のとおり。

①社台・ノーザンF所属馬の力量比較

 使い分けにより直接対戦していない馬ばかりになって比較が難しい。

②「魔の桜花賞ペース」は死語

 近年はテンの3Fが33秒台ということがなくなっている。ハープスターが勝った10年前の33.8秒が最速。超ハイペースの前潰れはない。求められるのは競馬の上手さか他を圧倒する決め手

③日曜日の雨

 火曜日時点の天気予報では日曜日は雨予報。いつから降るかによって馬場も影響を受けそう。

 

あとはルメールの不在がどんな影響を与えるか。

当日までじっくり悩みたい。