ナムラクレア、悲願のG1制覇なるか

 

2023年勝ち馬 ファストフォース

 

春の短距離No.1を決める宮記念。フルゲートを上回る頭数が登録した。例によって有力馬を中心に事前検討してみたい。

<登録23頭:フルゲート18頭>

 キミワクイーン、アサカラキング、クリノガウディー、グランデマーレ、モリノドリームは除外になった。

 

ナムラクレア

<前走>京都牝馬ステークス2着

内外ほぼフラットな馬場で前に厳しい流れではあったが、終始外を回らされた上に斤量56kgを背負ってのもので、レース内容としては勝ったソーダズリングより上。一方、スプリント戦線でトップクラスの能力を持ちながらG1では人気以下の結果に甘んじているが敗因は明らかである。一昨年のスプリンターズSでは内側が極端に有利な馬場で終始外を回らされてのものであり、着順以上に強い内容であった。昨年のこのレースは不良馬場で道悪適性の差で勝ちきれなかっただけで力負けではない。昨年のスプリンターズSは内側有利な馬場で1番枠ながら浜中がわざわざ外に出したが外からママコチャに蓋をされて持ち味を発揮できなかったものである。
したがって、いつも着順以上に強いレース内容の当馬に本命級のかなり高い評価を与えて当然である。

 

ルガル

<前走>シルクロードステークス1着

やや力の要るほぼフラットな馬場で、好スタートから2番手に控えて速い流れを追走し、直線は早めに抜け出して突き離した。見込まれ過ぎと思われる57.5kgの斤量で2着のアグリに3馬身差をつけての快勝を着差以上の強さとみるか、平均ペースを2番手追走から押し切る展開に恵まれており、着差ほど内容は強くないとみるかは微妙。ただ、2走前の京阪杯では斤量56kgで好位追走から抜け出しを狙ったが、58kgのトウシンマカオに楽に差し切られてしまっており、前走は一線級不在のメンバー構成に恵まれてのものと見る方が妥当性がある
したがって、好走するには前走のようにスタートを決めて、楽に先行する展開や内側有利な馬場の助けが必要と判断すべきである。

 

トウシンマカオ

<前走>オーシャンステークス1着

稍重のやや時計のかかる馬場ではあったが、道悪適性を要求されるほどではなく内外ほぼフラットな状態で好位の外め追走から抜け出して、2着に1馬身以上の差をつけており力の違いを見せつけた。なお、2走前の京阪杯も楽勝しており、スプリントのG3では力量上位は明らかである。
したがって、メンバー強化であっても当馬にそれなりの高い評価は与えるべきである。
 

ママコチャ

<前走>阪神カップ5着

ほぼフラットな比較的軽めの馬場で、ハイペースの流れを外枠から好位を追走したが伸びを欠いており、1Fの距離延長が堪えた形の残念な内容であった。一方、2走前のスプリターズSでは、道中は好位の外めを追走する形で、その後も終始外々を回らされる展開。それでも先に動いて4角で先頭に並び直線抜け出してしのぎ切る本当に強い内容の勝利。着差以上に価値の高いレースで、スプリント戦線ではトップクラスの能力を証明している。
したがって、得意の1200m戦に戻って当馬の巻き返しに充分注意を払うべきである。

 

マッドクール

<前走>香港スプリント8着

海外のレースでの敗戦であり度外視可能。一方、2走前のスプリンターズSでは2着しているが、内側有利な馬場で好位のインに潜り込んだものであり、レース内容としては着順ほどの価値はない。また、3走前のCBC賞では3番手追走で伸びを欠いて1番人気を裏切っており、スローペースで逃げた昨年のシルクロードSなどでも負けており、よほど展開に恵まれない限りは一線級相手では通用していない。

したがって、当馬に高い評価は不要であり、好走する可能性は内側が有利な時計のかかる馬場で先行した場合など特殊な条件が満たされた時に限られると認識すべきである。

 

ビクターザウイナー

<前走>センテナリースプリント(香港G1)1着

レースの詳細は不明ではあるが、3走前に香港スプリントで4着しており、その時には日本からジャスパークローネ、マッドクールが参戦するも7・8着に敗れており、少なくとも香港の馬場では日本馬2頭よりも上。さらに前走では香港スプリントで先着を許したLucky Sweynesseら3頭をまとめて負かしており、香港ではトップクラスの1頭と言える。

したがって、日本馬がスプリント戦線で香港馬にまったく歯が立たないことを考え併せれば、日本の軽い馬場への適性は未知数であっても、相応のかなり高い評価を与えるべきである。

 

ウインマーベル

<前走>阪急杯1着

内側が有利な馬場で好位のインを追走する展開に恵まれてのものだが、58kgの斤量を背負いながら逃げたアサカラキングを捕らえきったのは立派である。また、一昨年のスプリンターズSでは馬場の助けがあったにせよ2着の実績があり、馬場や展開の助けがあればスプリントG1でも通用するだけの能力を保持している。

したがって、好走には展開や馬場の助けが必要であり、条件が揃えば勝ち負けできる可能性があると判断すべきである。

 

ディヴィーナ

<前走>香港マイル11着

海外のレースでの敗戦であり度外視可能。2走前のエリ女では内枠3騎が上位を独占する雨上がりの内側有利な馬場で外々を回らされて7着だったが着順ほど悪い内容ではなかった。ただ、当馬は左回りに良績が集中しており右回りは致し方ない結果ともいえる。一方、3走前は府中牝馬Sを逃げ切り、4走前は関屋記念を差して2着しているように左回りでは結果を出している

したがって、得意の左回りでメンバーレベルが中距離戦線より下がることを考慮しても、スプリントの速いレースペースについて行けるかも未知数であり、押さえ程度の評価を与えれば充分である。

 

ビッグシーザー

<前走>オーシャンステークス2着

内外ほぼフラットな馬場で、中団馬群の中を追走し4角で接触の不利がありながらも連対を確保しており、レース内容としてはトウシンマカオとは着差ほどの差はなかった。ただ、2走前の淀短距離Sでは2番手追走から押し切ったが展開に恵まれた感は否めず、それ以前の重賞では人気を裏切ってしまっている。
したがって、さらなるメンバー強化でスプリト戦線のトップクラスが揃うことを考え併せると、当馬に高い評価は不要であり、時計がかかる馬場になって、馬場や展開の助けがある場合だけ押さえ程度の評価を与えれば充分である。

 

ソーダズリング

<前走>京都牝馬ステークス1着

内外ほぼフラットな馬場で比較的流れる展開を中団追走から直線早めに抜け出してナムラクレアの猛追をしのぎ切った。初の1400m戦だったが展開を考えると着差以上に強い内容の勝利だった。距離が短くなるにしたがってメンバーレベルが下がることもありレース内容が良化している。初めてのスプリント戦となるが、こなせる可能性がある。
したがって、初のスプリント戦であっても押さえ程度の評価は与えるべきである。

 

ウインカーネリアン

<前走>東京新聞杯2着

内側有利の馬場で逃げる展開に恵まれたものではあるが、東京のマイル戦で逃げ残ったことは立派である。また、一昨年に3連勝で関屋記念を制し、昨年は東京新聞杯を逃げ切っており、レベルの高いマイル戦線での実績を考えるとスプリントメンバーに入ると実績上位と見ることができる。
したがって、スプリント戦のペースでは逃げられないことは考えられるが、マイルの強いメンバーと対戦して結果を出していることを考え併せれば、スプリント戦線ならば番手に控えるレースでも好走する可能性があると判断すべきである。

 

メイケイエール

<前走>京都牝馬ステークス10着

内外ほぼフラットな馬場ではあったが馬場や展開以前に、出遅れて気合をつけると折り合いを欠いてかかってしまって能力を発揮できなかった。一方、重賞6勝の実績が示すように、一昨年のスプリンターズSや昨年の高松宮記念でも1番人気の支持を集めている。折り合って能力さえ発揮できればG1でも充分通用する能力を持っている。また、昨年のスプリンターズSでは内側有利の馬場で外を回らされながらも大きくは負けていない。

したがって、引退式をレース後に控えて仕上げはメイチのはずで、1着あって2着なしの馬ではあるが、折り合って気分良く走れさえすればラストランを飾る可能性もあると判断すべきである。

 

ロータスランド

<前走>京都牝馬ステークス6着

内外ほぼフラットな馬場で比較的流れる展開を大外枠から最後方まで下げて最内をロスなく回った。前年の京都牝馬Sのリプレイを見るようだったが、今年は昨年ほど内側の馬場が良くなかった。とはいえ、着順ほど悪い内容ではなく、明け7歳牝馬でも衰えは感じられない。また、馬場や展開に恵まれたとはいえ一昨年のこのレースの2着馬である。

したがって、馬場や展開の助けがあれば当馬にも好走のチャンスはあると判断すべきである。
 

シャンパンカラー

<前走>フェブラリーステークス16着

ダート戦なので度外視可能。とはいえ、2走前の安田記念では初の古馬との対戦ではあったが、まったく通用しておらず、陣営もそれが判ってのフェブラリーS参戦だったはず。

したがって、陣営は距離短縮で活路を見出したいかも知れないが、力不足は明白であり高い評価は不要である。

 

マテンロウオリオン

<前走>オーシャンステークス8着

稍重のやや時計のかかる馬場で内外ほぼフラットな状態で後方2番手からレースを進めたがバテた馬をかわした程度でレース内容は見どころがなく上位馬には完全に力負けであった。
したがって、当馬に高い評価は不要である。
 

高松宮記念の有力馬を中心に事前検討してみた。

今週のポイントは以下のとおり。

①香港馬を含めた能力比較

 ビクターザウイナーはかなりレベルが高いことを想定される。どこまで強いか能力比較が問題。それだけでなく、マイル路線からスプリント戦を狙って来た馬たちとの能力比較も問題になる。

②週末の雨と馬場状態

 木曜日現在、名古屋地方の天気予報は土曜日から雨。高松宮記念はパンパンの良馬場になりにくい時期に施行されるのもあるが、今年も馬場の把握が大事になりそう。

③手薄な逃げ馬勢

 絶対に逃げたいのテイエムスパーダとモズメイメイかもしれないが、テンがめちゃくちゃ速い展開にはならない可能性がある。もちろん、G1なのでスローはないだろうが展開にも注意が要る。

 

枠順を見て考えたい。