プログノーシス、連覇なるか

 

2023年勝ち馬 プログノーシス

 

空き家のG1になりつつある大阪杯の前哨戦としてこの時期に施行されることになったこのレース。例年フルゲートになることがないが、今年は頭数はそこそこ揃いそう。登録全馬の前走を中心に事前検討してみたい。

<登録15頭:フルゲート18頭>

 登録全馬出走可能

 

プログノーシス

<前走>香港カップ5着

道中の接触と前残りの展開で脚を余したものであり、力負けではない。香港の最強馬Romantic Warrior、欧州の名門オブライエン厩舎のLuxembourgを相手に1馬身差で走っており着順ほど大きな差はない。2走前の秋天では最後方待機から3着に追い込んでいるが、イクイノックスが前をきれいにしてくれたお陰であり、こちらは着順ほど価値は高くない。とはいえ、G1の厳しい流れで好走したのは立派である。また5走前の昨年のこのレースでは内前有利な馬場を生かして逃げ粘るフェーングロッテンを外から差し切っており、着差以上の強い競馬で力の違いを見せつけた

したがって、昨年よりもメンバーレベルが高いことを加味しても、本命級の高い評価を与えて当然だが、開幕週の極端な内側有利な馬場の場合は注意が必要である。

 

ドゥレッツァ

<前走>菊花賞1着

ほぼフラットな馬場で、同世代のG1とはいえ、2着に3馬身半もの差をつけており、力の違いを見せつけたようにも見える。しかしながら、途中から先頭に立ったリビアングラスが4着に残る先行有利な展開を楽にマイペースでレースを作って番手に控える展開の利やレベルの低い4歳世代限定のメンバー構成に恵まれたものとも言える。

したがって、5連勝で菊花賞を圧勝したことを考慮すれば、休み明けでもかなり高い評価を与えるべきだが、絶対視は禁物である。

 

ヤマニンサルバム

<前走>中日新聞杯1着

ほぼフラットな馬場でのローカルのG3ハンデ重賞という弱いメンバー構成に加えて、好位のインを追走する展開に恵まれたものであり、重賞勝ちではあるが、レース内容としては価値が低いまた、2走前のオクトーバーSも制しているが、楽に逃げる展開に恵まれたもので価値は高くない。

したがって、メンバー強化を考慮すると、好走には楽に先行するなどかなりの展開の助けが必要と判断すべきである。

 

ノッキングポイント

<前走>菊花賞15着

ほぼフラットな馬場ではあったが、馬場以前に距離が長すぎた上に4角で不利を受けており、負け過ぎではあるが度外視可能である。一方、2走前にはハンデに若干恵まれた部分はあるが新潟記念を制しており、3走前のダービーでも5着している。

したがって、メンバー強化とまでは言えないこのレースのメンバー構成であれば巻き返しに充分注意を払うべきである。

 

ハヤヤッコ

<前走>中日新聞杯2着

 ほぼフラットな馬場とはいえ、後方の外め追走から直線でも大外を回ってナンバーワンの末脚を使っており、58.5kgのハンデを考慮すると、レース内容としては勝ったヤマニンサルバムよりこちらが上。ただ、1・2着馬を見てもわかるように、中日新聞杯はかなり低レベルなメンバー構成であった。また、一昨年は函館記念を勝っているが、重馬場適性が出るくらいの道悪と極端にイン有利の馬場に恵まれたものである。

したがって、当馬に高い評価は不要であり、道悪や時計のかかる馬場の時に押さえ程度の評価を与えれば充分である。

 

ヨーホーレイク

<前走>22年日経新春杯1着

ほぼフラットな馬場で、断然人気のステラヴェローチェを外から差し切る強い内容であった。また、すでに3年近く前になるが春のクラシックでは皐月賞5着・ダービー7着ながらレース内容は着順ほど悪くなかった。先週ステラヴェローチェがかなり久々の勝利を飾ったが復活すれば重賞でも通用して何ら不思議はない。

したがって、2年ぶりの競馬であることを考慮しても、能力の高さは評価すべきであり、押さえ程度の評価は与えるべきである。

 

ブレイヴロッカー

<前走>京都記念6着

ほぼフラットな馬場で見た目ほど悪くない内側をロスなく回って直線だけ外に出して3着馬とは0.2秒差で着順ほど負けていないという見方もできるが、3着がバビットであったことからもわかるように上位2頭以外はメンバーレベルが低かったことでの6着である。一方、2走前のオリオンSでは差し切り勝ちを決めている。これは内で脚を溜めるロスのない展開に恵まれたもので着順ほど価値は高くない

したがって、メンバーレベルを顧慮すれば、当馬に高い評価は不要である。

 

エアサージュ

<前走>飛鳥ステークス(3勝クラス)1着

 ほぼフラットな馬場で好位から抜け出し2着に1馬身半の差をつけたが、スローペースの2番手追走から抜け出す展開に恵まれてのものでレース内容としては価値はあまり高くない。一方、2走前のオリオンSでは内枠からマイペースで逃げを打ったが、ブレイヴロッカーに差されてしまった。

したがって、好走には内側有利の馬場で楽に先行するなどかなりの展開の助けが必要と判断すべきである。

 

シーズンリッチ

<前走>菊花賞12着

ほぼフラットな馬場で、中団につけたが徐々に下がって後方で見せ場すらなく見どころはなかった。一方、4走前の毎日杯ではノッキングポイントを破って勝利しているが、内側有利の馬場を生かしたものであり、レース内容としてはノッキングポイントが上である。

したがって、当馬に高い評価は不要である。

 

アラタ

<前走>中山金杯13着

内側がやや有利な馬場で内枠を引きながら、1角の不利で位置取りが悪くなって能力を発揮できておらず度外視可能である。また、5走前の昨年のこのレースでは内側有利の馬場で内枠を生かして絶好位のインの3番手追走ながら直線でヤマニンサルバムに前に入られ仕掛けが遅れた。前がスムーズに開いてれば上位2頭に迫っていたはずである。実際に次走の巴賞を制した。

したがって、昨年同様に内枠を引いて好位のインでロスのない競馬ができるようであれば好走可能と判断すべきである。

ショウナンバシット

<前走>仁川ステークス9着

ダート戦なので度外視可能である。2走前のAJCCでは内外差がない不良馬場で2番手を追走したが直線では伸びず9着に敗れた。昨秋は秋天・JCと中距離一線級に挑戦したが歯が立たなかった。それ以前にクラシック戦線でもレベルが低いと言われる同年代相手に好走できていない。

したがって、当馬に高い評価は不要である。

 

バラジ

<前走>毎日王冠9着

東京開幕週の内側有利な馬場で、外側から好位を追走した伸びを欠いた。さらに外から伸びてハナ差2着のソングラインとは対照的で明らかに力不足だった。また、2走前の新潟記念では中団から伸びきれず5着だった。

したがって、メンバー強化を考慮すると、当馬に高い評価は不要である。

 

タガノパッション

 <前走>愛知杯2着

小倉開幕週ながらほぼフラットな馬場ではあったが、中団のインで脚を溜めて直線だけ外に出して差し脚を伸ばしたが届かなかった。これは軽めのハンデに加えてインでロスのない騎乗をした菱田の好騎乗と牝馬限定の弱いメンバーに恵まれたものである。当馬はいまだに3勝クラスを勝ち上がれていない。

したがって、当馬に高い評価は不要である。

 

ワイドエンペラー

<前走>コパノリッキーカップ4着

やや内側が有利な馬場で、超スローペースの最後方を追走する展開で9頭立てとは言え、脚を余してのもので同情の余地はある。とはいえ、準オープンクラスに昇級してから11戦して勝ち上がれていない。

したがって、別定のG2戦であることを考えれば、当馬に高い評価は不要である。

 

レッドジェネシス

<前走>仁川ステークス15着

ダート戦なので度外視可能である。とはいえ、2走前のステイヤーズSでも後方のまま見せ場なく12着に敗れていて、近走を見ても力不足は明らかである。3歳時には京都新聞杯勝利や神戸新聞杯2着があるが、前者は当時としては弱いメンバー構成に助けられたもので、後者は不良馬場での道悪適性と各馬が外を回る中で内を突いてロスのない競馬をしただけで共に重賞連対というほど価値はない。

したがって、当馬に高い評価は不要である。

 

金鯱賞の登録全馬の前走を中心に事前検討して見た。

今週のポイントは以下のとおり。

①中京開幕週の馬場

 開幕週は内側有利の馬場になりやすい。昨年もフェーングロッテンが馬場を最大限生かして2着に粘ってる。

②またしても金曜日の雨

 関東も近畿も雨予報だが、愛知県には雨の予報が出ていない。本当だろうか。注意してみておきたい。

③典型的な逃げ馬不在

 どうしてもハナに拘るという馬は見当たらず、展開に注意が要る。

 

枠順確定を見てしっかりと考えたい。