マスクトディーヴァの出番か

 

2023年勝ち馬 ウインカーネリアン

 

今年の飛躍、活躍を期すマイラーたちが集まる東京新聞杯にフルゲートを上回る登録があった。例によって有力馬を中心に事前検討してみたい。

<登録22頭:フルゲート16頭>

 ライトクオンタムは回避。リューベック、カルリーノ、セッタレダスト、カルロヴェローチェ、ラヴェルは除外

 

マスクトディーヴァ

<前走>秋華賞2着

 内外ほぼフラットな馬場で、次走を見据えた休み明けのリバティアイランドが余裕残しの仕上げだったことも事実だが、勝ったリバティアイランドに1馬身差に迫り、3着以下を2馬身半離しており、能力の高さを示した。一方、そのリバティアイランドはJCでイクイノックスの2着に走っていたように、古馬の超一線級相手でもリバティアイランドは通用している。さらに、2走前のローズSを驚異的な時計のレコードで制しているが、同2着のブレイディヴェーグは次走でエリ女を制しており、ローズS組のレベルは高いといえる。但し、エリ女の古馬のレベルは決して高くなかったことも忘れてはならない。

 したがって、初のマイル戦を考慮に入れても当馬に相応のかなり高い評価を与えるべきである。

 

ジャスティンカフェ

<前走>マイルチャンピオンシップ3着

 Cコース替わりにもかかわらずほぼフラットな馬場で、スタートが悪く後方からの競馬。馬群の中を追走し直線でいい脚を使ったが、上位2頭には伸び負けた。それでも、G1マイルCSでの3着は立派である。一方、昨年のこのレースでは1番人気の支持を集めながらも4着に敗れており、脚質的にも先行馬有利の馬場や展開では脚を余す危険性がある。

したがって、実績的には高い評価を与えるべきだが、内側有利なトラックバイアスが働く馬場や前残りの展開では取りこぼす危険性も認識しておくべきである。

 

 ◆マテンロウスカイ

<前走>リゲルステークス1着

 ほぼフラットな馬場ながら若干内側有利な状態で、スローペースの2番手を楽に追走して差し切っただけであり、レース内容的にはあまり価値は高くないまた、4走前のエプソムCでは好位のインを追走する展開に恵まれながらも、ジャスティンカフェに楽に差し切られている。

したがって、ウインカーネリアンが逃げると想定すれば極端なスローペースは考えにくく、であれば当馬には押さえ程度の評価を与えれば充分である。

 

ウンブライル

<前走>NHKマイルカップ2着

 ほぼフラットな馬場で出遅れ。ほぼ最後方からの追走で、勝ったシャンパンカラーにはアタマ差届かなかったが、No.1のあがりの脚を使って追い込んでおり、レース内容的には負けて強しだった。ただ、NHKマイル上位では、1着シャンパンカラーは安田記念で14着、4着のダノンタッチダウンが富士S11着などと、古馬相手でまったく通用していない。

したがって、NHKマイル組のレベルの低さとルメール騎乗で人気も予想されることを考え併せれば、押さえ程度の評価を与えれば充分である。

 ◆トゥードジボン

<前走>京都金杯3着

 開催替わりで内側有利な馬場で、好位のインを追走してのものであり、イン有利のトラックバイアスが働いた馬場に恵まれたことを考えると、レース内容としての価値は高くない。一方、2・3走前の宝ヶ池特別(2勝クラス)及び清水S(3勝クラス)の連勝もスローペースで楽に逃げる展開に恵まれてのものである。

したがって、当馬に高い評価は不要であり、好走にはかなりの展開の助けが必要と判断すべきである。

 

コナコースト

<前走>ターコイズステークス10着

 やや時計のかかるフラットな馬場で、不利な外枠から先行できずに能力を発揮できなかった。一方、2走前の秋華賞の8着という結果は、リバティアイランドに早めにかわされる展開で苦しくなったのは確かだが、逃げたペース自体は速くなく見どころはなかった。また、4走前の桜花賞は2着だが内側有利のトラックバイアスが働く馬場でスローペースの2番手を追走する展開に恵まれてのものである。

したがって、当馬が好走するためには楽に先行するなど展開の助けが必要と判断すべきである。

 

ウインカーネリアン

<前走>ブリーダーズカップマイル11着

 BCマイルは米国遠征でのもので度外視可能である。一方、昨年のこのレースではやや内側有利な馬場に恵まれたのは確かだが、後にマイルCSを制するナミュールやエプソムCを勝つジャスティンカフェを降して勝利している。

したがって、楽に先行する展開に恵まれるようであれば、昨年に続いての連覇もあり得ると判断すべきである。

 

フリームファクシ

<前走>京都金杯5着

内側有利な馬場で、外枠から終始外を回らされており、多少同情の余地はある。ただ、大外のアヴェラーレに外から差されており内容的には見劣るのも確か。それでもある程度はマイル戦に対応できる見通しができたといえる。また、2・3歳時には3連勝できさらぎ賞で重賞制覇し、世代の王道を歩んできた。

したがって、2000mの王道路線からレベルの落ちるマイル路線のレベルを考えると、世代のレベルが低いと言われる明け4歳馬といえども、展開の助けがあれば好走のチャンスはあると判断すべきである。

 

アヴェラーレ

<前走>京都金杯4着

内側有利な馬場で、大外枠からの発走で終始外を回らされてのものであり、レース内容としては価値が高く最も優秀であった。また、3走前には関屋記念を制しており、G3であれば通用するだけの能力は持っている。

したがって、6歳の3月までで引退が決まっていることを考えると、陣営が好走できると判断しているから引退させていないと見ることもでき、当馬には相応の高い評価を与えるべきである。

 

東京新聞杯の有力馬を中心に事前検討してみた。

今週のポイントは

開幕2週目の馬場状態

 開幕週の芝は内側がやや有利な状態だった。これが2週目でフラットに近づくか、内前有利な状態のままか。

ペースのカギはウインカーネリアン

 仮に何かがハナを叩いても、ペースのカギを握っているのはウインカーネリアンだろう。平均ペースでは流れるはず。

 

枠順確定を待ちたい。