今度こそアグリか

 

2023年勝ち馬 ナムラクレア

 

今年から京都に戻るこのレースにフルゲートを上回る登録があった。昨年までの中京とは異なり、右回りスタート直後から登りで直線平坦な馬場でのレースとなる。そのあたりを踏まえて、有力馬を中心に事前検討してみたい。

<登録20頭:フルゲート18頭>

 リバーラ、ドグマは除外対象

 

アグリ (58kg)

<前走>阪神カップ3着

ほぼフラットながら若干内側が有利な軽めの馬場で、ルメールが外枠から内に潜り込み速い流れを後方追走からロスなく直線も内を突いて一旦抜け出したかに見えたが、外の2騎に差されてしまった。馬群を捌き切ってのものだけに残念な結果。一方、5走前からの4戦は1200m戦を使っている。3走前のセントウルSこそ2着したが野芝の軽い馬場で比較的弱いメンバーに恵まれたものでレースとしての価値はあまり高くない。それ以外はG1ではあるが見せ場が作れていない。1400m【3-0-2-0】に対して、1200mでは【0-1-0-4】というのも気になるデータ。

したがって、層の厚いマイル路線の強いメンバーとも戦ってきた1400m戦の実績を考慮すれば相応の高い評価は必要だが、58kgのトップハンデで後方からの競馬を考え併せると絶対視は禁物である。

 

ルガル (57.5kg)

<前走>京阪杯2着

京都最終週ながら馬場状態は良く、内外フラットな状態でやや落ち着いた流れを外の5番手から直線で末脚を伸ばした。終始外を回らされたことを考えると、さらに外を回って圧勝したトウシンマカオを除けば、なかなか価値ある内容。2走前のスワンSでは4着ながら先行勢が残る展開を後方から差してのものでこちらもレース内容的には着順以上に価値が高いうえに、トウシンマカオ、ウインマーベル、グレナディアガーズらに先着している。

したがって、当馬は明け4歳ではトップクラスのスプリンターであり、ハンデは見込まれ過ぎの感じもあるが、相応の高い評価を与えるべきである。

 

エターナルタイム (54kg)

<前走>富士ステークス6着

ほぼフラットな軽い馬場で、速いペースの流れを先行して一旦は先頭に立つシーンもあり、勝ちに行った分だけ末脚が甘くなった。着順ほど内容は悪くなく、レベルの高いマイル戦線のメンバーを考えると悲観する内容ではない。また、2勝クラスまではマイル中心であったが、準オープンは1400mの多摩川Sを先行して勝ち上がっており距離短縮は有利に作用する可能性が高い

したがって、デビュー以来左回りしか経験していない(それには必ず理由がある)ことを考慮すると、初の右回りで初の1200mと未知数な部分はあるが、克服できれば勝ち負けに加わるだけの力はあると判断すべきで今後に試金石の一戦と認識すべきである。

 

バースクライ (54kg)

<前走>南総ステークス(3勝クラス)1着

中山開幕週のやや内側有利な馬場で後方のインで脚を溜めて、先行馬が残る展開ながらロスなく内を回って直線だけ少し外に出して差し切った。展開を考えると着差以上に強い内容。これで3連勝でオープン入りを果たしたが、いずれも着差は1馬身以内でスピードタイプというよりは勝負強いタイプでレベルの低いスプリント路線なので通用している可能性がある。配合的にも中距離タイプと推測できる。

したがって、テンがスローになりやすい京都の1200mで追走が楽になる可能性があるが、反面後方で脚を余す危険性もあり、押さえ程度の評価を与えれば充分である。

 

オタルエバー (57kg)

<前走>ラピスラズリステークス1着

中山開幕週のやや内側有利な馬場で、好位のやや外めを追走して外から差し切る強い内容。とはいえ、近走重賞で好走できない弱いメンバーに恵まれた感も否定できない。また、2走前の北陸Sの勝利は道悪で馬場の巧拙によるものである。

したがって、当馬が好走するには楽に先行するなど展開の助けが必要と認識すべきである。

 

メイショウソラフネ (56kg)

<前走>淀短距離ステークス2着

ややイン有利な馬場で外寄りの枠からうまく内に寄せてインの3番手を追走する展開に恵まれたが前でレースを進めるビッグシーザーに詰め寄ることもできなかった。内側を通った馬が上位を独占しており、大河の好騎乗は褒められてもレース内容としては価値が低い。3走前の準オープンの長岡京Sでも開幕週の内側有利な馬場をインの5番手で追走する展開に恵まれての勝利であった。

したがって、当馬が好走するには内側有利な馬場でインをロスなく追走するなど展開の助けが必要と認識すべきである。

 

ジューンオレンジ (54kg)

<前走>白秋ステークス(3勝クラス)1着

ほぼフラットな馬場でスローペースを外から好位追走する展開に恵まれたものでレース内容としての価値はあまり高くない。2走前の2勝クラスでも平均よりもややスローな流れを好位から抜け出したもので着差ほど価値は高くない

したがって、2連勝中とはいえ高い評価は不要であり、好走には内側有利な馬場で楽にインで追走できるなど馬場や展開の助けが必要と認識すべきである。

 

サンライズロナウド (55kg)

<前走>新春ステークス(3勝クラス)1着

やや時計のかかるフラットな馬場で前残りの展開を最後方に近い位置から差し切ったと見れば立派だが、弱いメンバーに恵まれた感が強い。当馬は2走前に六甲Sで4着に敗れているが、その時の8着レベレンシアが2着で、13着のブルーシンフォニーが4着ということでもわかる。

したがって、当馬に高い評価は不要である。

 

トラヴェスーラ (58kg)

<前走>京阪杯4着

京都最終週ながら内外フラットなやや速い馬場状態で比較的やや落ち着いた流れを中団待機から追い込むも3着とはハナ差の4着と軽めの馬場でも力のあるところを見せた。素軽さに欠ける部分があり、野芝の軽い馬場では勝ち負けまで行けないが、スプリントG1では4・7・3着と底力が要求されるレースではしぶとく伸び、特に馬場が渋れば浮上する力を持っている。

したがって、明け9歳馬といえども、渋った馬場や良馬場でも力の要る馬場、厳しい流れで底力が要求される展開になれば浮上する可能性があると認識すべきである。

 

サンライズオネスト (57kg)

<前走>カーバンクルステークス5着

ほぼフラットな馬場で若干内側有利な状態で、ハイペースながら先行した2騎が残る展開を中団で脚を溜めて、直線は外から追い込むが僅差届かなかった。とはいえ展開を考えれば悪い内容ではない。また、2走前のラピスラズリSでは4着に敗れているが勝ったオタルエバーとは位置取りの差であって力負けではない。また、前走のカーバンクルSで1着のグレイトゲイナーが京阪杯で6着に敗れていることを考慮に入れれば、ルガル、トラヴェスーラよりもやや下と見える。

したがって、差しが決まる展開になれば、当馬にも押さえ程度の評価は与えるべきである。

 

テイエムスパーダ (56kg)

<前走>スプリンターズステークス14着

ジャスパークローネにハナを奪われ、直線では早々に失速して見せ場はなかった。一方、2走前のセントウルSでは斤量55kgでも軽い馬場をマイペースで先手が取れればしぶといところを見せて勝利している。また、48kgだったとはいえ、小倉のCBC賞では1200mの日本レコードを樹立している。

したがって、好走には軽い馬場は必須条件で、さらに内側有利な馬場でマイペースでハナを切るなど馬場や展開でかなりの助けが必要と認識すべきである。

 

シルクロードSの有力馬を中心に事前検討してみた。

今週のポイントは以下のとおり。

①京都開催

  過去3年とは異なり京都で施行される。右回り、スタートからの上り坂、直線平坦で中京開催時とは条件がかなり違う。ハイペースにはなりにくいが、4年前のように追い込み - 追い込みで決まることもある。近3年のデータは参考程度

②京都の冬の重い馬場

  冬の京都は一旦馬場が重くなるとなかなか回復しない。さらに晴れても寒暖差で夜露・朝露が乾きを妨げる。

③ハンデ戦

  短距離は中距離以上に斤量の影響を受けやすい。

 

枠順を見てもう少し考えたい。