雨降って紛れがあるか
私はその日、札幌すすきののWINSの大型モニターの前でレースを観戦していた。古豪ランニングフリー、芝ダート兼用の重戦車カリブソング、それらを差し置いて1番人気はヨシトミ先生のパソドラード。そんな骨っぽい男馬をまとめて差し切った女丈夫がメジロモントレー(写真:アルゼンチン共和国杯勝利時)。鞍上は若き日の横山典弘だった。すでに33年前のことだが、それ以来牝馬のこのレースの勝利はないそうである。奇しくも鞍上にノリちゃんを迎えて3戦目の今年の牝馬はどうか。
データ的には、過去の64頭の勝ち馬で牝馬は上記のメジロモントレーただ1頭。一方、横山典弘はこのレース7勝しており、騎手として1位。ちなみに2位は小島太の5勝。昨年のノースブリッジのように関東馬に関西の騎手が乗ると好成績らしいが、今年は関西のジョッキーが浜中だけ。雨も降りそうでデータは参考程度。
AJCC 出馬表
<上位拮抗 馬場の巧拙まで雨の影響ありやなしや>
◎①マイネルウィルトス
○⑫ボッケリーニ
▲⑪チャックネイト
★⑨カラテ
△⑩ラーグルフ
△③モリアーナ
☆④ショウナンバシット
馬場状態:重馬場(中山はCコースで3週目。例年以上に軽くて速い馬場が続いてきたがここにきて雨。土曜日の朝時点では曇りの良馬場でクッション値は10.7とやや硬め。雨予報を受けて木曜日以降の散水もされていない。ほぼフラットな状態は先週と変わらない。問題はこれからの雨量で1日降り続く予報。この時期の雨では極端な時計のかかる馬場に変わる可能性もある。時計のかかるフラットな馬場とみておくが、外差しが利かない前が止まらない馬場になるか、外差し馬場になるか、直前まで注意深く見る必要がある。といっても芝の外回りは1鞍だけ。)
展開:逃げ馬不在のメンバー構成で、近走は控えるレースをしているが内枠を引いた④ショウナンバシットが逃げるか、あるいは一昨年の迎春Sで逃げて3着している⑤ホウオウリアリティか。いずれにしてもペースは速くならないだろう。前が有利な展開になりそう。あとは雨で力の要る馬場になるとマイネルウィルトスに注意が要る。
本命は①マイネルウィルトス。明け8歳馬とは思えないパフォーマンスを見せている近走。さらに渋った馬場となれば道悪の鬼
が実力を発揮する。1枠1番が不安だが、大丈夫と見てこの馬から。
相手には⑫ボッケリーニ。不良馬場の日経賞ではタイトルホルダーにちぎり捨てられたが2着を確保。確かに大外枠はきついが、言っても12頭立て。さらにG1級が不在のメンバー構成なら普通に走れさえすれば連対は確保できるとみて2番手評価とした。
3番手は⑪チャックネイト。2走前の六社Sは道悪をこなしているが、有利に働くとはいえない。去勢手術から走りが安定しているので、どこまで道悪を克服できるかが焦点になる。
穴で⑨カラテ。年を重ねるにしたがってズブくなって距離をこなしてきている。右回りは左回りに比べると安定性に欠ける感じがあるが、一昨年のニューイヤーSのようにしぶとく末脚を伸ばすことができればチャンスも。不良馬場の新潟大賞典で3着以下を8馬身離して勝利しているように道悪は苦にしない。
押さえに⑩ラーグルフ。前走の札幌記念の走りを見ると道悪馬場はプラスにはならない。この馬の好走条件は少し時計のかかる良馬場だと思うので、重馬場以上に悪化した場合は評価を下げたい。
買いたくないのは③モリアーナ
力の要る馬場になると男馬にはパワー負けするだろう。配合的には芝ダート兼用タイプなので簡単に「要らない」とは言いにくいが、買うにしても押さえまで。
最後に④ショウナンバシット。良馬場なら絶対に要らないと言い切るが、雨で力の要る馬場になった時は別。まして先行策を取った時は残り目もある。父シルバーステートの子供はなぜか馬場が渋って勢いを増す。力は足りないと思うが、外差しの利かない馬場で楽に先行できると粘る脚をもっているので注意したい。
G1には足りないメンバー構成で、逃げ馬不在、さらに雨。不確定要素が多すぎる。いつも面白いと思い、絶対当たると信じて馬券を買うが2着がよく抜ける。
雪で開催中止ということはないようだが、雨はどれほど降るのか。直前まで注意したい。
GOOD LUCK!