ボッケリーニでよくないか

2023年勝ち馬 ノースブリッジ

 

今年の中距離路線で飛躍を図りたい馬のスタートになるが、冬場で頭数が揃わないのは例年どおり。有力馬を中心に事前検討してみたい。

<登録13頭:フルゲート17頭>

 

モリアーナ

<前走>秋華賞5着

ほぼフラットか若干内側が有利な馬場で後方で脚を溜めて、直線追い込んだ。上位2頭には離されてしまったが、3着馬とは0.1秒差と僅差であった。ただ、これは勝ったリバティアイランドが前を潰してくれたお陰で後方から差し脚が生きたもので展開に恵まれた感も強い。また、2走前の紫苑Sでは開幕週の内側有利の馬場とハイペースの前潰れの展開で内枠から後方のインで脚を溜める展開に恵まれたもので派手な勝ち方ほど内容的には価値は高くない

したがって、好走には馬場や展開の助けが必要であり、人気ほど信頼性は高くないと認識すべきである。

 

ボッケリーニ

<前走>チャレンジカップ2着

阪神開幕週ながら少し時計のかかる良馬場でほぼフラットな状態。遅めの平均ペースをいつもよりもやや後ろの中団から追走したが、直線入り口では一旦行き場がなくなって内ラチ沿いに進路を見つけると一気に伸びた。ベラジオオペラに負けはしたが、これは切れの差というよりも展開のあや。すんなり抜けていればこちらが先着したはずで負けて強しというか、勝ちに等しいハナ差。また、G1では敗戦続きでもG2・G3では常に好走を繰り返している。

したがって、G2で少頭数、かつ強力な逃げ馬不在という状況を考え併せると、安定して力が発揮できるはずで本命級の高い評価を与えるべきである。

 

チャックネイト

<前走>アルゼンチン共和国杯3着

ほぼフラットな馬場でやや速めの平均ペースの展開で、直線では前が壁になって外に持ち出すロスがありながらの3着同着。不利がなければマイネルウィルトスには先着していたはずで、レース内容としては互角かそれ以上である。また、2走前の六社Sでは、去勢手術明け2戦目できっちり差し切り勝ちを決めてオープン入りを果たしている。

したがって、手術によって安定して力が出せるようになったと見れば、マイネルウィルトスと互角かそれ以上の高い評価を与えるべきである。

 

マイネルウィルトス

<前走>ステイヤーズステークス3着

中山開幕週の内側有利な馬場で、マイペースで逃げたアイアンバローズを捕らえきれなかったのはトラックバイアスがイン有利に働いたためで力負けではない。むしろ、春天3着のテーオーロイヤルと内容的にはほぼ互角の走りで価値が高い。また、2走前のアルゼンチン共和国杯においても終始外を回りながら2着に追い込んでおり、実力の高さを示した。一方、2400m未満の距離での良馬場では重賞で良績を残せていないもの事実である。

したがって、2400m以上の距離か、渋った馬場で底力を要求される馬場で実績を残していることを考慮すれば、外の差しが届く馬場や時計のかかる渋った馬場であればそれなりの高い評価を与えるべきであるが、前週同様、例年以上に速い馬場の今年の中山では心配もかなりある

 

ラーグルフ

<前走>札幌記念8着

ほぼフラットながら洋芝の稍重馬場で、馬場適性の要求度が高かった特殊な馬場と見れば度外視可能である。一方3・4走前の中山では、内側有利な馬場だったとはいえインの5番手あたりの好位で脚を溜めてロスなく抜け出して中山金杯を制し、次走の中山記念では外を回って2着に好走している。今年のAJCCのメンバーレベルを考えれば実績的には上位といえる。

したがって、中山2200mはセントライト記念の1走だけでガイアフォースらに完敗しているが、2勝3連対の中山での巻き返しに注意を払うべきである。

 

クロミナンス

<前走>ノーベンバーステークス1着

ほぼフラットな軽い馬場で、スローペースの前残りの展開を32.6秒の最速の上がりで差し切っており、着差以上に強い内容だったのは確か。但し、3勝クラスにしても弱いメンバー構成に恵まれた感も否めない。また、3連勝で準オープン入りしたが、その後は勝ち上がれずにダートを試したりしているように、陣営も能力的にも壁に当たった感じていたといえる。

したがって、前走の内容を評価しても、押さえ程度の評価を与えれば充分である。

 

ショウナンバシット

<前走>ジャパンカップ11着

上位2頭は別にしても、3~5着馬も有馬記念で上位を独占したことを考えれば、メンバーが強すぎて相手にならなかったのが実態。一方、皐月賞では5着に好走しているが、内がポッカリと開く展開に恵まれたもので、日経新春杯出走の明け4歳世代との比較でも能力的に少し見劣るのは実績からも明らか。

したがって、当馬に高い評価は不要である。(先週書いた内容と変更なし)

 

アドマイヤハレー

<前走>迎春ステークス1着

Cコース替わりの開幕週で例年よりも軽い内側有利な馬場で、7頭立てでスローペースを捲り気味に追い上げて直線抜け出した。少頭数のスローペースを差しただけでレース内容としては価値は高くない

したがって、当馬に高い評価は不要である。

 

カラテ

<前走>宝塚記念16着

ほぼフラットな馬場で、前潰れの外差し有利な展開を先行してのものであり、強い相手に力負けだったのは確か。一方、3走前には新潟大賞典を、その前年には新潟記念を制しているように、重賞でも通用するだけ能力を持っている。但し、右回りの重賞に限ると中山記念2着の1度しか馬券に絡めていない。

したがって右回りに不安があるものの、休み明けでも体調さえ万全であれば押さえ程度の評価は与えるべきである。

 

上位人気馬を中心に事前検討してみた。

今週のポイントは以下のとおり。

週末の雨

 年明け以降例年以上に速い馬場だったが、一気に例年並みかそれ以上に時計のかかる馬場に変わる可能性がある。内外のトラックバイアスがどう働くか。

逃げ馬不在

 逃げ馬のみならず、先行馬もいないようなメンバー構成で展開はわからない。

 

まだまだ直前まで悩みそうだ。