負けた馬ばっかりで難解、超難解だ

私の中では有馬記念は牝馬では通用しないとずっと感じていた。かつてはスターロッチやトウメイという名牝がこのレースを制しているがライブで牝馬が勝つシーンは見る機会がなかった。3冠牝馬メジロラモーヌでさえ牡馬に歯が立たなかった。それを変えたのはダイワスカーレット(写真)だ。アンカツ騎乗でハナを切ると追走するダービー馬も前年の覇者も翌年このレースを制することになる馬も、男馬たちをおいでおいでして蹴散らして逃げ切り勝ちを決めた。2着に入ったのは川田騎乗のしんがり人気アドマイヤモナークだった。今年の牝馬どうだろう。

 

データ的には1番人気が【6-1-1-2】で複勝率80%と安定。飛んだのは15年単勝4.1倍のゴールドシップと19年単勝1.5倍のアーモンドアイ。他の8頭は1.6倍~3.5倍で人気に応えている。ちなみに3着の1頭は14年のゴールドシップで3.5倍だったから、1.6から2倍台(正確には2.6倍)の1番人気は連対率100%である。一方、人気順に拘わらず単勝3.6~6.6倍の馬は過去10年で9頭いるがまったく不振で【0-0-1-8】と13年のゴールドシップが4.4倍の2番人気で3着した以外馬券対象にもなっていない。凡走した馬の中にはジャスタウェイ、エピファネイア、ラブリーデイ、スワーヴリチャード、キセキ、タイトルホルダーと錚々たるG1馬が含まれている。データどおりなら今年の有力馬はほとんど消えることになるが、さて。

 

有馬記念 出馬表

 

<難解、なんでもあり>

   ◎⑯スターズオンアース

   〇①ソールオリエンス

   ▲⑬タスティエーラ

   △⑮スリーセブンシーズ

   △⑩ジャスティンパレス

   △⑤ドウデュース

   ☆④タイトルホルダー

 

馬場状態:良馬場(中山はAコースで4週目。週の初めから土曜日まで降雨はない。土曜日朝のクッション値は良馬場で9.5と標準値の中。4週目だが変わりなく馬場状態は良さそう。ほぼフラットで土曜日は展開次第で差しも決まってフラットな状態からやや外差し有利になりつつある。ただ馬場は軽い。メインのグレイトフルSの勝ち時計は2分32秒台で近年では最も速い時計だった。日曜日は朝から好天の予報でこのままの状態が続きそう。ほぼフラットとみる。あとは内側がどこまで悪化するか直前まで注意したい。)

  中山:5回中山開催9日間全4週Aコース(4週目)
  阪神:5回阪神開催9日間後1週Bコース(1週目)
 

展開:ハナを切るのは④タイトルホルダーで単騎逃げはほぼ堅いだろう。ステイヤーズSを逃げ切った⑦アイアンバローズはテンが速いわけではないので2番手とみる。その後ろは7枠2騎⑬タスティエーラ、⑭プラダリアか。6枠7枠に前に行きたい馬が揃ったので、内側の馬が包まれるのを嫌って前につけたがると少しテンが速くなるかもしれないが、タイトルホルダーがすんなりでも溜め逃げタイプではないので平均ペースくらいで流れそう。8枠2騎は後方からになるだろうが、6・7枠の4頭が前に行ってくれると案外コースロスは少ないかもしれない。直線は腹をくくって真ん中で馬群に突っ込む可能性もある。

 

本命は⑯スターズオンアース。データからはとても買えない連対ゼロの16番枠だが、逆に3番人気以内を裏切った馬もいない。要するに、16番は10年以上に亘って後にも先にも一昨年のタイトルホルダーの4番人気が最高でそもそも上位人気になる馬が入っていないともいえる。前走を見ても力は男馬相手でも力負けはしない。幸い人気もないのでこの人気で現在のフラットな馬場であればチャンスはある。勝てないまでも馬券圏内は外さないと信じて、初志貫徹

 

相手には①ソールオリエンス。武史から川田大明神に乗り替わりで、上手く御せればコースロスなく乗れるはずで、内で包まれると終わりか。ダービーのようにうまく出して行って好位が取れればチャンスはある。

 

3番手に⑬タスティエーラ。今年の3歳馬はレベルが低く、古馬よりも力が下だと思っているが2kgの斤量の恩恵とこの馬はムーアが乗ってくれることが明らかにプラスに働く。オーバーペースのハイペースは考えられず、デビュー戦以来となる鞍上でも前でレースができる強みが生きる

 

あとは押さえ

1番手は⑮スリーセブンシーズ。時計のかかる良馬場だと力は発揮しそうだが、軽い馬場で展開的に後方からで差し届くかどうか。どっちにしても後ろからなので枠順は関係ないはずで、宝塚のようになれば勝ち切れるチャンスまである。

 

2番手は⑩ジャスティンパレス。枠順だけならこの馬に勝たれるかとも思ったが、昨年も負けていて来られても不思議ではないが、最近親父に似てきた武史のわけのわからなさを考えると1番人気でやらかしそうな気がしてならない

 

3番手に⑤ドウデュース。JCのレース内容を見る限りでは、スターズオンアースの方が上。ユタカに戻ることで人気になっているが、イクイノックスに勝ったダービーや着差以上に圧勝した京都記念の走りが戻っているかどうか。

 

最後に④タイトルホルダー。G1を3勝しているが、すべてイン有利の馬場で逃げて大差をつけての完勝劇。実際には着差ほどの強さはなかったといえる。近走で逃げて差されてしまうのはそのため。JCでも止まっているわけではないので好走には馬場と展開の助けが必要。でもこのレースで引退。有力馬が外枠へ。いつか見たいかさまレースを思い出す。ピークを過ぎた3冠牝馬が2枠4番をマーくんが引いて、エピファネイア、ゴールドシップ、ジャスタウェイら有力馬はすべて外枠だった。勝ったのはジェンティルドンナ。引退レースを飾った。あのレースはいかさまを見切って万馬券をゲットした。まさかとは思うが...

 

いやはやなんでもありのレースになった。上位人気は何が来てもおかしくない。馬場と展開次第。過去の荒れるパターンでは人気薄の外国人騎手が乗る中山で実績のある内枠の馬となるが、外差しならサラキアの例もある。どうなるだろう。

GOOD LUCK!